神戸RANDOM句会

シニアの俳句仲間の吟行・句会、俳句紀行、句集などを記録する。

2004=どんぐりの庭/見水

2013-02-11 | 句集
どんぐりの庭=見水





(薫風の章)
風も樹もミミズもボッティチェリの春 
路地ぬけて人もツバメも風になる   
そよ風に消えるいら立ちシャボン玉  
きぬさやが大豊作の三四日      
もえあがる木もれ陽の中ペダルこぐ  
夏服のメイとサツキが走り去る    

(夏雲の章)
雲さわぐ天に夏の木茂りあがる    
竹林の果てにもそよぐ夏草あり    
ただいまと麦藁を脱ぐまっ赤な子   
水遊び習った歌を鼻唄に       
虹景色ヒロヤマガタの絵のような   
ふるさとの島宿題に描いた夏     

(草原の章)
八月の馬なでてゆく草嵐       
振り向けば二万世紀を抜けた夏    
火の国をゆく八月の馬となり     
照る月のやたら眩しき熱帯夜     
芝刈って暮れる時間を愛おしむ    
夏草にふと秋の空見つけたり     

(黄落の章)
ほっとして枝豆の皮山に盛る     
実を付けた樹々さわさわと秋日和   
障子貼る小さな秋の陽だまりに    
冬近し粟生方面はお乗り換え     
寒さ沁む乗換駅の看板字       
落ち葉散るどんぐりの庭種を蒔く   

(ゴッホ断章)
空蒼くカラス群れ飛ぶ麦の秋     
銃声に身起こす農夫汗を拭き     
兄危篤爪噛む弟夏列車        
兄弟の墓に降り積む青い雪      
薪赫赫手紙の束を読む暖炉      
屋根裏の絵に南仏の夏の風 




栗ノ木谷に住んで


「神戸のアラスカやで」さんざん脅かされて旧地名・字栗ノ木谷の外構・植栽付住宅に移り住んで十七年になる。

マンションが建つまでは三田の有馬富士が望めた。雪が降れば庭の雪を集めて子供と大きなかまくらを作った。一週間解けなかった。震災後は都会化が進んだためか、雪も降らずツララもできない。

 柊や山茶花だけではすき間が多いので夾竹桃や金木犀を植え、また「となりのトトロ」をまねて公園で拾ったどんぐりを蒔いたら、本当に檪の林になってしまった。

二、三本残したが家を覆う巨木になりつつある。風や鳥が種を運んで勝手に生えた木も、いい感じならそのままにし、毎年たわわに実る柿の木あり、虫食い葉だらけの葡萄棚あり、アスパラ畑あり、プロの植木屋が見たらとんでもない雑木の庭だが、日々元気をくれる庭である。

 僕の稚拙な俳句は、わがどんぐりの庭に種が運ばれて自生した木々のようなものです。(2004)
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