児玉時計店 ブログ

時計・メガネ・宝飾・補聴器 取り扱っております。
古い時計の修理もご相談ください。

重錘式     3/3

2017-06-21 | 修理
重錘式掛時計、其の3。

振り子時計にとって重要な“振りペラ”。
振り子の重量を支え、振り子運動を司る要の部品です。

振り子を下から突き上げたり、ぶら下げたまま時計本体を移動すると、
傷めることが多くあります。
この時計のデザインは、全体がケースに覆われていないので、
さらに注意が必要です。
曲がりがあることからこちらの時計も、
ご使用中にそのようなことがあったと推測されます。

振り竿を外すとよくわかります、右にグニャリと曲がっています。
このままだと振り子運動の妨げになり、精度に影響してしまいますので、

真直ぐになるように修正します。



組み上がったムーブメントを、

ケースに入れ、

文字板、針を取り付けて、

調整を行い、

完成!!

チェーンを引っ張って巻き上げる重錘式は、
ゼンマイ式と違って、重錘の動きが見える楽しみがあります。

重錘式     2/3

2017-06-20 | 修理
重錘式掛時計、其の2。
軸受け部分の修理を行います。

油カスがあるので、わかりにくいかもしれませんが、
軸受けが大幅に摩耗した箇所です。

洗浄してみると、わかりやすくなりますが、
力の掛かる向かって左方向に摩耗しています。

力がかかると左側にホゾが傾いて、
歯車のバックラッシュが変わってしまうので、
トルクの伝達不良や、歯先の偏摩耗を引き起こし、
止まりの原因となってしまいます。

本来はこの位置にホゾが居なければなりません。

ここまで摩耗してしまうと、地板の調整では修正しきれないので、
時計旋盤にて、新規に軸受けブッシュを製作します。

軸受け素材の丸棒に穴をあけて、

ブッシュ形状に削り出します。

削り出された軸受けブッシュ。



楕円形に摩耗してしまった軸受け部分を、

フライス盤にて削り取ってしまいます。



製作したブッシュを、圧入して取り付けます。
この個所は摩耗しやすいので、ブッシュに厚みを付けて仕上げました。

これで歯車が適正なクリアランスで、軸受けの中心で回ります。



その他にも、同じように摩耗の激しいところは、
ブッシュを作成して仕上げます。


次回へ、つづく。





重錘式     1/3

2017-06-19 | 修理
オーバーホールでお預かりいたしました、こちら、

エレガントな重錘式の掛時計。
飾りの重錘ではなく、重錘を動力とする機械式の掛時計です。


針と文字板を外し、

ムーブメントを取り出します。


取り出したムーブメントをチェックしていくと、

油カスにまみれた、軸受け部分が何か所も・・・

分解すると、

当然、ホゾ側も油カスでドロドロ。


次回へ、つづく。

45キング     2/2

2017-06-10 | 修理
45キングセイコー、其の2。

この部分も、このキャリバーの特徴的なところ。
ムーブメントを薄くするために、特殊輪列が採用されています。
また、10振動のため、強力なゼンマイが組み込まれていますので、
ここは力の掛かる部分でもあります。

歯先までグリスのカスがこびり付いていました。

洗浄しただけでは落ちない頑固な汚れは、

歯を一枚一枚磨き、落とします。


オシドリやオシドリピンにも錆が発生していました。
これらは、磨いて仕上げます。


リューズは貴重なKSマーク入りのため、

カチカチになった、古いパッキンを取り出して、

新しいパッキンを取り付け、再使用します。



仕上がったムーブメントをケースに組み込みます。

ケースも磨き綺麗になりました。

バンドを取り付けて、完成!!


前回の44グランドも、こちらの45キングも貴重な時計ですので、
しっかりとしたメンテナンスで、少しでも長生きさせてあげたいものです。



45キング     1/2

2017-06-09 | 修理
前回の44クランドセイコーと同時に、
同じお客様からご依頼いただきましたこちら、

1960年代製“キングセイコー”。
裏ぶたのマークは若干腐食が進んでいます。


金属バンドを取り外して、

外観チェック、リューズはKSマーク入り金色の物が取り付けられています。

ハイビート10振動のキャリバー4502、 手巻き25石のモデル。

45キャリバーの特徴でもある、アオリ調整レバー!


ケースから取り出して、オーバーホールしていきます。

以前に44グランドと同じところで修理されていたようで、
やはりアンクルのホゾには、大量の油が注油されていました。

拡大してみるとこの通り。

当然、受け側の穴石も、

油の海でした。


次回へ、つづく。