山 鳩 通 信

日常の発見をめざして

眠れぬままに

2017-05-16 03:31:44 | 手記

   夜中の一時ごろ目がさめてしまい、起きてぼんやりしていたら、ふと中学時代覚えた 『埴生の宿』 が甦ったので、アパートの隣の人に聞こえないように低い声で歌ってみた。

 

   埴生 (はにゅう) の宿も わが宿
  玉のよそい うらやまじ
  のどかなりや 春の空
  花はあるじ 鳥は友
    おお わが宿よ
    たのしとも たのもしや

   いかなる人がこんないい歌を作ったのか。その背景はかなり昔の佳き時代だったのか。
   この歌を今歌うのは、なにか現実離れしているようにも思われて来るのだが、例えばお金のことばかりを考え追求している人には、まずこの歌の良さは分かるまいと思う。とすれば、この歌は、貧しくとも静かに生を味わい、歓びを知る者の 《至福》 を歌い上げたものととることもできる。
  あるいは私のように年をとった者がかえって近づけるような境地がそこにあるような気もする。花を愛でたり、鳥の声を楽しむ人生の他に、読書が加わればもっとすばらしいのではないかと欲張ってしまう私であるが、この歌はちゃんとそのことも歌っている。

  ふみよむ窓も わがまど
  瑠璃 (るり) の床 (ゆか) も うらやまじ
  きよらなりや 秋の夜半 (よわ)
  月はあるじ 虫は友
    おお わが窓よ
    たのしとも たのもしや

 

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