大阪府高齢者大学校 2013年度 考古学研究科

2013年度考古学研究科がスタートしました。
この一年を、楽しい学習の場にしていきましょう。

社会の参加活動(拓本採取指導:大阪城刻印石広場)

2013年12月27日 | 日記
 

 11月17日(日)に高齢者大学の社会活動参加の一環として考古学研究科はカメラ芸術科の皆さんとタイアップして大阪城公園の刻印石広場で観光客の皆さんに拓本採取の指導を公開しました。 left
 
 刻印石広場の正式名称は「山里丸」で豊臣秀吉が大坂城を築いたとき、ここに茶室を置き茶の湯を楽しんだと言われています。また、大坂夏の陣で敗れた淀殿と秀頼が自刃した場所であるとも言われています。
 当日、我々は9時過ぎに現地に集合し一部運搬担当の者は倉庫から道具類を公園入口まで車で運搬し、公園内は自動車乗り入れが禁止されているため、手分けして刻印石広場まで運び込みました。
 10時半ごろ開始予定であったが、我々が用具を取り出したり拓本にして解りやすい刻印石や、作業のし易そうな石の確認をしている準備中から興味を持った観光客たちが寄り集まってきてくれました。
当日は先日までの寒さから解放され小春日和の絶好の観光日和で、朝早くから外国人を含め多くの観光客で賑わっていました。
 拓本の採り方を簡単に説明した日本語、英語、中国語の案内ビラを準備し参加を呼びかけるプラカードを胸にぶら下げ呼び込みを開始しました。すぐに、台湾から来たという3人連れの青年たちが興味を示し、拓本取りを試したいと言って来てくれました。その後次から次へと興味を持った人たちが集まってきてくれ、始める前は果たして観光客の人が集まってくれるだろうかと心配していたが、5組に分かれて指導していた我々一同は午前中はほとんど休憩する間もなく立ちっ放しの大忙しでした。中には10分以上も待ってもらった方も出る始末でした。
 東京から大阪見物に来た若い女性の2人連れや、お母さんとやって来た玉造の小学生の男の子。ボーイスカウトの少年たちは、紙の上から墨を打ってゆくと石の凹凸に応じて表れてくる模様にその都度大歓声を上げて、ついつい墨を打ち過ぎそうになるので適当な濃度で止めさせるのに大変気を使った。出来た作品は新聞紙に巻いてビニール袋に入れてお土産に持ち帰ってもらったが、皆さん大変喜んでもらえたようでした。
 初老のご夫婦を初め、日本人以外にも台湾・ヨーロッパ・中国・韓国など多くの国の人に関心を持ってもらったように思えました。魚拓は知っていても拓本を知らないという人が意外と多く、対象物を湿らせてその上に紙を置き更にその上から水を吹き付けて、脱脂綿で丁寧になじませてから紙の上から墨を打ってゆくという技法を初めて知ったと言う人が多く、対象物を汚さないための手段だと説明すると「昔の人は偉いなぁ」などと改めて感心する人もおられた。
 午後になると少し風も出始め、また人通りも少なくなってきたため3時前に後片付けを始めた。その時、朝一番に拓本取りに挑戦してくれた台湾人の3人の青年たちが、わざわざ立ち寄ってくれて「ありがとうございました。これから帰ります」と丁寧に声をかけて行ってくれました。ささやかな国際親善が出来たようで参加者一同一気に疲れが取れたような気がしました。


      

      

      
(1班:T・K)

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