映画とワンピースのこでまり日記

映画の感想と月曜日にはワンピースのネタばれ更新中~♪
簡単な内容ですが映画の感想もボチボチ更新していきます。

●ヒトラーの贋札(53)

2008-07-20 | 映画・DVD  は行


ポンド紙幣、でかっっ・・・




’07 オーストリア・ドイツ 96分
監督・・・ステファン・ルツォビツキー
出演・・・カール・マルコビクス / アウグスト・ディール / デービト・シュトーリーソフ / マルティン・ブラムバッハ / アウグスト・ツィルナー






ナチスが計画した“ベルンハルト作戦”のため、ザクセンハウゼン強制収容所には、世界的贋作師サリー、印刷技師ブルガー、美校生のコーリャなどユダヤ系の技術者たちが集められた。ユダヤ人でありながら破格の待遇を受け、完璧な贋ポンド札作りに従事することになったサリーたち。しかし彼らは、自らの延命と引き替えに同胞を苦しめるナチスに荷担するジレンマに次第に葛藤と苦悩を深めていく。




「ベルンハルト作戦」とは、贋札を作りそれによって英国経済崩壊を企んだ作戦の事です。
ナチスがこんなことしてたなんて知りませんdした。
これは実際にこの作戦に従事させられたアドルフ・ブルガーの著書を基にした映画です。
本編の中でもこのベルガーは鍵を握る人物として登場。
ユダヤ人収容所の話、ということで重いものを想像していましたが、それは全くと言っていいほどありませんでした。


     ←途中からこの鼻のまがり具合が気になって・・・

贋札を作って悪事を働いていたサリーはナチスに逮捕され収容所に連れてこられる。
そこで贋札技術の高さを買われ、贋札作りのチームの責任者に任命される。
そこには自分と同じユダヤ人の技術者達が集められていた。

    

贋札を作らないと殺され、仕事が出来ないと元の収容所へ送り返される・・・
誰もそんな風になりたくない・・・と皆、一生懸命贋札を作るわけです。
でも同じ収容所に入れられたユダヤ人同士、一致団結するのかと思ったらそうじゃないんですよ。
生き残るために贋札を作り続ける人もいれば、いくら生き残るためとはいえナチスに協力することに抵抗する技師もいたりする・・・
そのせいで贋札がなかなか完成しない。
抵抗する技師(本作の原作者)が主張する事もわかりますが、
生き残るために贋札を作り、人並み(他の収容者に比べれば)の生活をしたいと思う気持ちを責めることは出来ないと思う。
いつ殺されるかわからない緊張感と、それぞれが心に持つ苦悩がじっくり描かれています。

自分、そして収容所の仲間達のため、サリーは必死に贋札を完成させます。
逮捕される前はかなりのワルだった(そう見えた)サリーが、収容所に入ってからはいろいろと役人に取り入ったりしながらも
自分を犠牲にしても仲間を助けようとしたりするんです。
実話だからイチャモンつけても始まらないけど、そこのところがなんだか個人的にはスッキリしませんでした。
こういう過酷な場所にいると、人間変わるんでしょうかねぇ。

贋札を作っていた人たちはかなり優遇されていたようです。
食事もちゃんと与えられ、シャワー、清潔なベッド、タバコまで・・・
彼らは極秘作戦を実行していたため、収容所の中でも隔離されていたのですが、
戦争が終わって他の収容所の人たちが塀を壊して入って来た時、その姿のあまりの違いに改めて待遇の差を感じました。
片方は普通の人、片方は骨皮筋衛門なんですから。
彼らがサリー達をナチスと間違えて殺そうとしたのもわかります。

突然戦争が終わり彼らは解放されるわけですが、
贋札を作っていた人たちは一生、負い目を背負っていくことになるのでしょうね。


この作品は2007年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞しています。
前年度の受賞作品が 善き人のためのソナタ でしたね。
この作品もいいけれど、個人的には「善き人のためのソナタ」の方が好きかな。


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4 コメント

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Unknown (なな)
2008-07-20 21:18:32
こんばんは!TBとコメントありがとうございました!

私も,この作戦のことは詳しくはしらなかったから
とっても興味深く鑑賞しました。
サリー役の俳優さん,冴えない小男なんだけど
とっても存在感あって,やることがカッコよく見えました。
終戦になって,他の囚人たちとのご対面シーンは印象的でしたね。
サリー側の人々の,後ろめたそうな表情が心に残りました。
彼らも被害者なんですけどね・・・れっきとした。
ポンド紙幣・・ (メル)
2008-07-21 11:01:48
ほんとにデカかったですね~(笑)
はぁ?これがお札?っていうくらい(^^;;)

それと彼の鼻の曲がり具合ですが、私も
大いに気になりました~!(笑)
これは、設定的にナチに殴られて、鼻が曲がった
と言う設定なのか?とか真剣に考えちゃいました(笑)
が、そんなこともなく、実際こういう鼻なんですよね~(^^;;)
左右の鼻の穴の大きさも違う!右が小さくて左が
大きい!なんてことも思ったりして(^^ゞ

私も「善き人・・」の方が好きだったかな~。
それにしてもアカデミーさんはこういった
ドイツの迫害もの、ホロコーストもの、ナチものが
お好きなんですね~(^^ゞ そういうのが外国映画賞を
取ることが多いですよね~。

他の方の記事で知ったんですが、この主人公のサリー(多分本名は違うのかな、って思うんですが)、
あの後も偽札作り(?だったか、別の犯罪だったかな?)をしてて、追われる身だったようですが、ブラジルに逃げて、91歳まで生きたそうです!
ビックリですよね(^^;;)
対面シーン (こでまり)
2008-07-21 15:36:29
 ななさん、こんにちは!コメント&TBありがとうございます♪

ホント、あの対面シーンは印象的でした。
あのシーンまで、自分の中で「彼らも収容者なんだ」という意識がまったく飛んでしまっていて、
あのシーンで改めて思い出したんですよ。
双方とも心にも深い傷を残してるんでしょうね。
鼻の穴 (こでまり)
2008-07-21 15:42:27
 メルさん、こんにちは!TB&コメントありがとうございます♪

鼻の穴の大きさまで考えが回らなかったっ
あれくらい曲がってたら、確かに穴の大きさも違うかもしれませんねぇ。
「あれ?」って気づいたら、自然と彼の鼻に視線が集中してしまって困りました
外人の鼻は鼻筋が通ってる分、曲がりやすいのかしら?? 

91歳まで生きたんですか?すごーい!
でも収容所で苦労したんだから、出てからそれくらい人生を楽しんでもバチは当たりませんよね。
(あ、でも犯罪者か・・・)

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