神戸RANDOM句会

シニアの俳句仲間の吟行・句会、俳句紀行、句集などを記録する。

2008 美作ほたる句会

2013-05-04 | 吟行句会
美作ほたる句会 2008




美作蛍狩


「私の岡山の家に蛍見物に来られませんか」とつきひさんからお誘いいただいて、虫籠に入った蛍しか見たことのなかった私は、6月下旬の蛍のシーズンを心待ちにしていました。 ところが、今年は5月下旬から飛び始めたということで、6月7日(土)~8日(日)にかけてつきひさんの岡山のお家(岡山県美作市中山)に行ってきました。

メンバーはつきひさん、どんぐりさん、ひかりさんと私の4人で、どんぐりさんの車に乗せてもらい午後1時に明石を出発。

1時間半ほどでつきひ邸に到着。つきひさんは定年後、神戸で女子大の教授をしておられますが、10年前に実家の近くに家を新築、現在はセカンドハウスとなっています。

山間に造成された宅地に少し空き地を残して15軒ほどの家が建っている一角の平屋建てのお家です。
門から玄関まで、所狭しと草花が咲き乱れていて、つきひさんらしいなと思いました。

お茶を飲んで休憩したあと庭の植物を見せてもらいましたが、次々説明されても私には何が何だかさっぱり分かリません。でもどんぐりさんや特にひかりさんはよく知っておられるのでびっくり。

ご近所の方とも親しくされていて、ご近所のお庭も案内してもらいました。
みんなどうしてこんなに花の名前や生態に詳しいのでしょう。


早めの夕食を済ませて、車で30分ほどの川原で開かれている河合の蛍祭りへ出かけました。途中、福本、長福寺の重文、三重の塔を見物。

たくさんの人が集まっています。あちらこちらの山裾から出かけて来たのでしょう。

暗くなるのが遅いのでなかなか光らず、待ち遠しくてたまらなかったのですが、やがてぼんやりとついたり消えたりするのが見え、暗くなるに従い光が強くなって、あちらこちらで点滅しているのが見えました。

次に、賑やかな蛍祭りの会場を後に蛍見物の穴場の海田へ。何人か蛍狩りの先客がありました。

ここは静かな場所で、お天気が良ければ星がとてもきれいな場所だそうですが、曇り空なので見えず。祭り会場のような明かりや騒音に邪魔されず、橋の上から蛍を堪能しました。

続いて湯郷温泉に行ったのですが、温泉のお客さんが多く、警備の人がいてその辺に駐車できなかったので断念し、つきひ邸へ。

昼間ご近所の方が「ここの裏でも蛍が20匹ほど飛んでいますよ。」「何処ですか?」とつきひさん。「つきひさんのお家の裏ですよ。」「ええっ!」という会話があったので、ここが最後の会場。

ひかりさんが「蛍は8時ごろまでしか飛ばない」と言うので、大急ぎで部屋の明かりを消して裏の道へ行くと、ほんとうに20匹ほど飛んでいました。

蛍は相手を見つけると、つがいになって木陰に 消えていくように見えました。
8時を回っていたけれど間に合って良かった。
ここで、ずっと案内してくださった姪御さんにお礼を言ってお別れしました。

家に入って奥の部屋から目の前を飛んでいる蛍を眺めてみんなで大喜び。
つきひさんの感激は一入でした。

喜びもつかの間。それからが大変で、順次お風呂に入り、ワインを飲みながら夕方採った蕨などおつまみを食べながら句作り。10時半に出句締め切りという恐ろしい句会が始まりました。
                                (だっくす)
                       


illustration=mimizu

第1回 パジャマ句会


6月7日(土)午後10時ごろから
 各自、5句ずつ出句。7句選。( )の中の数字は獲得点数。
 20句中次の16句に点数が入りました。

水音にはやる心や蛍狩り ひかり (3)

 蛍祭り会場近くには川が流れ、川の瀬音がしていました。蛍には清流が必要です。蛍狩りへの期待感がよく出ています。

裏窓を開ければ蛍見ゆ暮らし だっくす(3)

 つきひさんの「勝手口出れば花野といふ暮らし」をもじりましたと作者。
 ここに家を建てて10年余りになるが蛍を見たのは今年が初めてと家主。下水道も次第に完備し農薬も減ってきた影響でしょうか。塀の外を農業用の溝が流れておりカワニナがいます。

前に行く車もやはり蛍狩 どんぐり(2)

蛍祭りの会場近くには、車が溢れて警察や消防団が交通整理をしていました。
「前に」ではなく「前を」の方がよいのでは。
   
我が狭庭奇跡起りて蛍来る つきひ(2)

 奇跡としか言い様がありません。感動です。

蛍見て帰りし庭に飛ぶ蛍 ひかり(2)
蛍の火闇となりたる一呼吸 どんぐり(2)
田の水に蛍の火の映りけり どんぐり(2)


 植田に蛍の火が映ってきれいでした。

二人ずつベンチを占めて蛍待つ ひかり(2)

 川辺のベンチはカップルが占領していました。熟女は遠慮なくベンチの端に陣取りました。

湯の郷のほたるほうたるこんばんは だっくす(2)

 「ゆのさと」というほうがいいですね。
 童謡のようで面白いです。

夜更けて蛍の宿に酌むワイン ひかり(2)

 パジャマ句会は順番にお風呂に入りながらワインなど飲みながら、全員パジャマという風変わりな句会でした。

 ちなみに締め切りは午後10時半。終了は11時半ころでした。
 蛍の宿という季題が素敵です。

明滅に一喜一憂蛍狩 つきひ(1)
蛍狩車溢れて峡の村 つきひ(1)
蛍火のふたつ並んで飛びゆけり だっくす(1)
捕まえはせぬよ蛍ここへ来い だっくす(1)
蛍待つ人とは別のイベントも つきひ(1)


 すぐ近くの会場で灯を赤々と点し賑やかなイベントが行われていました。山あいの蛍祭りの周辺は、明るく賑やかで、車も行き交うので蛍も戸惑っているようでした。

客人にゆったりと飛ぶ蛍かな つきひ(1)




illustration=mimizu

第2回 目覚まし句会


2日目 6月8日(日)晴れ 遅い朝食。
 ひかりさんは早起きして朝食前の大散歩。

6月8日(日)午前9時半ころから
 各自出句5句、選句7句、特選には1点追加。◎特選
 ひーひかり どーどんぐり だーだっくす つーつきひ
 夕べの第1回句会に比べて全員、落ち着いた佳句が増えています。

  ひかり作品

山荘の遅き朝餉や時鳥  つ◎(2)
老鶯や引き返すほかなき山路  (2)
庭案内するかに蜥蜴また現れぬ  (1)
はらはらと更紗うつぎのこぼれけり (2)


山深き蛍まつりの会場へ

  どんぐり作品

壷に挿して時にさゆれし青芒  (1)
十年を住み家裏の初蛍  (2)
別荘の夏うぐいすに目覚めけり  (2)
難病を打ち勝ち友と蛍狩  (1)

「難病に」としては。

朝食はビュッフエスタイル時鳥  (3)

  だっくす作品

今摘みし夏の蕨をお浸しに  ひ◎(4)
明易や朝食前の大散歩  ど◎(3)


「大」がちょっと気になります

朝陽まぶし夕べ蛍の舞ひし庭

「まぶし」は、「さす」位にしては。 

目覚ましは老鴬の声里の家
採り活けし更紗うつぎの可憐さよ


  つきひ作品

点滅は蛍のことば闇深し  (3)
老鴬や苦吟半分楽しみて
匂ひ淡き八重の十薬賜りし  (1)
わが敷地蛍飛ぶとは群れるとは  だ◎(3)
ほうたるや番となりて森に入る  (2)




illustration=mimizu


第3回 午後のお茶句会



6月8日(日)目覚まし句会後、車で湯郷の町へ、まず、菖蒲入りの足湯に浸る。町を歩いて温泉神社へ。町が俯瞰出来る大山(おおやま)へ車で登る。展望台付近に夏蕨が沢山あり蕨狩りを楽しむ。下山後、Ksガーデンでパスタの昼食。中山で午後のお茶。その後、第3回句会。第2回より更に充実した作品が出句されました。

6月8日(日)午後2時ごろから
( )内は作者名、ひ=ひかり ど=どんぐり だ=だっくす つ=つきひ
特選句は◎

  ひかり選


◎昨日今日夏うぐいすの音に浸る(だ)
足跡の大きく残る植田かな(ど)
目の前の植田にカーブ切りにけり(つ)
梅雨曇足湯にしばし心おき(ど)
鬼灯の花葉隠れに白々と(つ)
蕨狩そこここあそこ指図され(ど)
梅雨の旅熟女四人は晴れ女(だ)


 《おしゃべり》
・足湯のこと、句にするのすっかり忘れてたわ
・蕨採りは楽しかった
・自分で採らずにひかりさんやどんぐりさんに指図してた
・「四人は」はを取って「よったり」と詠む方がよいのでは
・その方が説明的でなくなるしね
・夏うぐいすの句はこのとおりの情景だった。(満点句)
・昨日今日と言う言い方が上手い
・音はなくてもよいのでは


  どんぐり選

パスタ食ぶ花ぎぼしあるレストラン(つ)
隣り合ふ植田代田に風通ふ(ひ)
夏わらびありて山荘賑やかに(つ)
鬼灯の花葉隠れに白々と(つ)
昨日今日夏うぐいすの音に浸る(だ)
◎俯瞰する足もとにあり夏わらび(つ)
菖蒲湯の旅の足湯に寛ぎぬ(ひ)


  《おしゃべり》
・俯瞰の句、遠近が出ている。山上で遠くばかり見ていて足元の蕨に気が付かなかった 
・植田代田と重ねたところがよい。(満点句)
・気持ちよく風が渡っている様子が出ている


  だっくす選

蕨狩そこここあそこ指図され(ど)
登り行く九十九折の七変化(ど)
◎隣り合ふ植田代田に風通ふ(ひ)
足跡の大きく残る植田かな(ど)
梅雨曇足湯にしばし心おき(ど)
目の前の植田にカーブ切りにけり(つ)
夏蕨採りもし展望台下る(ひ)


  《おしゃべり》
・九十九折はくじゅうくせつと読むと作者。
・紫陽花といわず七変化と数字を使っている工夫がすばらしい。

  つきひ選

夏蕨採りもし展望台下る(ひ)
麓から紫陽花の道途切れなく(だ)
薔薇アーチ潜り遅めのランチとる(ひ)
昨日今日夏うぐいすの音に浸る(だ)
◎菖蒲湯の旅の足湯に寛ぎぬ(ひ)
藤の実や閉ざされしまま資料館(ど)
隣り合ふ植田代田に風通ふ(ひ)


  《おしゃべり》
・パンストのまま、足湯しました(失礼)。気持ちよかったです。菖蒲が入れてあり、季節感があった。
・雨を心配したが、岡山は未だ梅雨に入ってなく2日間、晴天でした。まさに熟女晴れでした。

最終成績  
氏名 第1回  第2回  第3回  合計点

ひかり  9……  7…… 10…… 26
どんぐり  6……  9……  8…… 23
だっくす  7……  7……  6…… 20
つきひ  6……  9……  8…… 23

ひかりさん優勝!おめでとうございました。皆様お疲れ様でした。どんぐりさん運転有難うございました。
24時間に3回も句会を強行し罰せられそうですが、私はとても楽しかったです。何よりも主役の蛍が飛んでくれてよかったです。3回の句会をまとめてみました。点数計算などは東京出張のとき、新幹線の中でしました。一句一句の風景が鮮やかに甦ってきました。
                         (つきひ)

参加者からのコメント

・子供の頃笹の葉を振り回し、蛍を採った思い出が甦りました。
蚊帳の中に放し、暗闇の中に光る蛍を不思議に思いながら、眠ったものです。

・念願の蛍を堪能させていただきました。蛍祭り、蛍の穴場、亜紀邸での蛍見物。蛍三昧の夢のような夜でした。

・鶯やホトトギスの声に包まれたお家で、少し歩くと蕨が採れたりして、大自然の中で贅沢な時間を過ごせました。

・つきひさんが採りたての蕨を、さっと料理して下さったのがとても美味しかったです。

・句会3回には驚きましたが、曲りなりにも俳句といえそうなものが何句かできた喜びも味わえ、本当に楽しい2日間でした。

・どんぐりさんが車を出してくださったので、短時間で盛りだくさんなことができました。










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