恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

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白い朝~再掲です^^;

2016-01-18 08:27:29 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

全国的な大雪ってことで、昨年書いたこの話を再掲します。
新しいお話じゃなくて、ごめんなさいf(^_^;)


大雪といえば、吉恋では番外編に「雪遊び」もあるよね。

「雪遊び」はカレと付き合う前の話。
お互いに気にはなってて、この出来事で2人の仲がまた一つ深まる…みたいな話。
もらったスチルではハルくんがとっても可愛いんだ。
それぞれのルートには子供の頃の雪遊びの思い出も出てくるんだけど、譲二ルートだけその話が無いんだよね。
これはこの番外編が作られた時にまだ譲二本編が出来てなかったためと思われる。

☆☆☆☆☆

いつの間にか眠っていたようだ。


眠る前には点いていた暖房もタイマーが切れたとみえて、部屋の中の気温は一気に下がっていた。


吐いた息が白く曇る。

☆☆☆☆☆

昨夜はあいつらが新年会をしようと言い出したので、遅くまで店を開けていた。


昔と違って酒が入るから、なかなか帰ろうとしないあいつらを何とか追い出して、2人だけでシャンパンで乾杯をし直し新しい年を祝ったのだ。

百花ちゃんが20歳を過ぎてからは祝い事の日には2人でお酒を飲めるようになった。

そして…、2人だけの夜には添い寝以上のこともできるようになった。

 


今、彼女は俺の腕の中で眠っている。


あどけない寝顔が愛おしくて、そっと頬に口づけた。

すると、おとぎ話のお姫様のように、彼女はパッと瞳を開いた。

譲二「ごめん。起こしちゃったね」


百花「今、譲二さんにキスされた夢を見てた…」


言いながら百花ちゃんは頬を赤らめる。


譲二「夢じゃないよ…。 今、こんな風にしたんだ」

 

俺は鼻先から唇に続けて軽いキスを落とした。

百花「‼︎」


百花ちゃんは俺の胸に顔を埋めた。


さっき、頬にキスした時にも思ったけど、額も頬も冷たくなっている。

譲二「なんだか顔が冷たいね?」


百花「あ、ごめんなさい、譲二さん。冷たかった?」


俺はちょっと微笑んだ。


譲二「いや、俺はいいんだけど、百花ちゃん身体が冷えて寒いんじゃない?」


百花「そういえば…」


百花ちゃんは今気づいたかのように身震いした。


譲二「もっとこっちへ来てごらん」


俺は百花ちゃんを抱き寄せて掛け布団でくるんだ。


百花「あったかい…。でも、ドキドキします」


譲二「俺も…」


しばらくそうしていたが、百花ちゃんがハッとしたように言う。


百花「何時でしょう?」


譲二「ん?まだ早いんじゃないかな…」


百花「でも…、もう外はかなり明るいみたいですよね?」


言われて、カーテン越しに窓の外を見る。


2人の息で窓は白く曇っているが、外はかなり明るい。

譲二「百花ちゃんはそのままでいて…」


俺はベッドから抜け出ると、フリースの上着を羽織って窓の側に寄った。

白く曇った窓を掌で拭いた。


窓の外は一面の銀世界だった。


俺は振り向いて百花ちゃんを呼んだ。


譲二「百花ちゃん、ちょっとこっちへ来てごらん」


百花ちゃんがベッドから滑り降りたので、彼女の身体を毛布でしっかりくるんだ。


肩を抱き寄せながら、2人で窓の外を見る。

譲二「空も街も真っ白だね」


百花「きれい…。雪明かりでこんなに明るかったんですね」

譲二「ああ。しかもまだ降り続くみたいだ」

鼠色の空からは白い粉雪が後から後から舞い落ちる。

百花「静かですね」


譲二「ああ」


雪が音を吸い込んでいるのだろう。何の音もしない。

百花「まるで、この世界に私達しかいないみたい…」


譲二「そうだね…」


俺は抱き寄せる手に力を込めた。


このまま…ずっと雪が降り続いて、俺たち2人だけの世界が続いたら…。

そんなことはありえないのに夢想してしまう。

2人で暮らしているといっても昼間は別々だし、ライバルは多いし…。

百花ちゃんが身震いした。


譲二「寒い?…よね」


俺は暖房のスイッチを入れた。


譲二「部屋が暖まるまで、布団に入ろう」


百花「でも…そろそろ起きないと…」


譲二「今日は大学は休みだし、店もこんな日は急いで開けなくてもいいし、まだ大丈夫だよ」


俺の誘惑に百花ちゃんは素直に従った。


譲二「やっぱり…。身体が冷たくなってる」


俺は百花ちゃんの身体を包み込むように抱きしめた。


百花「あったかい…」


譲二「そう?…良かった…」


百花ちゃんは昨夜の疲れが残っているのか、小さなあくびをした。


百花「…ごめんなさい…」


譲二「うん?…しばらくこうしてあげるから、もう少し眠るといいよ」


百花「…でも…」


そう言いながらも、もう一度小さなあくびをすると百花ちゃんは目をつぶった。


そして、間も無く軽い寝息が聞こえてきた。

 



外は相変わらずなんの音もしない。

雪よ…。このまま降り続いてくれ…。

 

そして、2人だけの白い朝がいつまでも続いて欲しい…。


そう願いながら、俺も目をつぶった。

☆☆☆☆☆


この話はクリスマスのために書き始めたものの、途中で行き詰まって、放ってあったものです。
クリスマスが終わってから;^_^A、改めて手を入れなおしたら、纏まったお話になったのでupしました。
クリスマスだったらホワイトクリスマスの話だったんですけどね。
でも、本格的に雪が降るのはこれからの時期だから、まあいいかな。