都内の清掃工場で、家庭ゴミ焼却灰から放射性物質が検出されています。
特に、江戸川区清掃工場では、「福島県内の災害廃棄物の処理の方針」http://www.env.go.jp/jishin/attach/fukushima_hoshin110623.pdfの基準8000Bq/kgを超過(9740Bq/kg)し、一時保管されることとなり、報道で取り上げられています。
念のため、東京都中央区晴海の中央清掃工場の現況(6月27日報告書)を見ておきます。
⇒ http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/topics/oshirase230627.pdf
現在のところ、中央清掃工場の主灰、飛灰とも基準地以上は出しておりませんが、合わせて行われた清掃工場の敷地境界周辺の空間放射線量測定結果では、中央区のどこのエリアでも見られなかった0.20μSv/hrの計測値が出されています。
中央区は今後、中央清掃工場周辺地域の空間放射線量測定を、定期的に行っていくべきであると考えます。
<主灰:燃やしたごみの燃えがら。焼却炉の底から排出される灰。>
中央清掃工場 放射性ヨウ素131 不検出
放射性セシウム134 75
放射性セシウム137 85
放射性セシウム合計 160 Bq/kg
江戸川清掃工場 放射性ヨウ素131 不検出
放射性セシウム134 280
放射性セシウム137 312
放射性セシウム合計 592 Bq/kg
<飛灰:ろ過式集じん器などで補集した排ガスに含まれているダスト(ばいじん)>
中央清掃工場 放射性ヨウ素131 25
放射性セシウム134 966
放射性セシウム137 1020
放射性セシウム合計 1986 Bq/kg
江戸川清掃工場 放射性ヨウ素131 不検出
放射性セシウム134 4700
放射性セシウム137 5040
合計 9740 Bq/kg
<清掃工場の敷地境界及び工場内灰処理設備付近での空間放射線量率測定結果>
単位:μSv/h
中央清掃工場 測定日6月26日
敷地境界 東0.13 西0.11 南0.20 北0.13
工場内灰処理設備等0.07 ~ 0.11
江戸川清掃工場 測定日6月25日
敷地境界 東0.21 西0.23 南0.24 北0.24
工場内灰処理設備等0.07 ~ 0.16
*******東京都ホームページより******
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/06/20l6s200.htm
23区清掃工場の放射能測定結果を受けた埋立処分場における対応について
平成23年6月27日
環境局
東京二十三区清掃一部事務組合(以下、「一組」)では、23区の焼却処理で発生する灰等の放射能濃度測定を、別紙のとおり実施しました。(別紙、一組報道発表資料参照)
23区で発生する焼却灰については、都の管理する埋立処分場で処理していますが、国は、福島県以外の地域における放射性物質を含む一般廃棄物の処理に対する基準を示していません。このため、都は、環境省と調整した結果、23区内の清掃工場から発生する焼却灰の処分方法として、当面、次のとおり取り扱うこととしました。
国に対して、福島県以外の地域において、放射性物質を含む焼却灰の処理の取扱いの基準を早急に示すことを、本日、要請します。
また、多摩地域の市町村に対しては、焼却灰等の放射能濃度を測定するよう要請します。
焼却灰の当面の取扱い
- 国により、飛灰の取扱方法が定められるまでの間、以下のように取り扱うこととする。
ア 8,000ベクレル/キログラムを超える飛灰については、一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)に場所を定めて、一組が一時保管場所を整備し、そこに一時保管する。
一時保管の方法は、「福島県内の災害廃棄物の処理の方針」(平成23年6月23日)に準拠する。
なお、一時保管場所が整備されるまでの間は、清掃工場内に保管する。
イ 8,000ベクレル/キログラム以下の飛灰については、一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)に、主灰と分け、場所を定めて、都が埋立処分する。 - 一時保管場所及び埋立付近での空間放射線量及び埋立地の排水のモニタリングを、都が実施する。
- なお、主灰については8,000ベクレル/キログラム以下なので、従前どおり一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)において、都が埋立処分する。
(注)主灰とは、燃えがらをいう。
飛灰とは、ろ過式集じん器などで捕集した排ガスに含まれているダスト(ばいじん)をいう。
(参考)「福島県内の災害廃棄物の処理の方針」に定める一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)での一時保管の基準
- 埋立場所を他の廃棄物と分け、埋立場所を記録する。
- 土壌(ベントナイト等)で30センチメートル程度の隔離層を設けたうえで、耐水性材料で梱包等した飛灰を置く。
- 雨水浸入防止のための遮水シート等で覆う、あるいはテントや屋根等で被覆する。
- 即日覆土を行う。
※別紙 放射能測定結果及び焼却飛灰の一時保管について(東京二十三区清掃一部事務組合報道発表)(PDF形式:235KB)
※別添 放射性物質を含む焼却灰(主灰及び飛灰)の取扱いに関する緊急要望
問い合わせ先 環境局廃棄物対策部一般廃棄物対策課 電話 03-5388-3592 |
*****産経新聞(2011/06/28)*****
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110627/dst11062723310021-n1.htm
都内の家庭ゴミ焼却灰から放射性物質 8000ベクレル超、一時保管へ
東京都と東京23区清掃一部事務組合は27日、一般家庭ゴミなどを処理する23区内の清掃工場のうち、江戸川清掃工場で発生した焼却灰から、1キログラムあたり8千ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたと発表した。同組合によると、灰はフィルターで集められ、運搬時などは密閉しているほか、施設周辺の空間放射線量の測定結果からも、外部環境への影響はないとみている。
都などによると、一般廃棄物の焼却灰の放射線量を測定したのは福島県をのぞく自治体では初めてとみられる。
環境省は今月23日、「福島県内の災害廃棄物処理の方針」として、1キログラムあたり8千ベクレルを超える灰については一時保管とし、8千ベクレル以下については一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)での埋め立てが可能とした。福島県外の指針は示されていないが、都はおおむねこの基準に沿って処理する一方、国に、福島県外での取り扱い方法を策定するように要請した。
清掃工場から発生する灰には、焼却後に焼却炉の中にたまる「主灰」と、焼却時にフィルターなどに集められる「飛灰」がある。
今回、1キログラムあたり8千ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたのは江戸川清掃工場の飛灰で、9740ベクレル。同工場の主灰や、ほかの清掃工場の飛灰、主灰は8千ベクレルを下回った。
このため、江戸川清掃工場の飛灰は当面、工場内の放射能を遮れる施設で一時保管される。それ以外の灰については、最終処分場に埋め立てるという。
都では、今後も灰を継続して調査するとともに、多摩地域の市町村にも調査を要請する。
*****引き続き、続報、日経新聞(2011/06/28)*****
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819695E0EAE2E3818DE0EAE2E4E0E2E3E39180E2E2E2E2
環境相、清掃工場での放射性物質測定を要請へ
- 2011/6/28 13:48
江田五月環境相は28日の閣議後の記者会見で、東北、関東を中心とする15都県に対し、清掃工場で一般廃棄物を焼却した際に発生するばいじんや焼却灰に含まれる放射性物質の濃度を測定するよう要請する考えを明らかにした。東京・江戸川の清掃工場のばいじんから1キログラム当たり9740ベクレルの放射性物質が検出されたことが27日判明、28日にも通知を出す。</form>
環境省は東京電力福島第1原子力発電所周辺の福島県浜通り、中通り両地区の災害廃棄物の処分に対し、1キログラム当たり8千ベクレル以下なら通常通りの処分を認めているが、江戸川の清掃工場はこの基準を上回った。
環境省は放射性物質を含む廃棄物の処分基準に関して、福島県浜通り・中通り両地区以外は決めていない。江田環境相は、福島県以外の処分方針についても「検討しなくてはならない」との認識を示した。
*****日経、以上*****