リビアで戦争勃発

2011-03-21 19:54:31 | 軍事ネタ

日本時間の3月20日早朝、多国籍軍がリビアに軍事攻撃を開始した。
この作戦にはアメリカ・イギリス・フランス・カナダ・イタリアなどが参加している。

初動では原潜や艦船からトマホーク巡航ミサイルが112発発射され、
地中海沿岸の軍施設や対空ミサイル陣地などを制圧。
またアメリカ軍の3機のB-2ステルス戦略爆撃機が出撃しシェルターなどを破壊、
その後はフランス軍のラファール戦闘機やイギリス軍のトーネード攻撃機が
リビア軍の戦車や車輌類に対しての航空阻止任務に従事している模様。


アメリカ軍のB-2ステルス戦略爆撃機フランス軍のラファール戦闘機

リビアでは先月の大規模な反政府デモより内戦状態となっており、
つい最近では反政府軍の本拠地となっているベンガジを政府軍が包囲したところ。
カダフィ大佐の機甲部隊がベンガジに迫っており、いよいよかといったところにこの軍事介入である。

現在のところ、アメリカ軍は航空戦力の投入だけで、地上軍の派遣は否定している。
あくまでもカダフィ軍の撃滅と指揮統制の破壊に努め、
地上戦はリビア人同士がケリをつけろといった魂胆らしい。
これはベトナムやイラク戦争での正規軍を壊滅させてもゲリラ戦となると、
泥沼になり戦争が長期化した反省もあるのかもしれない。

しかし多国籍軍による空爆が開始されても、カダフィ大佐は強気な姿勢を崩さず、
また反政府軍に対しての攻撃も停止しないとしている。
反政府側は多国籍軍という強力な後ろ盾はついたが、
今のところ、地上戦は自分たちで押し返さなければいけない。
大半が銃を持っただけの民衆で、烏合の衆ともいえる。
素人の集団である。

銃を持っただけの素人でも、構えてその場を守るだけならなんとかできるかもしれない。
しかし"反撃"という作戦行動を起こせるかというと、困難と言わざるを得ない。
その決定力がなければ、いつまでも戦争は終結しない。
カダフィ軍のプロの軍部隊や傭兵には対抗できないだろう。


多国籍軍が地上兵力を出し渋るようでは、このリビア内戦も長期化する恐れがある。
もしくは反政府軍の体力が尽きて地上優勢のカダフィ軍の勝利に終わるか。
いずれにせよ、空爆だけじゃ戦争は終わらないのだ。
前時代的な無差別爆撃で首都トリポリをカダフィごと更地に帰すぐらいでなければ。