山鳩通信

日常の発見をめざして

日本唱歌

2017-05-18 09:12:55 | 想い出

   昔は、いい唱歌が沢山作られた。
   『朧 (おぼろ) 月夜』 もその一つである。

    菜の花畠に 入日薄れ
    見わたす山の端 霞深し
    春風そよふく 空を見れば
    夕月かかりて におい淡し

   これを静かに優しく歌えば、心はなごみ、私の感傷を美しくする。そして直ちに二番へと導く。

   里わの火影も 森の色も
   田中の小路を たどる人も
   蛙のなくねも かねの音も
   さながら霞める 朧月夜

   「里わの火影 (ほかげ)」 「森の色」 「田中の小路 (こみち) 」 という言葉のなんという懐かしさ。かつて私も、その情景を身の周りに持っていたのに、すっかり忘れていた。今私は、この歌によってそれらを甦らせることができる。そして、そのメロディとともに深くて切ない感傷に身をまかせている。
   作詞者 (高野辰之)と 作曲者 (岡野貞一) は、これを私のために作ったのではあるまいかと錯覚するばかりである。 「な」 行の音も柔らかい調べが、私の情緒をただ深くしてやまないのである。
                                                                

 

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