神戸RANDOM句会

シニアの俳句仲間の吟行・句会、俳句紀行、句集などを記録する。

2004=春 愁・かをる

2013-02-11 | 句集
春 愁=かをる  



足先にまとわりつける余寒かな    
春愁や少し濃い目の珈琲を      
春愁や汝の心のうらおもて      
春一番ガイドは声を高らかに     
朱木蓮二階の窓の白障子       
ダンプカー停めて昼餉や花の土手   
土手守る如き老桜散りそめし     
真っ先に晴れ間抜け来る夏燕     
出港を待つ異国船風光る       
捩花にひとつひとつのねじれかな  

 
たじろがぬ強き西日に凌霄花     
大夕焼けジャンケンをして子等帰る  
子に教へる鬼灯笛の作り方      
山荘は蝉時雨せる中に閉ず      
外孫も内孫も居て秋祭り       
一と駅の間をつるべ落としかな    
土地の芋買ひし笑顔の農婦より    
裏参道日箭さすところ紅葉濃し    
おにぎりを持って二人の秋惜しむ   
寝て居たる児を抱きて来し村祭り 

  
ローカルの電車しずかに秋の暮れ   
冬の田を犬一匹が横切りぬ      
冬日射すホームはいつも向かい側   
乾ききったる音のして落ち葉踏む   
おびんづる撫でれば寒さまさりをり  
古色なる三重の塔山眠る       
宝物殿深閑として京の冷え      
冬の海鈍き光を返へしけり      
海越えてもう明けたかと初電話  
朝寒や脈看る指を暖めて





俳句との出合い


 
 俳句への思いを強くしたのは二十五年も前でしょうか。仕事で、在宅療養をしている方々を家庭訪問している頃に二つの出会いがありました。

 一つ目は、難病でベッドから動けない奥様をご主人がかいがいしく介護しておられる仲の良い五十代のご夫婦との出会いです。

 お二人の共通の趣味は俳句。奥様はベッド上から見える庭の草花や景色、部屋に入ってくる空気や音や匂い、身動きが出来ない限られた空間の中で全身で季節を感じ作句をしておられる姿。それをやさしくサポートしているご主人の心配りに強い感動がありました。

奥様は揮毫を「助舟」さんと言われ、亡くなられる頃の句に『四日はや樂ながし来る塵芥車』という句があります。全身を目にし耳にして正月の三が日が過ぎたことを感じておられるのだと思った覚えがあります。

 二つ目は、お姑さんの介護をしているお嫁さんが、介護の厳しさ辛さを句に詠んでおられました。初めて『生き御霊』という言葉を知りました。「俳句があってやっと自分の気持ちを支えていける。」と話されたことを思い出します。

 たった十七文字ですが、大きな奥深い働きをするのですね。
 その頃から私も少しずつ句を作るようになりました。(2004)
『俳句』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 2004=土 鈴・だっくす | トップ | 2004=花 筏・さくら »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

句集」カテゴリの最新記事