東京で久しぶりに寿司を食べた。人形町にある老舗の喜寿司で江戸前の寿司だ。寿司は大好きでわり合い食べる方だが江戸前の老舗で食べるのは初めてだった。江戸のファーストフードだったものが、ずいぶんと高級になって老舗と言われるところにはなかなか入る機会がない。ネタは本来江戸前の海で取れるものだったと思うが今は全国から築地に魚介類が集まっていいものが東京にはある。だけど値段は安くはならない。そんな話はこれくらいにして江戸前のにぎりといえば、マグロ、エビ、貝、イカ、色々あるが、まずはマグロ、昔は赤身ばかりでトロは好まれなかった。ずけも江戸前だと思う。エビといえば車海老、小さいエビはサイマキ、中っくらいはマキ、この大きさ当たりまでが寿司ネタか。エビのおぼろもにぎりに使う。貝は赤貝、バカ貝(アオヤギ)、ハマグリがある。コノシロの小さいシンコも手間をかけてさばき、塩〆、酢〆にする。大きさによって二枚づけ三枚づけにしてをにぎる。アナゴも江戸前には欠かせない。江戸前は、煮アナゴにしてネタにする。今回食べての印象は結構手間をかけているという感じだった。この店のサイマキはおぼろとアタマのミソもにぎりにうまく使って美味しかった。イカはスミイカの小さいのを使っていた。スミイカは甲イカである。印籠詰めも食べた。細巻きはかんぴょう巻を食べた。江戸の醤油は色が濃いのでかんぴょうも当然濃い色に煮あがる。