岩清水日記

「こうして綴ることで想いは深く掘り下げられ、岩清水が湧くように新たな命脈が保たれて、みずからを励ます」平松洋子 

【 岡山孤児院12則】教育法のまとめ   石井十次29

2005-03-20 10:09:01 | 石井十次
十次は、長年の孤児教育を通して、彼独自の教育法を
作り上げていく。岡山孤児院12則である。

1.家族主義
2.委託主義
3.満腹主義
4.実行主義

5.非体罰主義
6.宗教主義
7.密室主義
8.旅行主義

9.米洗主義
10.小学教育
11.実業教育
12.托鉢主義

十次の日記を読むと10代のころから、自らを律する規則を
つくっている。これは十次の個性なのか、それともそのような
教育を受けてきたのか。
最近話題の堤家の家訓や遺訓などを読めば、古来日本人は
このような則を書き記していたと考えることが自然と思われる。
ただ、十次は特に自らを律する気持ちが強く、キリスト教を
信仰をすることにも大いにつながっているのだろう。

これは12則であるが、番外に、「鍬鎌主義」がある。
「鍬鎌主義」は、二宮尊徳の「報徳記」に影響を受けて、
農業を通じた自活を目指すのである。この場合は、報徳思想は
実業のための手段である。ただ、それが手段だけなのか。
その骨格である思想を受け入れたのではないかと、問いたい
誘惑にかられる。私は思想を受け入れたのではないだろうかと
思う。
十次の中で、さまざま思想と宗教が織り込まれたいった
のではないか。新たな 宗教が生まれる前夜のような十次の
頭の中ではなかっただろうか。

12則に戻りたい。

1.の家族主義とは、家族的雰囲気の中で育てることと
理解できる。ところが、十次のことである。
ことは簡単ではない。この家族主義は現代のグループホームに
つながる「家庭舎」※というハードと、母親がわりの女性と
いうソフトを組み合わせた長年の試行錯誤の産物なのである。
「家庭舎」というハードについては、菊池教授の精緻で膨大な
研究が進んでいる。

どのような建物が、孤児をグループで養育することに適して
いるか、そう長いとはいえない年月で、彼は50舎以上の家を
建てながら、検討を進め、ひとつの結論に達している。
その建物のひとつは今でも岡山の東山に残されている。

真冬の1日に訪れたが、意外に大きい建物だった。暖かい季節に
なれば、何日か備え付けの十次の日誌を読みながら過ごすのが
夢である。必ずや何がが見えてくると思われる。
この「家庭舎」についても項を改めて書いていきたいと思う。

その他、残りの則のうち、見当がつきにくいものを簡単に
説明します。

2.委託主義 = 里親制(里預け)。独特なのでまた
  詳しく書きたい。
7.密室主義 = 密室ということばにドキッとするが、叱る
  ことも、誉めることも、児童と二人だけで行うことである。
9.米洗主義 = 集団教育のこと。児童の天真の特質を
  発揮するために集団で正しい教育をする。米ぬかを洗い
  落とせば、みんなきれいな米になるという性善的な考え。
12.托鉢主義 = 寄付で院の経営の基本とすること。

※小舎と家庭舎は同義です。家庭舎という用語は、家族が住む
小舎というイメージが湧きやすいと思います。
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