EVER BLACK ねお

誰も知らない秘密の毒箱

あぁん?TVのチカラだぁあぁ?(第16回)

2005-04-21 22:04:47 | お笑い
さて、私の住む広島市のおとなりに廿日市市(はつかいちし)というところがあります。
昨年の10月5日(火)の午後3時ごろ、女子高生が自宅で若い男に殺されるという痛ましい事件がありました。
半年以上経った現在もまだ犯人逮捕にいたっておらず、とうとうあのテレビ番組で取り上げられています。

「TVのチカラ」

いやね、あの番組むかつきますわ。
家出人の捜索とかいうんだったらいいんですけど、犯罪捜査みたいなことするのがむかつく。
いくら警察がアホタレだとしてもですね、テレビ番組ごときができることなんてとっくにやってますからね。



超能力者が透視ぃ?



スタッフ・出演者5回ぐらい死んどけ。


あ、中山ヒデは7回な



超能力であろうがなかろうが、20個ぐらいあてずっぽ言えば、1~2個ぐらいは近いものがあるわい。
10,000回ぐらい言えば1個ぐらいはドンピシャリってこともあるわい。
くだらん、じつにくだらん。

そんなん言ったら俺だって

「むぅ、あの子は俺に気があるに違いない」

とか思ったのも50回に1回ぐらいの確率で当たってるわい。
超能力捜査官に比べたらすごい的中率でしょ?
だから私も


超モテモテ者

狙った獲物は逃がさないわよキャッツアイ


といってはばからないわけです。
・・・うん?


泣いてないよ。



その廿日市の事件ですが、廿日市に住む後輩の家には数日のうちに警察の捜査というか聞き込みが入りました。
まぁそいつは

「TUTAYAで女子高生モノのビデオ借りたりしたからか?」

とか心配してましたが、似顔絵とは似ても似つかないので心配はご無用。
近所に住む、ある程度の年齢までの男性のところは全て捜査が入ったみたいですね。
笑って

「いやお前が犯人なのは俺が良く知ってるから」

とかお決まりの返しをしたりしてました。



さて月日は流れつい最近の休日、呼び鈴がなって玄関に出るとスーツにジャンパー姿の一人の男がいました。
家のリフォーム屋とかシロアリ駆除屋かなぁ・・・と思っていると



男「廿日市警察署のものです。女子高生殺害事件の件でちょっと」




『聖母たちのララバイ』とともに

エンドロールが流れ始めてきました。



いやいやいや、廿日市からうちの家まで25キロぐらい離れてんのよ!

まさかこんなに早く捜査のメスが入るとは!


まぁ、私が犯人じゃないんですけどね。多分。

とはいえ他の件で来てたんだったら
汗びっしょり
なんですけどね。

私が「なんで?」といった顔をしていると、

刑事「こちらに旧姓○○○○さんといわれる方がいらっしゃるとおもうんですが」

私「○○?ああ、私の嫁ですが」

どうやら私が目当てではないようです。
つまり、私の犯罪はまだバレてないようです。
それを聞いて、サンダル履きでなければ

猛烈にダッシュしてみたい衝動

にかられましたがね。
それと、家の中に向かって

「○○!逃げろ!」

とか叫んでみるのも面白いかなぁなんてね。
まぁやめときましたが。
刑事を玄関の中に招き入れ、話を嫁と二人で聞くことにしました。

刑事「ああ、奥さんですか。実は、あの事件のあった家は奥さんが昔住んでいらっしゃった
アパートの隣でですね、そのアパート自体が被害者の父親の物なんですよ」


びっくりです。
確かに嫁は7~8年前、廿日市にあるレオパレスのアパートに住んでいて、
私たちが付き合い始めて半年ほど半同棲生活もしてました。
そして、その近所で起こった事件だということは当然認識していました。
しかしまさか、隣の民家で、しかも大家さんの家だとは思いもしませんでした。
いや、レオパレスは一括借上なので家賃は大家さんに直接払わないから、
家主の名前なんか知らないわけですよ。
そしてなにより、そんな昔に住んでいた人間のところにまで聞き込み調査をしてるなんて!
嫁が住んでいた頃は、殺された女の子だってまだ小学生だっただろうし、
犯人も若い男だったそうだから、まだ子どもだったんではないでしょうか?


刑事「なにかその当時、不審者がいたとか怖いことがあったとかありませんか?」

嫁「いえ・・・特別何もなかったですけど・・・ねえ?






この馬鹿嫁!俺に同意を求めるな!

俺に土地鑑があるのがバレるだろうが!


もちろん刑事がそれを見逃すはずがありません。
メガネの向こうで何かが光りました。


刑事「あなたも住んでいたんですか?」

私「いや、まぁ、あの・・・半同棲っちゅうか・・・

刑事「え?なんですって?」

私「ああ、まぁ同棲みたいな感じですかね、いや、毎日ではなく週に3~4日ぐらいですけど」

刑事「ああ、そうですか」



なんかこの会話を意訳すると


刑事「あなたも住んでたんですか?結婚してなかったはずだろ?」

私「いや、まぁ、あの、夜になると泊まりに・・・」

刑事「ふっふぅ~ん?週に何べん?やってた?なぁやってたんだろ?」

私「あ、いや、毎日でなくて、週に3~4日ぐらいしかしてませんよぉ」

刑事「けど1日に何回すんだよ?」

私「あ、いや、夜は一回のことが多いですけど・・・
いや、朝起きてもう一回することもあったかもしれません・・・
土日は昼間も・・・」



となりますよね。
なんてこといわせるんだ、このセクハラハゲ刑事め。
いや全然禿げてないんですけどね。
まぁバリューセットです。

なんか明らかに刑事の矛先が私に向いてきました。
いや、まずいことに私の髪の毛、今ちょっと短いんですよ。
若いか?と聞かれれば33歳なのでそんなことは無いんですが。
しかしまぁ10代には見えないでしょうけど、20代中後半には見えるかもしれません。

刑事「ほほぉ・・・あなた・・・お名前は?」

私「あ、はい、○○といいます」

刑事「ではあなたの住所とお名前をココに書いてください。」



筆跡か?筆跡がほしいのか?
住所は知ってるだろ?ここに来たんだから。
なんか手が震えちゃいますわねぇ。どれどれ・・・

はっ!しまった!
素手で紙に手を下ろしてしまった!


指紋をこの紙からとるつもりだな!


くそぉ、さすが刑事だぜ。
筆跡なんかどうでもいいはずだからな、指紋が欲しかったとは・・・

クックックッ・・・けどみんな、心配すんな。
指紋をとられたぐらいでオタツクような俺様じゃあないぜ。

なんせ



広島北警察署にいけば、

俺の指紋は全部の指分あるぜ。



いやいや、家に泥棒が入ったとき家族全員分とられたんですよ。
いや、信じてよ。犯罪歴はええと、業務上過失傷害しかないから。

むっ!まてよ!
それと、近隣のレンタルビデオ屋で貸出履歴を調べるのか?
私が最近借りてるのは

「人妻もの」

ばかりだけど

「レイプもの」

が少し混じってるのがちょっとまずい。
いや、嫁にねストーリー性のある人妻レイプもの見せると
反応がいいんですよ。

おい、嫁!

「レイプものは私の趣味です」

って言ってくれ!頼む!
そうやってアイコンタクトで信号を送ってるんですが、嫁との心の距離はイスカンダルより遠く、全く通じてない様子。
ちくしょう、通信班の相原より使えねぇ。


刑事「ところでご主人、お仕事は何を?」

私「団体職員です」

刑事「じゃあ平日はお勤めを?お休みは?」

私「そうですね、休みは基本的にカレンダーどおりです」




明らかにアリバイの有無を調べられてます。

いや覚えてないんだけど、もしその当日、有給休暇なんてとってたらどうしよう。
そしてその有給休暇を嫁に言わず、パチンコなんかしてたんだったらどうしよう。
いや、仮にそうだったとしても私が犯人でないことは間違いなく立証できると思うんですが、


遊んでたことが嫁にバレたら大変だぁ!



くっそぉ・・・犯人早く捕まってくれよぉ。
こちとら枕を高くして眠れない日々が続きます。




頑張れ中山ヒデ





フリーターも悪くない、けど税金と年金払え(第15回)

2005-04-12 11:58:38 | お笑い
さて、アルバイトについて。

私が経験したアルバイトをちょっと列記してみますね。

・レストランのウェイター
・ショットバーのバーテン
・テレビ局の中継アルバイト
・建設作業員
・家庭教師
・焼鳥屋の店員
・デパート催物会場の呼び込み
・パブのボーイ
・工場作業員
・漬物加工

こんなものを大学時代の5年間でやりました。
他にもあったような気がするけど。

どれも想い出がありますが、この中でもっとも印象的だったのが

「テレビ局の中継アルバイト」

カメラマンの補助や中継基地設営をするのが仕事です。
バイト料が良くてですね、野球中継なんかはナイトゲームで昼の2時ぐらいから
試合終了1時間後ぐらいまでで、日給7,200円+交通費+夕食。
10時を過ぎると深夜加算分もつきますしね。
時給換算すると800円くらいですけど、実働は3時間もありません。
あとは野球観戦しながらカメラマンの
「タバコ買って来て」「ジュース買って来て」
ということぐらいしかすることがありません。ほんと普通に野球観戦してるだけ。
朝の全国放送番組の生中継なんかもあるんですが、朝5時集合が辛いだけで拘束時間4時間、
実働1時間ぐらいで5,200円+交通費+朝食
ちょっとない割のいいバイトだったんで、月に数回レギュラーバイトの合間に入ってました。

けどね、ええとね、テレビ局の中継スタッフの人ってね。


頭がおかしいんですよ


常識とかそういったものがまるで無い。

「よっしゃ、バイト君、コレ2つ担いでここ降りて!」

といって指差した先には


1つが重さ30キロあるケーブルと崖


だったり、


「バイト君、カメラチェックするからコレ持ってそこ立って!もっと後ろ!」


と色調調整用の板を持って立たされてるのが


台風中継での防波堤の上


だったりってことは日常茶飯事でした。
あんなことさせるから雲仙普賢岳でバイトの大学生が何人も死ぬわけです。

さてそういった生命の危険を感じるものは出来ないことはないんですが、
あいつらは不可能な要求をしてくることがあります。

こうったことがありました。
10年位前、広島で「アジア大会」といったものが開催されました。
アジア大会とは「アジアのオリンピック」とも言えるアジア各国の参加するスポーツの祭典です。
なかなか大きな大会らしく、地方テレビ各局もこぞって特集番組やPR番組を作成していました。
さて、そういったスポーツ大会では「イメージキャラクター」というものが設定されます。

記憶に新しいものといえば、えっと、ロス五輪のイーグルサムとか。←1984年

広島アジア大会でも「ポッポ」「クック」というキャラクターが設定されました。
まぁ名前を見てもらえればわかるんですが、広島→平和の象徴→ハト
という、まぁ無難というかなんというか、まぁ普通です。
本来なら、間違いなく

「朝日ソーラーじゃけん」

とかいってる菅原文太であるべきなんですがね。
まぁ文太の知名度が海外では皆無なので、実行委員会も涙を飲んで文太を見送ったんでしょう。

さて、中継のアルバイトをしている関係で、一つの仕事を頼まれました。

「番組でポッポとクックの中に入る人間の都合がつかないから代わりに入ってくれ」

とのことです。
まぁ中々そんな経験できないから喜んでさせていただくことにしました。

さて、その番組、広島のローカル番組で5分程度のPR番組。
アジア大会で行なわれる競技を実際にやっているスポーツセンターや学校へ、
レポーターとポッポちゃんクックちゃんが訪問し競技の説明や体験をするといった
全くといっていいほど盛り上がりに欠ける番組構成。
ちなみにレポーターも「風見しんごのお姉ちゃん」という実に中途半端な知名度。

その日の収録で取り上げられる競技は「卓球」

まぁ卓球といえば知らない人など皆無なので紹介する必要があるのか疑問が残ります。
しかしオリンピック正式種目でもあり、卓球といえば中国を筆頭にアジア勢に強豪国が揃っています。
ですからアジア大会で優勝といえば、ほぼ世界一といって差し支えないわけで、
当然注目も集まるわけです。

その日は、広島市内の小学校にお邪魔し、スポーツ少年団の練習に参加するという設定でした。
まず私を含めた二人のぬいぐるみバイト君が呼ばれました。

「う~ん、君のほうが背が低いからクックちゃんに入ってくれ」

といわれ、女の子である「クックちゃん」に入ることになった私。
演技指導として「内股で歩く」「女の子らしい仕草を」と言われる私。
・・・やったことないんですけど、まぁなんとかなるでしょ。

ちなみにぬいぐるみに入ると、ちまちました動きでは動いているようにみえないので、
可能な限りのオーバーアクションが必要となります。
手を振るのでも肩から大きく。驚くのでもマトリックスばりにのけぞるわけです
ぬいぐるみがまた結構重たいのと動きづらいのとでかなりの体力を必要なわけです。

しかしまぁ、そんなことよりなにより、視界が悪すぎる。
ぬいぐるみの目の部分に数個の穴があいていて、そこから外が見えるわけですが、
眼との距離が離れているためほんとにちょっとしか見えません。
しかも頭が大きすぎて上下にはほとんど首がふれません。
自分の手元、足元なんてものは全く見ることが全く出来ないわけです。

「ああ、これじゃあ力士はじぶんのチ○コも見えないし、ケツも新弟子が拭くわけだよなぁ」

などとかなり的外れな納得の仕方をする私。
そんな状況下で、ディレクターの女性が番組構成の説明をはじめました。

「ええと、まず大下さん(←風見しんごの姉)が子ども達の練習風景をレポートして、
インタビュー・・・で、ポッポちゃんとクックちゃんはステージの上で

軽くラリーしててください

その後、子どもと対戦して負けるという・・・」



チミは軽く馬鹿かね?


おまえこの中いっぺんでもはいったことあんのか?
自分の手元すら見えないのにどうやって卓球するんだ?
「できません」との旨を伝えると


「ゆっくりだったらできるんじゃない?」



だからぁ


見えないっつってんじゃんよ。
いつ、どこから、どういった球が飛んでくるのかすらよく見えねえんだよ
子どもの投げる球でも、目をつぶってじゃあイチローだって打てないんだよ。


「まぁ試しにやってみて」


まったくもって聞く耳なし。
まぁ試しにやってみましたが、まったくラリーが続きません。
というか最初の球出しすらうまくいかないんですからね。
ゆっくりだろうがなんだろうが絶対無理。

結局、ディレクターの出した代案が

「じゃあ球無しでやってるのを遠くから撮って、
大下さんが『すごぉい!』とか言いながら近づいて
『球が無いじゃない!』っていう流れで」





なんじゃそりゃ?



面白いか?それ面白いか?
どこにオチがあるのか皆目解りません。
そんな番組自分が「見たい」とでも思ってるんでしょうか?


「高速ラリーが続く卓球台のアップ」
      ↓
「素早いフットワークのポッポとクックの手・足・顔のアップ」
      ↓
「さらに続くラリー」
      ↓
「さらに激しく必殺技チックにクルクル回ったりしているポッポとクック」
      ↓
「驚くレポーターのアップ」
      ↓
「ラリーの上手な子ども達とその周りで動いてるだけのポッポとクック」
      ↓
「『で、君たちはなにやってんの?』と突っ込まれるポッポとクック」



いやベタだけど、これくらいやってもいいんじゃないの?

なんにしても真夏のクソ暑いなかでの撮影だったんで早く終わりたかったんで、ディレクターの言うとおりやりました。


さて、そんなクソみたいなバイトでしたが、バイト料が7,000円ぐらい。
実働は1時間ぐらいだったんで割がいいっちゃあいいんですけどね。
割はいいけど腑に落ちないことこの上ないバイトでした。

不可能なことを指示して、できないから別のことを行き当たりばったりで考えるなんてねぇ。
普通、まずプランの時点で「できる・できない」を考えるでしょ?
で「できない『かもしれない』」だったら代案を用意しとくもんですよ。
小学生じゃないんですからね。
そのとき

「社会人っつうのも結構適当で、馬鹿もいるんだなぁ」

ということを悟りました。そして

「馬鹿な上司の無理難題には従わないぞ」

と、そのとき強く誓いました。




で、また別の日にも収録があったんですけど、そのときは



「じゃあタイムとるから400メートル全力で走って




って言われてそれは従ったんですけどね。

その後、吐いたんですけどね、まぁ。



大人は上司の無茶に対して無理しなきゃならんのよ。







ときには立ち止まって自分の足元を見ることも大事(第14回)

2005-04-07 07:48:56 | お笑い
さて、前回のコメント欄で、ソニックさんからいいパスを貰いました。


留年


いや、ソニックさんはなんで留年したのか知りませんが。
ええと、私の場合は当時まだ下っ端だったんですが
商売(バイ)の手伝い
が忙しかったせいなんですけどね。
いや、あのパケに白いの入れたりとか、お金の集金とか、あと注射器を客の看護婦から


嘘です




いやね、大学入って、サークル入ったんですよ。
そしたらそこの先輩が言うわけです。

「大学の授業ってのは高校の頃ほど出なくても大丈夫なんだぞぉ」

あ、そうなんだぁ。へぇ。
さすが先輩です、いいこと教えてくれちゃいます。
先輩の教えは絶対ですよ。なんてったってリアルタイムの経験談ですからね。
頼りになる先輩を得ることができるんで、やっぱサークルはいいもんです。

ちなみに履修しなければいけない単位は4年で130単位ぐらいだったかな?
まぁ一年平均35~40単位ぐらいとっとけば楽勝ってことですよ。

いやっほ~い!遊ぶぞぉ!
バイトだバイト!稼いじゃうよぉ!
バンドだバンド!やれ練習だぁライブだぁ!
コンパだコンパ!今日はオールだぞぉ!



結果、1回生のときに取れた単位数。13単位



おかしいじゃない!
試験の数が少ないと思ったら、なんだよレポートの提出って?
聞いてないよそんなの、授業出てないんだから!
「高校より授業受けなくていい」っていったじゃん!
だから授業にでなかったのにさ!



いや、ちなみに高校のとき、授業半分ぐらいしか出てないんですけどね。

受験に必要な授業以外は、学校の近くにあった公園とか友人宅に仲間と集まって遊んでたんですよ。
それが普通でしょ?

なんだよ、先輩のいうことなんか聞いて損したよ!
詐欺にあったようなもんですよ。
偉そうに先輩面して物を教えるんならですね、もうちょっと
一般論で物を言えってね。
そんなですね、高校で授業にきちんと出てたなんていう
特殊な例を基準にデマを流されると困るわけですよ。


まったくもって先輩なんてもんはクソの役にも立ちやしない。


さて、卒業までにはあと3年あるわけです。
単純計算で行けば残り117単位を3年でとればいいわけですから、年間40単位平均で履修すれば卒業できます。

しかし、3回生から受講可能な2年通期の必修科目「ゼミ」に入るためには、
2回生終了時で、ある程度の単位数をとっておかないと履修できないのです。
よく覚えてませんが50単位ぐらいだったかな?
すなわち2回生終了時に50単位をとっていないと

2年通期のゼミに入れない=必修科目を4年間で履修できない=留年確定

となるわけです。
まぁ一年間で履修可能な単位数52単位ありますからね。
2回生で37単位とればいいわけです。
まぁ52単位全部とるつもりでいけばいいわけですよ。
よっしゃ、がんばって授業を受け



一度上がった生活レベルは下げれんわけです。



1講義分に該当する4単位足りませんでした。

無念・・・仕方ないかぁ・・・

仕方ないので・・・



教授の家に直談判しに行きました。



学生課で教授の自宅を調べてですね、アポ無しで突撃です。
まぁ、今考えれば常識はずれな行動です。

その教授、比較的若くてですね、長髪・ヒゲ・センスのいいメガネがトレードマーク。
おまけに独身で細身で、女性に人気のナイスガイなんですけどね。
いやぁなんて言うんでしょうか、上田正樹を若くして、もうちょっとかっこよくしたような。
この人なら「単位をくれ」なんて無茶も聞いてくれるんではなかろうかと。


教授、びっくりしていましたが、まぁとりあえず家にあげてくれました。
1LDKぐらいのマンションでしたが、テレビの置いてある洋間に通されました。
土下座して、もう、お願いしかないわけです。

「来年一年、履修登録はしないけど講義だけもう一度受けるから今年単位を下さい」

とね。もう必死ですよ。

教授がこんこんと説教をされます。


「常識はずれだと思わないのか」

「君の試験結果と出席数ではとても可を出すわけには行かない」

「学生時代の一年間、人より長いくらい人生に大過はない」

「一年間の学費ぐらい自分で稼ごうと思えばできるだろ」


等など含蓄あるお言葉の数々・・・

が、私の頭に入ってきません
だって



森高千里のビデオがテレビの横に飾ってあるんですもの。



なにこの教授?
ていうかエロヒゲ
さっきから偉そうなこと言ってるけど森高マニア?
上田正樹というよりもロンゲで細身で・・・


ヒゲの生えた宅八郎じゃん?



「常識はずれだと思わないのか、これからぼく森高のビデオ見ようと思ってたのに」


「君の試験結果と出席日数ではとても無理よ若い子には負けるわ


とか言ってるように聞こえてきます。
なんか面白くて面白くて、笑いを堪えるために必死だったわけです。

「あした大学いったら『あいつは足フェチ』とかいう噂を流そう」
「短パンで来てたら危ないとこだったぜ」

とか次々に浮かんでくる妄想と闘うのに必死。

結局こんこんと森高千里をフィーチャーした説教を受けた

「今晩一晩考えてみなさい」

との言葉をいただきました。
はいはい、帰るよ。もう笑いを堪えきれないから。

で、立ち上がって帰ろうとしたんですけど、実はもう一つ水面下で闘ってたことがあるんですよ。
ええ、ずっと正座してたんで足がしびれまくってたんですよ。

けどまぁ「足がしびれた」とか言える空気でもなかったんで、無理して歩こうと一歩踏み出した瞬間



右足が爪先からグーの形で着地しました。



つんのめりそうになって左足を出すと



左足も爪先からグーの形で着地しました。




メキョキョメキョメキョ


予想外に大きく、そして今まで聞いたことのない音を立てる両足の全指。
そのまま鹿島の鈴木のように倒れる私。
教授もびっくり、私もっとびっくり。ファウルの笛もなし。
けど足がしびれてて、痛いのかどうなのかわかんない。
とりあえずしびれた足のまんま、ピグモンのような歩き方で帰りました。

足の痺れと反比例して痛くなる足。
そうねぇ、イメージとしては松浦亜弥の歌がフェードアウトしていくとともに
ムソルグスキー作『はげ山の一夜』がフェードインしてくるようなね。
いい曲つなぎのセンスしてるなぁ、俺の感覚ミキサー

いや、歩けないほどの痛みではないんで折れてるとは思いませんでしたが、

靴がどんどんきつくなってくる。

一応病院へ行ってみると、



「足の指、10本捻挫」



という神懸り的な症状でした。病院の先生もびっくり。
足の甲が、なんか赤ちゃんみたいになってます。
触ってみたら、なんかちょっとプヨプヨしてたりしてね。
当分の間、重心を後方に傾けた歩き方となりました。
階段が降りれない自分がちょっと面白かったです。


その後も教授とすったもんだあったわけですが面白くないので割愛。


まぁそんなこんなで、重症を負いながらの必死の嘆願もむなしく結局単位は貰えずじまい。
晴れて留年決定です。


まぁ結果論ですけどね、留年してみたけど別にたいしたこたぁなかったですね。

一年長く遊べたし。
バイトもいろんなことやって社会勉強できたし。
一年後輩の彼女と過ごす時間も十二分にあったし。
留年してるせいで就職活動がうまくいかなかったってこともなかったしね。

いや、ものは考えようでね。
浪人と留年、どっちが自分にとって有意義かといえば間違いなく留年なわけですよ。
例えば、私の行ってた地方三流私立大学にも浪人で入ってくるヤツは当然いたわけです。、
そいつらは私が社会勉強したのと同じ1年という期間

「地方の三流私立大学へ入るためだけに必要な勉強」

をしてたわけですからね。
人間として成長する要素なんかほとんどない、ほんとに無駄な時間なわけですよ。
いやいや、ほんとに。

だからソニックさんもですね、いま現在、留年生活中なのか、
それとも過去に留年したことを引きずってるのか存じ上げないんですが、
強くたくましく、そして何より有意義かつハッピーに過ごして欲しいなぁと。


楽しくすごしましょうや、ねぇ、浪人よりはマシですって、浪人よりは!







はい、ここでソニックさんが


「あのぉ・・・浪人した上で


留年もしたんだけどぉ・・・」


っていう返しをしてくれると私的には非常に盛り上がるんですがどうでしょう?





まぁ、それでも


「1年で2年分、気合入れて遊ばなきゃダメだぞぉ!」


とか無責任なこと言うだけですけどね。