岩清水日記

「こうして綴ることで想いは深く掘り下げられ、岩清水が湧くように新たな命脈が保たれて、みずからを励ます」平松洋子 

映画『トランボ ハリウッドで最も嫌われた男』

2016-09-19 18:34:21 | 映画・DVD 

トランボは人の名前です。

ハリウッドで最も嫌われた男というタイトルはどうかと思います。

強いていえば、「嫌われるように仕向けられた男」でしょうか。

天才的な脚本家です。

1930年代から活躍するのですが、米国共産党員です。

戦後、対立する国がソ連になったため。反ソ連旋風が吹き荒れます。これが赤狩りです。

戦争中は反日、反独のプロパガンダが徹底して行われましたが、戦後は矛先が代わった(だけな)のです。

国民の精神状態は、戦争が冷戦に変わっても戦争中と大差なく愛国心の塊でした。

ダルトン・コランボは、ハリウッドで労働者のための活動をしています。そのため1947年下院に設置された非米活動委員会に召喚され、法廷侮辱罪で投獄されます。

これはどう考えても無茶苦茶な話です。

米国の愛国主義も徹底しています。3.11を思い出してください。ブッシュを思い出してください。

米国の共産党員がなにをしたのでしょう。

いけにえです。

彼らは、ハリウッド・テンと呼ばれブラックリストに載せられます。仕事がこなくなります。

チャップリンも同じような目に遭っています。

この時に委員会側に立ったのが、ジョン・ウェインやロナルド・レーガンだったのは有名な話です。

ハリウッドの大手から仕事がこなくなったコランボですが、家族や仲間をささえなくてはなりません。

名前を隠して映画の脚本を書くことを始めます。

なんと2本の作品がアカデミー賞を獲得しました。

「黒い牡牛」、「ローマの休日」です。

映画では孤軍奮闘するトランボと彼を支える家族が描かれます。

「赤狩り」などという卑劣な行為が長くつづくことはありません。

当時の人気俳優カークダグラスが「スパルタクス」の脚本を依頼し、実名で書くことになります。

脚本:ダルトン・トランボとタイトルロールに流れます。

1940年代の挫折、1970年代の復活。

しかし彼は1976年に他界します。

1980年代、ロナルド・レーガンが大統領となってしまった。

1993年、「ローマの休日」のアカデミー賞脚本賞を妻クレオが授与される。

実に40数年ぶりの名誉回復です。

レーガンの影響力がなくなるのを待っていたハリウッドとなります。

政治というものは怖い。権力を持つということは恐ろしいことです。

 

 

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