蒲田耕二の発言

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狂人

2017-07-23 | 社会
夏なお寒き、とはこのことだ。1年前、相模原の障害者無差別殺傷事件を起こした植松聖なる男が共同通信に宛てた手紙を見て、背筋の凍る思いをした。

キメの粗い新聞写真だが、見えるかぎりでは、この男の筆跡は非常に達筆である。文筆業をしていたオレが逆立ちしてもかなわないほど、すべての文字が端然と整い、書き損じは1字もない。近ごろの若者と違って、センテンスの終わりに句読点を置き忘れることもない。

文章自体も技術的には理路整然としていて、文意に濁りがない。知能指数を測ると、多分この男は高得点をたたき出すだろう。そこが怖ろしい。

高度の知能を持った人間が、「私は意思疎通ができない人間を安楽死させるべきだと考えております」と綴る。そこに、なんの疑問もためらいも見せない。その氷のような非人間性に、オレは心底ゾッとした。

たとえば、双子の生体を縫い合わせて静脈を共有させるなどの人体実験をしたアウシュヴィッツの「死の天使」メンゲレ。あるいは、猿と人間を合体させようとした旧ソ連のイワノフ医師。こういうマッド・サイエンティストを、植松聖は連想させる。

マッドな人間の共通点は、みずからを客観的に判断する視点を欠いていることだ。自分をすべて肯定することから彼らの行動は始まる。自制が利かない。

その独善性において、彼らは一般の障害者や精神病者よりはるかに有害だ。本当の意味で狂人、障害者と呼ばれるべきは、この男の方だろう。
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