海外のポジティブ子育て

保育、家庭教育、いじめ、教育問題を海外の視点から。

叩く子はどうすれば?

2008年07月30日 | 幼児期の子育て
3歳前のお子さんを持つ親からよく聞く悩みがあります。

うちの子が叩く、うちの子が叩かれるというものです。

「うちの子が叩きます」
「何度注意しても分からない」
「外に行きたくないけど、子供の社交性のために出かけなければ」

日本の掲示板などでは、それに対する回答もまちまち。

親のせいだと責めたり、自閉症じゃないかと言ったり、叩く子をどうすればいいか分からず避けるだけの人もいるようです。

ですが海外の保育現場では、これは成長期の一過性のものとして知られています。

言葉が出ないうちは、手が出る。一種の自己表現です。

もちろん手を出さない子もいますが、そういう子は自我がまだ芽生えてなかったり、別の対処法や自己表現法を知っている子だったりします。

3歳前は手を出さない子(問題を起こさない子)の方が少ないんです。

それなのに、ほとんどの親がそれを知らないで悩んでばかりいる。

まだ子供がいない身としては状況が分かりませんが、これだけ「普通」のことなら、母親学級などでそういうことを教えてもいいのではと思います。


ですが、一過性のものだからといって、我が子が叩いたり叩かれたりするのを平気で見ていられる親はほとんどいないでしょう。

これには、いくつか段階をおっての対策があります。参考にどうぞ。


1・絶対に目を離さないこと

まずは、自分の子が叩いている場合も周りに叩く子がいる場合も、子供から目を離さないことです。
見ていれば手をあげる前の表情の変化も分かりますし、手をふりあげた時にでも止められます。

止められてばかりいれば、「手を出さなくてもいい」習慣がつき、手を出す行為自体もおさまることがあります。

叩く習慣のある子供同士で遊ばせないで、親も子供と子供の間に座ってください。
「子供同士が遊ぶことで仲良くなる」と思われるかもしれませんが、叩いている・叩かれている子供にどうすれば仲良くなれるかと考える余裕はありません。親が側で友達との付き合い方を教えてあげてください。

つい親同士で話に夢中になってしまいがちですが、幼児はたとえ手を出さなくても一瞬の隙に何をするか分からないので、注意して見るようにしてください。


2・子供の気持ちを言葉で表現してあげること

ほとんどの叩く行為には「理由」があります。その理由を代弁してあげてください。
自分で言えなくても言っていることは分かってることが多いので、「親(誰か)がわかってくれた」と思うだけでも安心して叩くことを止めることもあります。

例えば、おもちゃなどを取られて叩いた時は、「おもちゃを取られて悔しかったね。でも今度からは叩かないで”僕の”って言おうね。」

おもちゃが欲しくて叩いた時は、「こういう時は叩かないで”貸して”って言うんだよ。」

叩かれて叩き返した場合は、「叩かれて嫌だったね。今度からは”叩かないで”、”嫌だ”、”痛い”って言おうね。」

誰かれ構わず叩いている場合でも、以前におもちゃを取られたりなどがあって警戒しているということがあります。
「大丈夫だよ。おもちゃを取られそうになったら”僕の”、”取らないで”って言おうね。」

親同士の関係で言いづらい場合もありますが、できれば子供の代弁をするつもりで相手の子供にも話しかけてみてください。

「この子が叩いてごめんね。おもちゃを取られてびっくりしちゃったみたい。今度からおもちゃが欲しい時は”貸して”って言ってくれるかな?」
「この子が先に遊んでいたから、返してくれるかな?」
「そのおもちゃで遊び終わったら、この子に貸してくれる?この子も遊びたいみたいなの。」

たいていの子は「ダメ」だと言ったり言葉が分からなくてきょとんとしていたりしますが、

「ダメだって。残念だね。でもこのおもちゃはみんなのだから仕方ないね。」
「まだ小さくて言葉が分からないみたいだね。小さい子に先に遊ばせてあげようね。」
と、言葉にしてあげるだけでも全然違います。

子供は親の言葉を聞きながら、「なるほど、そうやって言えばいいんだ」と学びます。

言葉での表現方法が分かれば、叩くのを止め、「僕の!」と言葉で表現するようになります。


3.言葉での注意+行動で示すこと

それでも納まらない場合は、行動で示すことです。

「叩いたら痛いんだよ」と言っても、まだ相手の痛みが分かる年齢ではありません。
「叩くのはだめ」だと言っても、まだ道徳を理解する年齢でもありません。

だからといって、言っても無駄だと諦めることはしないでください。
何も言わない、何も起きなければ、子供は「やってもいいことだ」と解釈してしまいます。

言っても効かないのなら、何かを体験させなければいけません。

ここで多くの人が勘違いしてしまうのが、「同じ痛みを与えて分からせよう」と思ってしまうことです。

でも、これは効きません。

自分のことも分かっていない子供に相手の痛みや気持ちを分かせるのは無理だからです。

親が涙を浮かべながら叩いても、どうして叩かれているのか子供には分かりません。


それよりも、「叩いても解決にならない」と身を持って教えることです。

叩いたのは「おもちゃが欲しかったから」「自分だけが遊びたかったから」だとすれば、

叩いてその願いが叶ってしまえば、次回からも叩くことになります。

叩いたら、即おもちゃや友達から離したり、公園などから帰らせてください。

子供が嫌がれば、「叩いたらもう遊べないんだよ」と繰り返してください。

叩いても自分の思い通りにならないことが分かれば、叩かなくなります。


4.叩いていない時に褒めること

叱ることで悪いことは何かを伝え、褒めることで良いことは何かを伝えることができます。

例えば「おもちゃが欲しい」という要求を叶えるためには、「叩く、奪い取る(悪い)」「貸してと言う、順番を待つ(良い)」などといったいくつかの解決方法があります。

でも、幼児はそれらの解決方法が思いつかないばかりか、要求を我慢することもまだ難しい年齢です。

「叩く」という行為が、子供にとって唯一の解決法になっているのかもしれません。

たとえ偶然でも叩くことを止めれば「叩かなかったね。えらいね!」、
おもちゃの取り合いをしていない時は「仲良く遊べてえらいね。ママも嬉しいな!」、
「貸してってちゃんと言えたね!」

たくさん褒めて叱って、たくさんの解決法を与えてあげれば、子供は経験から一番良かった方法を選ぶようになるでしょう。

たいていの子供は、親に褒められた方法を選ぶものです。



1~4をやってみて、それでも直らない場合は最終手段です。

5.集団から離すこと

ほとんどの親が「コミュニケーションのために」と頑張って集団に入れようとします。

でも、言葉が出る3歳前は「1人遊びの時期」と言われ、そこに友達がいてもいなくてもあまり関係がありません。

コミュニケーション力が育ち始めるのは、3歳前後からです。

無理して集団に入れるメリットはほとんどありません。

友達を叩いてばかりいるのなら、まだその時期は来てないものと思って、親子で楽しくゆっくりと遊んであげてください。

親が友達役をやって、親のおもちゃを取った時や叩かれた時は「取らないで」「叩かないで」と言ってみるのもいいと思います。


よく言われる自閉症その他の病気については、言葉が出る前は専門家でも判断しにくいほどの微妙な違いであり、それだけ3歳前の問題行動は普通によくあることです。

今は大丈夫でも、自分の子もそのうち叩き始めるかもしれません。

もちろん子供の安全を守ることが最優先ですが、お互い様だとおおらかに考えることも心の平穏に繋がります。

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28 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
とても勉強になります☆ (Naomi)
2008-07-31 08:28:12
Hanakoさん、はじめまして。
今朝偶然このサイトにたどり着きました。Hanakoさんの日本/海外の子育てに対する考え方に賛同すると共に大変勉強になります。

私には現在9ヶ月になるダッチ/アメリカ人とのミックスの息子がおります。これから先、日本で生活をするかまたはアメリカで生活をするかまだ迷っているところですが、どちらにしても息子にとってよい環境を選択してあげたいと夫と考えています。
3歳までは保育所などに預けず夫と2人で子育てをしようと思っているのでこれからの息子の心の成長に大変参考になりました。
このような本が出版されたらぜひ購入したいくらいいです(笑)

これからもちょくちょくおじゃまさせていただきます

Naomiさんへ (Hanako)
2008-08-02 21:40:49
はじめまして。コメントありがとうございます。
同じような状況の方に賛同していただいて嬉しいです

本、出版したいですが、私もまだまだ未熟者ですので、ブログで我慢します(笑)
何か気づいたことなどありましたら、どんどん書きこんでいただければ参考になりますので、こちらこそよろしくお願いします!
参考になりました (アロハ)
2008-08-28 09:16:19
うちの子は、4歳になった所ですが、いまだに時々たたいたりかんだりするんですよね・・・。


>叩いたら、即おもちゃや友達から離したり、公園などから帰らせてください。

これ、できていなかったと思います。
今からでも、実行しようと思います。


アロハさんへ (Hanako)
2008-08-30 17:32:11
コメントありがとうございます。
時々ということなら、叩いてない時に褒めるのもいいと思いますよ^^。
あっ、これ書き忘れてました。記事につけたしておきます!

4歳ならきっと叩いてはダメだというこは薄々分かっていると思いますが、まだ自制心がきかないこともあると思います。
頑張ってください
少し安心しました (merumo)
2009-08-28 18:06:43
こんにちは。2歳になる娘がいます。言葉も早くトイレも教え成長が少し早い分、いやいや反抗期も始まりました。児童館が好きでいつも遊びに行くのですが、友達と上手に遊べず叩いたり おもちゃを横取りしたり。言葉で注意してもエスカレートしたり"やだもん"一点張りで大泣きする始末。
最近は人のいないブースへ移動させて遊ばせたりと接触させないようにしています。また 叩いたりして言葉でわからない時は "分からないなら帰ろうね"と つれて帰るようにしています。きっとこれじゃだめなんだろうな~ と今さっき日記に書いてたところでした。
少しなんだかほっとして 投稿してみました。
merumoさんへ (Hanako)
2009-08-29 05:06:09
こんにちは。

2歳、ついにイヤイヤ期突入ですね!
2歳児は記憶力が短いので、何度注意しても忘れてしまったりして、すぐには効果が出ないので不安になるかもしれませんが、この時期にきちんと注意されている子は3歳頃にはとても良い子になっています。
この調子で頑張ってください!
Unknown (TSS_P)
2009-09-21 13:09:50
初めまして。
最近、小学生の娘が学童クラブでいじめ(=特定の子から繰り返し叩かれたり蹴られたり)に遭っていたことがわかりました。悩んだ末にやめさせることにしたのですが、いじめに対する対応方法について参考となる意見を探していたところ、こちらのサイトにたどりつきました。非常に参考になりました。

もしよろしければ、当方のブログで紹介させていただきたいのですが、ご了承いただけませんでしょうか。
TSS_Pさんへ (Hanako)
2009-09-28 15:04:44
はじめまして。
お返事が遅くなりましてすみません。

ブログが参考になってなによりです。
その後、娘さんのご様子はいかがですか?
いじめ問題は複雑で、対処法のマニュアルはありませんが、子供はそもそも対処法があるということさえ考えつかず、世界の終わりのように悩んでしまいます。親(大人)がいろいろと情報を教えて希望を与えてあげられるといいですね。

ブログで紹介していただけるなんて光栄です。こちらこそよろしくお願いします。
ありがとうございます (TSS_P)
2009-09-29 13:24:57
Hanako様
お返事ありがとうございます!
早速、紹介させていただきます^^
「子供はそもそも対処法があるということさえ・・」
確かにそうですね、親がまずは勉強をして情報を与えられるようにしたいと思います。
Hanakoさんのお子さんはまとめて寝られるようになりましたでしょうか。でも今は蜜月ですね。
TSS_Pさんへ (Hanako)
2009-10-01 19:27:19
私の親もこうやって頑張ってくれていたらと思うと娘さんがうらやましいです。

お気遣いありがとうございます。
子供は夜はまとめて寝るようになりましたが、昼間は相変わらず40分寝です。
もう最近では諦めて40分で起きると計算して行動するようにしています。1分も違わないので、体内時計すごい!と感心しています(笑)

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