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フォアグラ日記

2015年06月06日 | フォアグラ日記
そばきり吾妻路(そば/群馬県吾妻郡中之条町)
美味なる蕎麦を求めて調査するに、この付近では評価が高そうな同店を訪問。中之条駅から近く、電車でのアクセスも利便ながら、基本的にランチのみの営業。昼過ぎだったが、盛況にて店外で待つに入ってみれば客数は少なく、客あしらいが不得手なのかと思いきや、店内客席に汎用性がない構造で不冴え。ただ、そのネガティブな第一印象で期待値が随分と下がったせいなのか、供される蕎麦は美味、さらに驚愕なのはその蕎麦湯の美味さ加減。恐らく、これほどに美味な蕎麦湯の経験はなく、蕎麦以上に蕎麦湯が旨いという奇異なる経験。その蕎麦湯たるは、各自好みの差こそあれ、濃厚でドロリとイリキッドなものなのだが、比重差があるせいか、適度に汁とマッチしながらも、蕎麦湯が上、汁が下に分離する印象で、汁を足さずに蕎麦湯のみを足して何杯も飲めるシロモノにて、非常に強く印象さる。なお、この中之条の奥に六合(くに)村というのがあるが、江戸時代の蘭学者高野長英が幕府に追われて逃亡する途中に一時隠れ住んでいたイメージが個人的に非常に強く、まさに「隠遁の里」のイメージ(吉村昭『長英逃亡』からか...)ながら、ここで「高野長英そば」なるものに遭遇。長英が天保の大飢饉の際に記した蕎麦とジャガイモの効用から着想したという蕎麦で、揚げた蕎麦とカレー風味のジャガイモがマッチしており、隠遁のイメージとは隔絶ながらもなかなかモダンで美味(写真)。
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