恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

雪遊び~譲二の場合~その5〈子供時代〉

2016-01-25 07:51:09 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉恋番外編の雪遊びを読み返して、譲二さんだけに子供の頃の思い出話が無いのが寂しかった。

なので、思い出話+彼目線も書いてみました。

恋カフェにショートの彼目線はあるけどね、もう少し長くってことで。

 


子供時代、他のみんなのは10年前で小学生時代なんだけど、譲二ルートでは譲二さんが中学生ってことで13~15歳くらいの話になる。

ということはヒロインは幼稚園児で12~14年前のことと思われる。

微妙にずれてしまうんだよね。

だから「雪遊び」は10年前の大雪の日ってことで、この思い出では高校生の譲二さんに活躍してもらいます。

だから失恋からも少し立ち直ってるのかな?

☆☆☆☆☆
雪遊び~譲二の場合~その5〈子供時代〉


膝についた雪を振り払いながら立ち上がる。


譲二「やあ」


百花ちゃんはにっこり微笑んで俺を見上げる。


百花「やっぱり、じーじだ」

譲二「お前、どこに行ってたんだよ? あいつらと遊ばないのか?」

百花「あのね。お友だちのりっちゃんにね、雪の玉が当たってね、泣き出したの」

譲二「りっちゃん? ああ、お前と同じお姫様か…」

百花「りっちゃんはまだ幼稚園で小さいからね。痛いって泣き止まないから、お家まで送って行ってたの」

譲二「そっか…。大変だったんだな」

百花「へへっ」


頭を撫でてあげると百花ちゃんは得意そうに微笑んだ。

だけど…なんだか震えてないか?

唇の色は紫がかっているし、肩が少し上がって縮こまっている。


譲二「お前、寒いんじゃないのか?」


声を掛けると、百花ちゃんは思い出したかのようにガタガタと震えだした。


百花「寒い…」

譲二「やっぱり…」


俺は思いついて、自分が巻いていたマフラーを外すと百花ちゃんの首に巻いてやった。

俺が巻いても長めのマフラーだから、百花ちゃんには何重にもぐるぐる巻きにしなければならなかった。


百花「こんなにぐるぐる巻きにしたら動けないよ~」

譲二「風邪を引くよりましだろ! 首を冷やすと風邪を引きやすくなるんだぞ!」


マフラーで顔が半分しか見えない百花ちゃんが嬉しそうに言った。


百花「じーじのマフラー、あったかいね」

譲二「ああ。だけどお前マフラーのお化けみたいだな…」


百花ちゃんが笑い出す。


百花「え? 百花はお化けじゃないよ!」

百花「ね! じーじ! 一緒に雪だるま作ろう!」

マフラーの間から手を出した百花ちゃんに引っ張られて…結局大きな雪だるまを作らされたっけ…。


その6へつづく



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