湖畔びとのつぶやき (WHISPER OF LAKEMAN)

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第20話. 伊勢神宮, メンテナンス前提の遷宮システム=伊勢イズム

2016-10-23 03:07:06 | 日本人論
湖畔人です。

天皇家の肉体先祖であり、日本神道の八百万の神々の最高位に君臨する女神、天照大神を祀る、日本神道の中心地、伊勢神宮。その伊勢神宮の内宮は、それはそれは美しい造形美を持った日本の美の象徴の様な建造物です。ジョブスも真っ青のミニマリズムの極地の様なシンプルで洗練され完成されたデザインを誇る究極の建造物です。まるでプラトンの言うイデアの世界にある神殿の原型が立ち現れたかの様な神々しいお姿です。
伊勢神宮の凄さは、その造形の美しさだけでなく、その式年遷宮と言う永続システムにもあると考えます。
20年毎に隣の敷地に別のお宮を新築し神様をお移してきました。20年に一度、唯一神明造という飛鳥時代から伝わる古代建築技術と御装束神宝などの調度品を連綿と後続に伝授し続け、永遠に途絶えない常若を実現しているスゴいシステムです。持統天皇の頃から約1300年の永きにわたって行われています。これは、ある意味、諸行無常、全ては古くなり朽ち果てると言う前提を潔く受け入れた考え方であり、ハード的に永続は無理と割り切り、設計方法や製造技術等ソフトを繋ぐ事で、永遠に新しくあろうと言う常若の思想です。
よく外国の方から羽田空港や成田空港はよく手入れが行き届いている、よくメンテが行き届いている、と褒められる事が多いのですが、結局、どんなに新しくデザイン的に斬新な建造物を建てたとしても、その後キチンと手入れ、メンテナンスがされず、壁のペンキが剥がれ、ゴミが溜まり、壁にヒビが入り、トイレは汚れ、草が生え放題と成ってしまうと、折角のハード的な斬新さや魅力も半減してしまうし、やはり、その土地に住む人達の民度、心が映し出されてしまうと思うのです。
どうせなら、建物でも街でも綺麗な状態を保ち、その環境の管理により、住民には、心地良さと、明るさと、規律と、誇りと、ポジティブな刺激を与え続けたいものです。
この世に存在するあらゆる物は、例外なく時の中で朽ち果て、メンテナンスを必要とします。そうであれば、伊勢神宮の様にメンテが要るという前提を受け入れ、割り切ったシステム、仕組みを採用し、メンテがし易い構造を予め持たせた家なり社会インフラなりを考案すべきです。
街のインフラを見ても、水道管も下水道も電線もあらゆるインフラが時の中で老朽化します。最近も電線が古くなり火災を起こし都市機能をマヒさせましたが、そうしたインフラもいつか交換が要るわけです。それが判っているのであれば、交換を前提とした設置の仕方をすべきです。道路の下の地中に土管を埋め、工事の度に、道路を一車線工事中とし、片側通行にして渋滞を作るなんていうのは何とも考え無しな感じ、知恵の不足を感じるのです。古い街であれば致し方ないとしても、新しい街を作る時は、何れメンテが確実に来るものに関しては、後日修理や交換等メンテがし易くなるような仕組みを予め作っておくべきと考えます。民家と民家の間に通路的な空間を設け、そこに後日メンテが要るインフラをまとめて入れるとか、何んらかの対応が出来るはずです。
それこそ、伊勢神宮の様に、街ごと隣に引っ越せるようなやり方もあるかも知れません。今住んでいる町の隣に、町一つ分の敷地を用意し、普段は緑地の公園か駐車場にしておいて、今住んでいる町が老朽化したら、その緑地を宅地化し街を新たに作り、丸ごと引っ越してもらい、民家があった場所を今度は真っ新にして緑地にしてみたいなサイクルを作る事もあるかもしれません。
街と言う大きな単位で無くても、もっと身近な民家であっても、メンテは必要です。一戸建てのメンテの大変さと高額さには時々閉口する事がございます。数年に一度壁の塗り替えも必要ですし、その度に数十万円以上掛かりますし、庭だってかなりの頻度で手入れしないと草だらけになってしまいますし、芝もどんどん根が伸び広がって行くし、本当にメンテナンスには手間とコストと時間がかかります。芝刈りロボットも是非開発して欲しいし、壁だって壁専用お掃除ロボットが予め付いている家があったっていいし、換気扇周りの様に外壁にシートが付いていて剥がせるスタイルがあってもいいかもしれません。いずれにせよメンテは必ず要るのですからメンテがし易い仕組みなり構造なり技術なりがもっとあって然るべきです。部屋のつくりだって、お掃除ロボットが掃除をし易い造りだって提案できるかもしれません。
それと、伊勢神宮の式年遷宮の凄いところは技術伝承だけでなく、その経済効果にもあります。多くの人員と物資が動きますので、20年に一度の好景気が期待できます。これを街等、地方自治体単位で実施応用すれば、それはちょっとした景気対策になります。政府にも20年に一度人工的に起こせる景気浮揚策として街自体の移転なんて大きな話を推奨してもよいかもしれません。色々と応用が利く発想です。メンテ自体が大きな産業にも成りえるのです。もっと知恵を絞れる箇所だと思います。アカデミックに学部を設け学業の対象にしてもいい位です。
何れにせよ、日本の中心である伊勢神宮がそうしたメンテ前提のシステム、“伊勢イズム”と言ってもよいメンテ前提の考え方を取っているのですから、我々一般日本人も、家でも街でもあらゆる物にメンテナンスが必要だと割り切り、予めメンテし易い仕組みや構造を持たせた物なり家なり街なり技術なりを開発していただき、伊勢神宮の様に、常に新しく清潔で快適な住環境を実現頂きたいものです。そして、そこで得た技術なり仕組みなり物なりを、今度は売り物として、世界に広く売り込んでいただきたいものです。そうした事をよく考える事が多い今日この頃です。

この記事が何らかのヒントになれば幸いです。

湖畔人

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