kochikika ノート

旧「こちら某中堅企業企画室」。リーマン話、時事の話、パリーグ話など。ぼちぼちやってます。

産業紙が伝えるニート対策の話

2005-06-07 23:51:42 | 産業紙から
といっても国の話ではなく、NPO法人「育て上げ」ネットの理事長さんの話です。
理事長といっても若くてイイ男。成城大→留学という経歴を見ると経歴を見ると、育った環境はお坊ちゃまかもしれない。
で、こちらはフリーター、ニートの自立支援をしているという。しかし

「まだこの分野は市場が形成されていない」
「自分自身は事業として捉えている。“支援バカ”ではない」
「いつかニート御殿を建ててみせる」

とインタビューで言うように、ともすれば「ニート、支援、NPO」から受けるある種の市民団体的なイメージからは離れている印象を受けました。

引用ネタであってもニートを取り上げるなら… ということで、いろいろなブログを見て廻ったりしながらニートに対する自分の考えをまとめたいなとも思ったのですが、結局まとまりませんでした。

分析者の論は腑には落ちるものの、そこから先の話が自分の中で沸いてこないし、当事者の声は分析者が類型化しているように微妙に違っていて、共感できたりできなかったりと多様化してて、まあ読めば読むほど頭の中が泥沼化していくと。

そんなことなんで、支援内容の紹介の前に、(いらないでしょうが)私個人の話を申し上げることとします。

私には卒業後の最初の会社で社会にもろくも跳ね返され、2年足らずでやめてしまった経験があるんですね。

辞めたあと、実家で充電と称してぼーっとしていたのですが、あっという間に半年という時間が経過してしまいました。
少なくともこの半年間はニートと呼べる状況だったと思うのですが、この半年間のこと、ほとんど憶えていないんですね。

憶えてないってことは、当時の自分は、そういう働かない状態にあることについて、漠然とこのままじゃやばいとは思ったのでしょうが、たぶん何も思索しなかったのだろうなと。

私の場合、普段温厚な親父の怒鳴り声でその思索しない日々は終わったのですが、当事者の声を聞くに、へたに思索してたらより社会復帰が困難になったのかなとも思います。
で、記憶が薄い中でも、こういう状態だったのだろうなと言えることは、よく拝見するこちら様に、完全無職期間中には、体力、財力、精神力の3つの力が失われるとあるんですが、これは多分そのとおりだったんだろうなと。特に精神力が鈍くなる。霞がかかる。

霞がかかっているならば、まずはそれを振り払わなければならないのですが、私の場合はそれが親父の怒鳴り声だったと。
さらに振り払っただけではだめで、自分の中に残っている、引用先にあるような世間との接し方、たとえば、お客さんの前で30分間話す力なり、会議資料をつくる力なり、あるいは朝6:30に起きる力なりの2年足らずで貯めたものの残滓を奮い立たせなければいけなかったんだろうなと。

ここでこの残滓がどのくらいあるのか(残滓という言い方だと就労経験の有無が問題になってしまうか。まあ、ほかの何かでも良いのかもしれない)、それが無くなることへの危機感がどのくらいあるのかがもしかしたらひとつのキーになるのかな、という極めておぼろげな仮説が思い浮かんだところで、引用に戻ります。

で、若き理事長のニート自立支援方法ですが、まとめますと、

1)親と面談。受け入れ可能かどうかをヒアリング。
2)まずは事務所に本人に来てもらう。ただしこれは親の仕事。
3)最初は事務所で簡単な請負作業。最初はパソコン入力業務を希望する人が多いが、徐々に外へ。
4)仕事に応じて給与を支払う。当然NPOが差っぴくので彼らは自分たちだけならもっともらえるはずと気付く。
5)そうなればあとは背中を押してあげるだけ。

何かすごく簡単というか当然過ぎる流れのような感じがします。理事長によれば、2)をクリアできれば、後はほぼいけるそうです。
そして3)の作業も彼らはそつなくこなし、クレームはゼロだということで、理事長は「ニートはなまけものという発想は間違っている」と言いきります。

こういう動きがもっと広がれば、問題解決に近づくのか?
近づくのでしょうが、もちろん課題もあると思います。

まず1)で受け入れ不可能な人達はどうするか。このNPOでは別の団体を紹介するとしていますが、当然、この記事にフォローはありません。これは想像ですが、病んでる人や年齢制限があるんじゃないでしょうか(年齢が高いと再就職が困難かと)。

次に2)で親が説得しきれないケースがどのくらいあるのか。こちらもフォローなし。
まあ、これらは違う媒体での話題になりますね。

そして大きいと思ったのが、こちらでは女子の受け入れを基本的に行っていないということ。女性には女性が応対したほうがよいとの理由ですが、理事長いわく「女性ニートの方が深刻化しているのでは」とのこと。

最近、ニートの定義が曖昧だというニュースが出ていました。女性ニートも含めて、こちら様にわかりやすい図があります。

女性のニート、確かにイメージしにくい。家事手伝いをニートに入れる入れないの話になると、まさに理事長の言うように、男性ブロガーは対応しにくいでしょうね。

(ソース:6月2日付日刊工業新聞)

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