こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境 試写会(映画館) 上映時間 122分 製作国 日本 公開情報 劇場公開 (東映) 初公開年月 2006/05/13 ジャンル ドラマ
広告会社の営業マンとして働く雅行(渡辺謙)は、時に家庭を返り見ないほど仕事に没頭してきた。大きなプロジェクトと娘の結婚を控え、忙しい日々を送っていた雅行は、50歳を前にしたある日、原因不明の体調不良に襲われる。ミーティングを忘れたり、部下の顔が思い出せず、心配になった雅行は病院を訪れ、医師から「若年性アルツハイマー」の診断を受ける。そんな雅行を、妻の枝実子(樋口可南子)は献身的に支え、一緒に病と闘うことを決心する……。
(goo映画より抜粋)
久々に映画館での試写会。
開場し席に着こうとすると、ステージにはマイクスタンドが3本。
「もしや...?」と期待に胸を膨らませつつ、念のためいつもより前の方の席を選びます。
着席し、待つこと約30分。 ブザーが鳴って、さぁ開映。
おおっ!やっぱり出ましたッ!(ってオバケじゃないんだから)
家を出るときには考えもしなかった思わぬ「サプライズ」に、”明日の記憶”どころか、今までの記憶がぜ~~~んぶ飛んじゃいそうに...。( ̄∀ ̄*)キテヨカッタ...
ついに この目で”ナマ謙さん”を見てしまった感激でいっぱいです!
まさかまさかの渡辺謙、樋口可南子、そして堤幸彦監督の登場です!!!
今やハリウッドのワタナベ。世界のWATANABE。それが本当に目の前にいるぢゃぁないれすか!
イジワルなコトに、この日の試写会では事前に”舞台挨拶”なるフレコミは一切なし。
試写会応募だって、そんなこと夢にも期待せずに申し込みました。
後になってこのお三方が試写会主催の地元TV局のローカル番組にゲスト出演されたとは聞いたものの、それも夕方の時間帯の番組だったため 当日この会場に足を運んだ人のほとんどが予想だにしなかったビックリ・イベントにイキナリの大変身だったのです。
更に”ヤクルト菌”でお馴染みのヤクルト協賛という事もあり、当日は来場者一人一人に「ヤクルト400」(”400”は400本という意味じゃありません)が配られるサービス付き!(喜)
「みなさまぁ!謙さんからプレゼントでえーす♪」なんてアナウンサーさんは調子の良いことを言ってましたが、果たしてそれは本当かな・・・?( ̄∀ ̄*)
まぁそれが事実かどうかなんて正直どーでも良いのですが、こっちゃんはとにかくイキナリ上映前からテンション盛り上がりまくりで、これ以上無いほどゴキゲンな鑑賞スタートとなりました。
ですから今回の感想は、必要以上に感情移入されている可能性があります。
ご注意下さい。
まず、映画「明日の記憶」ですが、これは非常にわかりやすい話。
現役バリバリで若手を引っ張る広告代理店の営業部長が、ある日”若年性アルツハイマー”という病気に犯されてしまいます。この主人公が迎えた非情で身近な現実を発症時期からスタートし、そして日を追うごとにその症状がゆっくりと、しかし確実に悪化の一途を辿って行くという様子がそのまま描かれた映画なのですね。
ステージで渡辺謙サマが「こんな人はドコの会社にもいますよね。」と笑いながら語られてましたが、謙サマ演じるこの映画の主人公:佐伯雅行は、年齢50歳を目前に控えながらもバリバリ元気な中間管理職。若手の部下をグイグイ引っ張り、そして鍛え上げ、またそんな部下からも信頼を寄せられる上司でもあります。
確かにいます、こんな人。(笑)
言うなれば彼は 完全な”仕事人間”なんですね。
みなさんの周りにもいませんか?「自分がいなければ会社は回らない」と思っているような男の人。
佐伯は正に”そんな男”なんです。
その姿は確かに人間としてイキイキとも見えますが、実はその一方で、蔑(ないがし)ろにされているかのような”家庭”のカタチも見え隠れしてきます。
言うなれば「単なる仕事バカ」。 ↓こんなカンジのイメージです。
「あ、もすもす。 仕事バカですが。」
しかしそんな彼がある日、”自分の頭の中”でなにか小さな”異変”が起こっていることに気が付きます。
出掛けに車のキーの置き場所を忘れる。慣れているはずの道を間違える。人の名前を思い出せなくなる...。そんな小さな小さなコトを積み重ねてゆくうちに、ついにはお得意様との大きなプロジェクトの大事な会議に穴を開けてしまうことに...。
ドコかで既に聞いたようなありがちにも思える話ですが、この映画「明日の記憶」は、”そんな話”を実に見事な演技と演出と音楽でシッカリ観せてくれる映画に仕上がっています。
特に主役の渡辺謙と奥様役の樋口可南子、お二人ともいいですねぇ。
ひさびさに本気で泣かされました。ちょっとウルッなんてもんじゃありましぇん。一瞬スクリーンが見えなくなったホドです。「あれ?ドコ ドコ?」ってスクリーン探しましたもん。(笑)
もっともこの映画は、主人公が49歳の中間管理職ということもあり、観客の年齢層を選びそうなところもややありますが、そんなに歳はとっていないこっちゃんでもスッカリ謙サマ演じる佐伯役にハマる事ができました。
何だかね、彼の”仕事ぶり”を観ていると「あぁ。これわかるなぁぁぁ・・・」なんて思っちゃう場面もあちこちに。だから余計に他人事としてあっさり流せないホド気持ちがこの映画の中に入り込んでしまったのでしょうね。
そのセリフのひとつひとつに偽りではない”重み”が感じられます。演技に「自然さ」を通り越した”現実”を実感します。正直、今まで観た映画の中で「忘れていくことの恐怖」を一番肌で感じ取れた映画でした。
どーしても言っておきたいのは、この映画の演出の良さ。特に前半部分の病気の症状が顕著に現れ始め精神的に追い込まれて行くところは、こっちゃんのストライクゾーンにビシッと来ました。
どうして堤カントクは「こっちゃんの好み」を知っていたのでしょうか?不思議です。ヾ(・ω・o) ォィォィ
あの「渋谷で迷うシーン」なんか、妙に緊迫しちゃいましたもんね。見慣れた街並みが、まるで初めて踏み入れた場所のように牙を剥(む)き、自分に襲い掛かってくるかようなあの迫力。このあたりはまるでサスペンスを観ているかのような気分にさせられましたよ。
他にも部下の顔がまるで別人にスリ替わったり、そこにいるはずの無い妻や娘、そして自分自身に出会ったりするシーンが要所要所で差し込まれ、主人公本人が”今まさに感じている感情”を実に巧みに”視覚”として再現してくれます。上手いですね。
ただ人によっては、もしかするとこのヘンを”過剰演出”に感じる人がいるかもしれません。
こっちゃんの場合は「むしろ古臭いイメージを払拭してくれたな」という風に好感が持てましたけどね。
主人公の陥った心境が本当に良く伝わってきましたよ。
樋口さんがおっしゃってましたが、今回のこの映画は”順撮(じゅんどり)”されたそうですね。つまり映画の時間の流れに合わせて撮影が進められたということ。その度 機材や人を移動し撮影場所をあちこち移すのですから、これは中々時間的にもコスト的にもキツかったでしょうね。苦労が伺えます。
しかし、この映画にとって「それが必要だった」というのは、いざ観てみるとハッキリ分かります。こっちゃんは病気の進行具合が妙に生々しく感じてしまいました。
特に「(精神的に追い込まれてゆく主人公の役作りのため)減量をチョット頑張ってみました。」という渡辺謙サマの姿は、シーンを追うごとにやつれて行くのがハッキリと解ります。(ただしこの病気が必ずしも痩せるということではないとはご本人もおっしゃってました。あくまで”役作り”の上の話です。)
実際に目にした謙サマは やはりその映画のままのイメージで、「あ、痩せてる」と言うのが第一印象でしたからね。撮影現場では「毎朝、堤カントクとのディスカンションの繰り返しだった」そうです。
また「撮影を追うごとに、”その日考えなければならないコト”が増えて行った」ともおっしゃってました。
同行された樋口さんも「その日その日で生まれた台詞の多い映画でした」ということで、この「明日の記憶」という映画は脚本の中に納まりきらず 本当の意味で”生きている映画”として完成を迎えたのですね。
この映画。こっちゃん的にはとてもオススメです。
今まで観てきた”記憶系”をあえて振り返るならば、「きみに読む物語」「50回目のファーストキス」「私の頭の中の消しゴム」「博士の愛した数式」などなど、数々の良い作品が頭に思い浮かぶのですが、この映画はそのどれとも違います。もちろん「フォーガットン」などと比べるのはもはや論外。(笑)お話になりません。
「明日の記憶」はそのどれよりも”直球”に近い球を投げ込んでくる映画と言えるでしょうね。それだけに心で受け止めるコトが出来た人は心地良さを十分に満喫できると思います。
もっとも逆を言っちゃえば「それじゃあツマラナイ」という人もいそうだなという部分ではありますが。
更に、この病気に携わるエキスパートの皆さんや、実際にこの病気を家族にお持ちの方が観た時には、その評価は一層厳しくなるのかもしれません。
でも、こっちゃんはモロ前者の”満喫派”です。
「現実過ぎず、ドラマ過ぎず」そんなホド良いバランス感を感じることが出来ました。そして大いに泣き、大いに感動し、暖かい気持ちになりラストを迎えることができました。
「若年性アルツハイマー」というこの病気を「受け止め」、妻と一緒に「闘い」、そしてともに「老いてゆく」...
後半はちょっとマッタリ感も出ますが、とても良い印象の残る優しい映画でしたね。名場面、名台詞、名演技がとても多い映画です。音楽も とても柔らかく、優しく、暖かい。ホント良いですね。
配役も手を抜きませんね。役相応の良いキャスティングに感じました。脇役の香川照之さんなんか、もぅメチャメチャ良かったですよ。
あの「電話」で・・・一気に泣かせます。
ところで.....こんな名優(もはや珍優?)も出てました。
良いですネェ、大滝秀治さん。この映画では焼き物のエロジジイ師匠役で出てきたりますが、大声で歌を唄うシーンで、歌詞の「パラダイス」を「ぱだらいす」と間違えちゃったりして、ひやひやさせてくれます。
どう見たって謙サマよりもコチラの方がアルツハイマー的でしょ。(笑)
でも、まだまだお元気そうで何よりでした。ハイ。
《2006.08.16記事一部改訂》
って、程度の作品だったけど、機会あれば劇場にいってみようかな?
もう、ハズレ確定だしね。
(´▽`*)アハハ
やっぱり映画を観ながら?それとも、まだ冷蔵庫?
って、どうでもいい?(^ω^;
ナマ謙さんを見たかぁ~。
いいなぁ、そういう試写会はやっぱ。
映画も面白くなるさ、そりゃ。
お、大滝秀治は来なかったのか?
やっぱり心のどこかにはしまっておきたいですからね。
強制的に取り上げられるってとてもツライだろうなぁと思いますね・・・。
こういう映画は多分見ながら泣いちゃうと思うので
DVDが出たらお家で1人で見ますね。
ティッシュの箱も準備して(笑)
あ、大滝秀治はボケてるのか天然ボケなのか
あの微妙さがいいんでしょう
順撮りだって聞いたときから出来がいいと思ってました。
ナマ謙さんは痩せてるよね。
と思ってたんだけど、
予告を観たら案外良さ気かな?に変わって
こっちゃんの記事でかなり良さ気に変わりました~♪
ってヤクルト400本(だから違うって?)
の賄賂に屈したのかしらん?(´▽`*)アハハ
おお。試写会応募したんだね。
ハズレちゃったのかい?そうかい。
コレどうかなぁ?
mくんの♡をキャッチできるかなぁ?
くまたんはもう一歩って感じだったみたいだよ。
専門職の意見はきびちぃです
▼かぶろぐさんへ
ヤクルトは、この写真を撮った後飲みましたよ♪
ってそんなコト知ってどーするんだ?
試写会はね、こんなビックリ!があるから良いですよ。
全体の1割くらいは舞台挨拶があるような気がするなぁ。
秀ジィはね・・・来るわけないでしょっ{
/hiyo_ang1/}
▼Anvilさんへ
そうですね。消したい記憶もありますよね。
Anvilさんもいっぱいお持ちなんですね。
そうですか。
これ以上は聞きません(笑)
この映画、別に無理に泣かなくてもいいでしょうけどね、
泣きたい気持ちになったら自然と涙は出てきますよ。
「悲しい涙」よりも「暖かい涙」の多かった映画です。
ぜひ一人でコッソリ観てね。
秀じぃはカンペキに本気ボケだと思います
▼はんなさんへ
これ期待してたんですね。
ダレもが感じる身近な恐怖が中心にはなりますが、
嬉しかったり、暖かかったりする気持ちになりますよ。
ナマ謙さんはほんと痩せてました。
でも映画初主演、しかもエグゼクティブ・プロデューサーもされてるというだけあって
かなり力が入っている様子でした。
目がギラギラしていてとても勢いを感じました。
サービス精神も旺盛な方で会場を後にする間際まで
しっかりと腰を90度にまげて一礼してくれましたよ。
良い俳優さんですね
▼miyuさんへ
ヤクルト400本の賄賂に屈した?
ええ、そう思って頂いて結構です。
・・・ってだから400本やないって(笑)
内容も「またか?」って感じだし、
キャストも「どうでしょう?」って感じかもしれませんが
観てみると要所要所に登場する人が実に良くハマっています。
音楽も
優しくて暖かくて良いですよ。
好きですね。
ただ、ダーゲットは割と高年齢の方向けだとは感じました。
miyuさんはどうかなぁ?
しかもサプライズなんて凄いですね~そりゃ感激ですよね。
ヤクルトかぁ、謙さん、コマーシャルに出てるものね。(笑)
さて、この映画、ご存知の通り、謙さんと同年代の私は非常に気になりつつちょっと怖くて観られるかな~と思ってました。
新聞でもこの映画のことは「若年性アルツハイマー」の記事と共に読んだのですが、普通の老人性認知症にはまだ間があるものの、「若年性」となると我々世代からターゲットに入ってるんですよね。^^;
でもやっぱり正面から受け止めなくてはいけない問題だし、こっちゃんの感想読んだら観たくなりました!
観賞後も暖かい気持ちになるみたいだし予定表にチェック入れるかな~(笑)
ほんと生ケンは感激でしたよ~
これきっとchoroさん向きだと思います。
別に泣こうと思わなくて良いですから
もし興味があればご覧になってはいかがでしょうか?
「若年性アルツハイマー」は身近な恐怖として誰の周りにも存在しているのですね。
確かに怖い話ですが、それだけで終わらない温かみのある映画です。
(といっても解決もしないのですが・・・)
ストレートな映画でしたが、楽しめましたよ。
謙さん、映画初主演というのは何だか意外な気がしますね
号泣しちゃいそうだな。
キャストでは陶芸のノリさんがちょっと心配なんですが。
違和感はなかったですか?
こっちゃん的には「海の猿」よりこちらをオススメします。
号泣までは行かないかもしれませんが
ジワッジワッときますよ、これ。
ノリさん、演技は軽~く感じましたけど
役どころはとっても大切な役でしたよ。
違和感・・・ちょっとだけあったかな?
こっちゃん的には、他の役者サンの方が良かった。
「演技」がどうこうってコトじゃなくて、
出てくるたびどーしてもノリさんにしか見えないから。
役として観れないんですよねー。
こっちゃんだけかも知れないけど。
でも、別にダメってことまでは行かなかったですよ