フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

東北マニアな旅その1

2010年01月03日 | お出かけ

 11月14日、高校からの友人Yと私は、中部国際空港から仙台へ向かった。天気は小雨。到着した仙台も雨だった。レンタカーを借りてナビに、まずは多賀城を設定して出発。なんで多賀城?かというと、『奥の細道』にも詠われた「つぼの碑(いしぶみ)」があるからだ。・・・といっても今回の旅はそもそもYが言い出したもので、「2009年は009の年」という記念の年だから、それをきっかけに思い切って行くぞ!という「石ノ森章太郎ツアー」であって、私はそれにつきあっただけである・・・。しかしせっかく団体旅行でなくマニアックな自由旅行なのだから、「んじゃ君の目的のとこ以外は好きにしてい~い?」とその他の行き先はワタクシが勝手に決めた。
 というわけで、「つぼの碑」である。別に私の興味は『奥の細道』ではない。そのとき読んでいた荒俣宏著『新帝都物語 維新国生み篇』で「つぼの碑」が重要な役割を果たすのだ。とはいえ、それに出てくる「つぼの碑」は青森にある「日本中央」の文字が刻んである、とっても真贋の怪しい方のことである。が、青森へ行くのはまたの機会(いつになることやら)にして、行けるところへ行っておこうというアバウトさだ。
 多賀城跡は広い。いい加減にナビを設定したので、碑がどこにあるのか迷ったがなんとか発見。駐車場はない・・・つーか、道路には「→駐車場」の標識があったが、「え?どこ?まさか、これじゃあるまいな?!」という無理やり突っ込む(しかもその直前には駐車場の標識はない)ような場所であった。今でもあれが駐車場かどうか疑問だ・・・。
 傘を差して滑りやすい道をのたのたと歩き回る。
「うーむ、ここが城門だったところか・・・。それらしいこんもりした盛り土があるだけで、石とかは全くないのなー」  
                                                
 寒いので目的の碑の写真を撮って次の目的地へ移動。
 次もワタクシの要求による「塩竈神社」である。一応有名な宮城の一の宮だからな。行っておかねば。
 またも「駐車場はどこだ?!」(道路から参道は見えているのだが・・・)とぐるりと回って看板発見。結構参拝者がいる・・・着物を着た子供連れの家族ばかりだが。そうか、七五三かー。雨の中大変じゃのう。とりあえずお参り。
「わし、今年初めて神社にお参りした・・・。これ、初詣?」
 もう11月ですがな!
 その後は近くにあるはずの「御釜神社」へ行くため、車は置いていこう、と参道を下り始める。最短距離で行こう、と正門へ向かったのだが、この石段がめちゃ急!しかも雨で滑る!
「引き返したほうがよくないかねえ?」
「でも、ここまで来たら引き返しても一緒じゃない?」
 ・・・めずらしく慎重なワタクシに対し、慎重派のYの方がイケイケであった。
 ひいひい言いながらなんとか下山(そんな感じ・・・)記念(?)に降りてきた石段をバックにパチリ。こうしてみると、結構高いじゃん。
「あ、地図、車の中・・・」
「うーん、たぶんこっちの方だったような」
 方向音痴ではないYを信じて、商店街の中を歩くこと10分。「御釜神社」発見。宮城での私の第一目的地はここで、塩竈神社は「ついで」である。なぜなら、ここには塩釜神事に使う神釜があるというからだ!
 御釜神社はとても小さい。敷地内に神主さんの自宅もある。御釜の収納庫には「拝観希望の方はお申し出ください」とある。神主さんの家の呼び鈴を押すが、壊れているのか鳴らない。しかし電灯が点いているから誰かいるはず!と玄関をがらがら開けて(鍵がかかっていないのがなんとも・・・。都会じゃあり得ないな)「ごめんくださーい!」と叫ぶ。何度か呼んでやっとおばあさんが登場し、倉をあけてもらった。あいにく撮影禁止なので外側だけ。中には4つの釜が並んでいた。
 
      

「天変地異があるとお釜に溜まっている水(雨水だが)の色が変わるんですよ」
 とのこと。水の色は茶色かったり黒かったり。赤いのは錆びのせいか?鉄製なのか。
「掃除してないので枯葉が溜まっちゃってますけど」
 それでは枯葉の茶色になってしまうではないか。掃除してくれ・・・
 境内の奥には小さな池があったが、滲み出してきた海水だそうだ。
「この辺はすぐ近くまで海が来ていてね、この神社も海岸近くにあったんですよ」
 はー、それで塩を作っていたわけですな。
 おばあさんに1人150円の拝観料を払い、塩竈神社へ戻る。今度はまた別の道を上る。その途中にこの地方の豪商が建てたという大正だったか昭和初期だったかの別荘が公開されていたので立ち寄ったのだが、そこのボランティアガイドさんの話によると、昭和の初めまではこの邸のすぐ下まで海が迫っていたそうだ。なるほど!だとしたらすばらしい眺めだっただろうな、と思わせる眺望でしたよ。塩竈神社のある丘陵は、海岸からすぐ盛り上がってる感じだったんだろうなあ。
 さて、お腹が空いたので、あらかじめ調べておいた塩釜市内のお寿司屋さん「大黒寿司」へ。ところが駐車場に車を置いて入口に行ったら、「本日貸切のため2時より営業」2時?まだ1時間あるじゃん!どうしよう・・・と考えたが、その割には駐車場が空いている。もう終わってるんじゃないの?とだめもとで引き戸を開けて「あのー、今日2時からしかだめですか?」とのぞいてみたら、「いえいえ、もう大丈夫ですよ」とのこと。ラッキー!と入る。
 上寿司2,380円(だっけな)と日本酒を注文。友人は酒ではなくあら汁。午前中は私が運転していたのだが、「寿司だったら酒が飲みたいよー!」という私は、午後からは友人と運転を交替する約束である。「うう、まぐろがバター味・・・」アブラがのりまくって甘いくらいだ。Yはきゅうりが苦手(瓜系が苦手らしい。なのでスイカもだめだ)なので、彼女のカッパ巻きも平らげる。食いすぎだ・・・。
 食って飲んで「うう、腹が苦しい・・・」という私を助手席に乗せ、出発。御釜神社と寿司屋でゆっくりし過ぎた、と本当は時間があったら松島の遊覧船に乗るはずだったが、さすが観光シーズン、嵐山のような混雑のフェリー乗り場を横目にパス。お前ら、ホントーに普通の観光してないな!?仙台通り過ぎたから仙台城にも瑞鳳殿にも行かず、牛タンも食べず、松島も見ず!
 そうまでして行きたかった(Yが)のは、石巻市の「石ノ森萬画館」。いろいろ展示してあってファンには楽しいかも。私は、例の「ジョー、君はどこへ落ちたい?」というシーンを含むアニメが15分くらい繰り返し流されているテレビの前で釘付けだ・・・。他の展示を見終わったYが「やっぱりここにいたのか・・・」と引き返してくる。
 Yはお土産を買いまくっていた。
「私、ここで○○円使っちゃった・・・」
 と茫然とするY。いつも冷静なYだというのに、ファン心は人を狂わせるものだ・・・。
 外へ出ると18時で真っ暗。しかし我々の目的はまだ終わってはいない。JR石巻駅から萬画館に続くマンガロードに点在する石ノ森キャラの像めぐりだ!・・・Yとは境港市の水木しげるロードでも同じことをやったっけ・・・

 人影のほとんどなくなった商店街をうろつき、キャラを見つけては写真を撮りまくるアラフォー女が2人。しかも一緒に写真を撮ろうとすると、像と同じポーズをとってしまうのはなぜだ・・・。アホすぎる・・・
 JR駅前のは除いてひととおり取り終え、19時前に宿へ向かう。ナビでホテル名を検索して目的地に設定するが、なんか方向がおかしい。
「あれ?ホテルってこっち方面じゃないよねえ?東に向かうはずなのになんで北へ行こうとするの?」
「でもホテル名は合ってるよねえ」
 首を捻りながらどうもおかしい、と道端に車を止めて確認する。・・・わかった。同じ名前のホテルが、日本海側にもあった・・・。
「そうだよねえ。到着予定時刻が真夜中になってるからおかしいと思った」
 オイオイ!それを先に言ってくれ!
 結局予定外の道に入ってしまっていたので、海岸沿いではなく山越えの道を通って車は宿へ向かう。
「真っ暗だねえ・・・。左側、川があった気がするけど真っ暗で田んぼなのか川なのかわからん」
「右側も山のはずだけど真っ暗でわからないよ。田んぼがどこまで続いてるのかわからない」
「対向車も後続車も来ないねえ・・・」
「方向は合ってるからいいんじゃない?他に道もないし」
 ナビがなければ真っ暗でどこを走っているのかわからない道をひた走り、ようやく海へ。・・・よく見えんけど。船があるから海なんだろう。19時くらいに到着予定と伝えておいたのだが、大幅に遅れて20時前にホテル着。夕食が用意されていたが、昼に食べ過ぎて全然入らず。くじらの刺身が出た。なぜくじら・・・でもこれは食べておこう。反捕鯨国に責められそうだからな!
 素直に石巻市内のホテルに泊まればいいものを、わざわざここまで来たのは「東北行くのに温泉(露天風呂あり)に泊まらなきゃやだ!」という私の主張による。その温泉に入りに行ったら、脱衣場から「大浴場」と「露天風呂」という2つの入口があったので、とりあえず体を洗いたいから、と大浴場に入ったら、どうやら隣り合った2つの浴場の壁をぶち抜いたらしい造り。ただし一方からは外の(と言っても屋上)露天風呂に行くドアがあった。私たちは真ん中の敷居(もと壁)を跨いで(他に人がいたら相当見苦しい場所が丸見えですな!)露天風呂へ。海沿いの崖にへばりつくように建っているので、露天風呂からは海が一望・・・のはずだが、夜なので船らしいものの明かりしか見えなかった。朝風呂するといいかもねー。・・・たぶん無理
 というところで、1日目終了。ああ、夕ご飯食べられなかったのが口惜しい・・・


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