ガンダムを見た

2006-05-05 19:05:21 | 日常の駄文




実は、いまさらになってガンダムを初めて見ました。

最近友人との間で話題になって、なんとなく見たくなったので見てみたけど、

所詮ロボットアニメと思ってたら意外と面白かった。

見たのはファーストガンダムの劇場版3部作(DVDじゃない、古いほう)と、

ついでにOVAのポケットの中の戦争と第08MS小隊。

今まで俺が抱いてたガンダム観は、

「新兵器一機で戦争に勝てるわけねー。

リアルにキングタイガーを500両作って負けた国もあるのに!」

とか思ってた。 まぁアニメだからな、ってかんじで。

観たことはなかったんだけどね。

でもまぁ、きもいオタクの友人が「けっこうリアルに作られてるからだんちょも楽しめるって!!」とかきもかったので

しゃーねぁなぁって見てやったら、これがけっこう面白いじゃないか。

戦争物ってことで見てみたんだけど、なるほど「ロボットアニメ」って響きから想像する物よりかは幾分シリアスだ。

一応「何故人型ロボット兵器が戦場に出てきたのか」の説明もされていて説得力をもたせているし、

背景設定というかディティールには相当こだわって製作されてるかんじに思えた。



まぁアニメだと思って馬鹿にしてたら意外と面白かったんで、オタク量産してるのも伊達じゃないな!

見てると、実在のエースパイロット・軍人や組織などのモデルがけっこういるね。

ジオンはまんまナチスドイツだなぁ。

ジオン軍旗自体がナチス時代のドイツ軍旗のマークを変えただけのものだし、

ギレンの演説がそのままヒトラーの演説とだぶる。 選民思想部分とか。

ギレンの演説でジオンの国力は連邦に比べ30分の1以下といってる部分もあるけど、ここもドイツ軍の状況と似てる。

まぁソ連とアメリカを同時に敵に回してたドイツ軍は30分の1どころじゃないかもしれんけど。

あと何といっても緒戦のルウム戦役からのジオンの連勝~地球降下作戦までの電撃戦。

新兵器による新戦術の有用性を実戦の中で確立させ、それに対応できない連邦軍が緒戦でぼろぼろにされる。

これも、第二次世界大戦緒戦のドイツ軍による三次元の火力支援と機甲軍団の新戦術で、

瞬く間にポーランド侵攻から北欧侵攻、ベネルクス三国を占領し、

対応できない間に大国フランスを陥落・瞬殺した電撃戦にそっくりじゃないか。

アニメのストーリーとしても最初はそのほうが盛り上がるってのもあっただろうけど、

間違いなく史実のドイツ軍の侵攻の流れを意識したものに違いない。

とか諸々妄想しながら見てたら、アニメ終盤にそのままギレンのことを「ヒトラーの尻尾」呼ばわりするセリフが出てきた。



それにしても、あれだけの大戦がたった1年だったってのは腑に落ちんなぁ。

アニメといえど、ここだけはどうしても譲れない。

MSとかの説得力も一応持たせたりしてたのに、なんで1年っていう設定にしたんだろうか。

何年もかけちゃホワイトベース隊の少年少女たちが成長しちゃうからか?

しかし、やっぱり5年ぐらいはかかっててほしかった・・・。

条約で核兵器の使用が禁止された戦争で、たったの1年で55億人も死ぬだろうか。(核は使われたこともあったんだっけ)

コロニーごと壊されたとかで大勢が宇宙(そら)の藻屑と消えることはあったんだろうけど、

戦場の主役は歩兵じゃなくMSになってるこの世界で、そこまで人が死ぬとは納得できないなぁ。



どうでもいいけど、マ・クベは鉱山資源基地を任されていたようで、

撤退する時に「我々がキシリア様に送り込んだ鉱物資源の量があればジオンはまだまだ戦える」みたいなセリフあったけど、

たったの1年で終戦じゃあ鉱物資源の量なんか戦局に大して左右されないよなぁ・・・ってのは後知恵か。

きっとまだまだ大戦が続くつもりで働いていたんだな。

ヒトラー総統も戦争経済云々とうるさかったみたいだし。

ところでマ・クベって聞くところによるとTV版では色々やんちゃしたみたいだったけど、

劇場版だとその辺大幅にカットされてるようで、ただ鉱物資源を運んで撤退しただけの人だった。

「この人なにもしてないじゃん」って思いつつ変だなぁと思って、

最後の最後までなにかしら活躍するんじゃないかと期待してたよ。

マ・クベの活躍が見たかったなぁ。



アムロだけど、リュウ・ホセイが特攻して死んだ時はあれだけ気が動転しまくってたのに、

終盤のスレッガー・ロウの特攻にはかなりクールな反応だよなぁ。

限りなくスルーに近いし、あのアムロのクールさを見て思わず「軍人になったな・・・」って呟いてしまった。

まぁ悲しいけどこれは戦争ってことなのかな。

そのスレッガーの特攻対象であるビグザムは、あれはいいな。

終戦直前に圧倒的火力の重装甲兵器が出現。

まさにキングタイガーを連想する。

ソロモンの戦いでのドズルの搭乗するビグザムの玉砕は、まさにドイツ軍降伏直前のベルリン攻防戦での、

たった一両で立ち向かいソ連戦車数十両を撃破した後自身もやられてしまったキングタイガーを思い浮かべた。

最後の砦であるソロモン要塞防衛、祖国の首都であるベルリン防衛。

本当に「やらせはせん、やらせはせんぞ!」って気概だったんだろうなぁ・・・。



「貴様が勝ったのではない!そのモビルスーツの性能のおかげだと言うことを忘れるな!」



ランバ・ラルのセリフだけど、色々おいしいセリフだと思う。

立派な軍人を演じていた彼の唯一の失言かなと思ってたけど、

ドイツ軍のエースパイロット、ハンス・ウルリッヒ・ルーデルも似たようなこと言ってたの思い出した。

「ドイツ兵は全ての戦闘に負けたわけではない。連合軍の圧倒的物量に屈しただけだ」みたいなの。

それを考えるとなかなか、アリかもしれない。

UOで殺された時とかの言い訳にも使えそうだ。






OVA版はあれだな、ポケットの中の戦争はけっこう面白かったけど、第08MS小隊はあまり好きじゃないなぁ。

まぁ群像劇としてはこういうサイドストーリーが豊富なのも重要なとこか。