岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

【JR事故】ATS設置の決定が遅れたのはなぜか。

2005-05-19 10:28:49 | JR西福知山線脱線転覆事故&安全
安全対策が遅れていたJR西の中で、特に福知山線がなぜ遅れ
続けたのか。
どのレベルでの判断か、知りたいと思っていた。
19日の毎日新聞で少し見えてきた。

「新型ATS(自動列車停止装置)設置がJR西日本の社内で
00~02年に予算要求され続けたのに投資決定は03年9月と
なり、事故発生時に間に合わなかったことが18日分かった」。

「99年2月に片町線(学研都市線)で投資決定(導入は02年)
した後は、宝塚線の投資決定まで約4年半も“空白”だった」

この判断をするのが、「総合企画本部」であり、「経営会議」に
提示する予算や事業計画案を作成する実権を握っているらしい。
この「総合企画本部」がどのようなメンバーで構成されているか、
やがて知ることになるだろう。

「総合企画本部」というからには、経営トップの財界首脳への
就任なども視野にいれた「勝ち組」としての体裁作りに苦心
していたことであろう。
宝塚線の投資の遅れは、「勝ち組としての体裁作り」の
数字合わせに使われたように思われる。

今年、経営トップの関西財界就任が決まった。
「勝ち組としての体裁作り」は完璧にできた。
それでは、止めていた安全対策を再開しよう。

これが邪推ならよいが、この邪推がはずれそうにない。

この「勝ち組としての体裁作り」の被害者は誰か。
利用者と社員である。

運転士が自らを責め続けてる。
「なぜ危険な過スピードダイヤを会社に指摘できなかったのか」
「なぜ事故車両に乗り合わせていながら上司の指示を仰いで
 現場を離れてしまったのか」
せめて、このような思いを「総合企画本部」や経営トップが
共有することができなければ再生はないだろう。

この事故は根が深く広い。それゆえ、バランスを持って考え
なければ、問題点の焦点がボケてしまい、その結果霧散してしまう。

実は、「勝ち組としての体裁作り」は、「働くということ」と
密接につながっていて、この面からも究明することが必要なのだが、
これをいってはまさに焦点がボケてしまい責任が霧散してしまう。

これは別項目で書いてみたい。

今日はここまでにとどめたい。



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