山 鳩 通 信

日常の発見をめざして

読書の恩恵

2017-08-13 18:44:33 | 随想

 読書が私の支えとなることは、早くから気づいていた。というより、ひよわな私の心身を鍛えてくれるものは読書だけであり、いい文章を求めるようになって行ったのは必然的であった。
  読書は、初めから批判の目で見ないで、まず他者に謙虚に学ぶという姿勢で対するようにして来たので、どこにでも心を打つ言葉が見出され、一行の詩がとても美しく響いて来ることが多かった。日本の言葉がいかに美しいか、日本の作家や詩人は沢山の作品を残しているのに(みんな自然を画くということに秀でていたということに改めて驚く)、それに学ばなければ勿体ないと思っていた。
  私は、書くことで特に師事したという人はいなかったから、書く方法を身につけたいための読書でもあった。この意味で十代から日記をつけていたことは、やはり役に立った。読んで書くことは、文句なしに私を鍛えてくれた。
  一時私は、日本語のあるべき姿を追求していて、その本質を掴むことができたら、私なりに社会の連帯のために貢献できるのではないかと考えたことがある。その見るべき成果があったという確信はないものの、そういう姿勢を持とうとしたことは無駄ではなかったと思っている。   
  印刷屋だった私は、実利的にも「言葉の恩恵」にあずかっている。印刷屋として最小限度のこと(漢字や語彙、現代かな遣いなど)を知っていなくてはならなかったので、そのためにも精進していたことが、印刷屋をやめてからも私の人生を豊かにしてくれた。
  十代から英語に取り組んで来たことも無駄ではなかった。ある英文雑誌(『リーダーズ・ダイジェスト』)の文が読めたときの歓びは捨てがたい。
     
                          

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