東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

Old Micro Nikkor

2012年06月28日 | トンボ
実家に行く用事があり親父とカメラの話しをしながら食事を楽しんだ。親父は古くからニコンFユーザーであり、今も休日にはNikon F4sを持ち出して風景や花の撮影を楽しんでいる。その親父が所有するニッコールレンズ群を見せてもらったところAi Micro-Nikkor 200mm F4 (IF)という旧タイプであるマニュアルフォーカス仕様のマクロレンズが出てきた。これは使ってみたいと思い借りた。
実はいつも愛用しているレンズのAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDでイトトンボの産卵シーンを撮影しているのだが、産卵を行う場所が水面にまで群生したタヌキモに産卵を行っていて、真横から撮影しても一面に広がるタヌキモが背景にきてしまい抜けが悪くAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDよりも背景をボカす事のできる200mmあたりのマクロレンズを用いて撮影してみたいと思っていたところであった。

早速、D700にAi Micro-Nikkor 200mm F4 (IF)を装着してイトトンボの各シーンの実写を行ってみた。

ベニイトトンボ(♂)

向こうからやって来るオスに対して腹部を上げ、尾尻先端部を器用に曲げ威嚇のボーズを見せている様子。
いま食事中、俺に近づくな!と言っているかのようで尾尻先端部からハチのように針でも出しそうな雰囲気。

交尾


連結産卵


アオモンイトトンボ 交尾(♂♀同色型)


同色型 ♀(産卵)


D700+Ai Micro-Nikkor 200mm F4 (IF) 露出モード:絞り優先オート 絞り値:F5.6 ISO:320 ピクチャーコントロール D2XMODE3 全て統一

レンズ側にあるダイヤル式絞りにMFといった全て手動式のレンズなのだが、イトトンボといった小さな被写体を撮影する際に、高感度機能を搭載したD700にAFマクロレンズを用いたとしてもイトトンボにピントが合う事は殆ど無く、AFが迷っている間にシャターチャンスを逃すといった事も多い。そのためMFで撮影した方が効率がよく時間のロスも少なく済むので、イトトンボの各シーンの撮影にオートフォーカスは必要なくこのレンズで充分に撮影可能。絞りについてはカメラ本体で調整できないものの、レンズ側に付いている絞りダイヤルをずらし設定できるので操作性での使いにくさは感じなかった。
※Ai Micro-Nikkor 200mm F4 (IF)を含めた旧タイプのレンズを使用できない機種もあります。

撮影した画像を見た上では解像感や発色など、特に良くも悪くもなくいたって普通。AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDと比較すると焦点距離が長い分、敏感な個体でも気づかれず逃げられることのない位置から理想の構図で撮影できてしまうといった部分は良い。しかし、D700にAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDの組み合わせで被写体との距離を詰められるか逃げられるかといったスリリングな撮影スタイルを楽しんでいる僕としては正直ファーストカットでつまらないと感じてしまった。勿論、撮影するトンボの種類やシーンによってはその場その時に合った機種やレンズの使い分けをする事はあるものの、敏感な個体にファインダーを覗きながら真っ向から挑む撮影スタイルにはD700とAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDや更に広角接写を楽しむためのSigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheyeといった魚眼レンズの組み合わせが僕にとって醍醐味を味わえるセットだと今回、改めて実感できた。

ガマにタヌキモといった植生の池

D80+AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-5.6G ED
アオモンイトトンボやベニイトトンボといった止水域に生息する種類のイトトンボが好む環境の一例

撮影を通じながら僕なりに感じて来たトンボの生息環境についてもそのうちヒマを見て書きたいと思う。

撮影日:6月23日

撮影地:東京都内


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