ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

熱烈ミサ

2017-09-10 | 信仰
今日は仕事はお休みです。


久しぶりの日曜休みだったので、教会のミサに預かりに行きました。
日曜朝八時半のミサは「子供ミサ」と言って、小さな子でも分かるようにお祈りや朗読の言葉がプロジェクター画面で壁に大きく映し出されます。
私は開始ギリギリに着いたので、席がほとんど埋まっていて、後ろから二番目の列の端に座りました。
隣にはフィリピン人と思われる女性がいて、更にその隣には日本人の男性、そして親族と思われる外国人が二人並んでいます。


ミサが始まりました。
と、背後から四、五歳くらいの男の子と女の子がやって来て、私たちの列に入ろうとします。
二人は隣のフィリピン人の女性のお子さんのようです。
私たちは少し席を詰めて二人をママの隣に座らせました。
するともう一人、二歳くらいの女の子が列の反対側の端っこから何とか入ってくると、ママに抱っこされました。
その子は、ウェディングドレスみたいなピンクのヒラヒラがたくさんついたドレスを着ています。
ミサは進んで会衆はお祈りを唱えたり典礼歌を合唱したりしているのですが、その間、抱っこされた女の子はママに何度も熱烈なキスをしています。
ママも少しは周囲に気を配りながら、でもキスを返しています。
何より、女の子を抱っこする腕の力の強さが伝わってくるのです。
ミサ中とは言え、お互いの愛情表現がハンパない。


私は内心「マズいところに座っちゃったな…」と思いました。
左隣の家族の動きが気になって、ミサに全然集中出来ない。
ミサには日本人の小さい子もたくさん参加していましたが、おしなべて「お利口」にしていて、声を上げたり動いたりほとんどしないのに。


ミサは進んでいきます。
いつの間にか二歳の女の子は別の親族と思われる女性に抱っこされていました。
四、五歳の二人のお子さんは、ずっと小声で何かを喋ったり小さく動いたりしています。
そのたびにママに膝をつねられたり叩かれるのですが、叩き返したりしている。
とうとう男の子の方がガマン出来なくなってママに身体を預けました。
「ママ、ぼく、ここつまらない…」
「シーッ!ここには神様がいて…」
そんな話をしています。


ミサは次第にパンがキリストの体に聖変化するクライマックスに入って行きます。
初めは「ウザい」と感じた隣の家族ですが、私はだんだん好ましく思えて来ました。
女の子と男の子は双子かな?と思うくらい体格も顔つきも似ていて、大きな目の愛らしい表情をしています。
そして、私と視線が合うと少しはにかみながら微笑む様子もそっくりです。
彼らの感情表現の激しさは普通の日本人には真似できないし、特にミサ中にされたら周囲から「炎上」ものかも知れないけれど、とにかく家族が愛し合うのは良いことだ!と感じて来たのです。


聖体拝領、閉祭歌が終わり、私はとなりのママに目で会釈をして聖堂を出ました。
ママは優しいお母さんの目をしていました。

聖堂の外で改めて一家に出会うと、人数が更に増えて、十人以上になっていました。
他の席にも分かれていたのかも知れません。
二歳の女の子のピンクのドレスは、主日ミサに預かるための正装に違いない…と思い至りました。


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