神戸RANDOM句会

シニアの俳句仲間の吟行・句会、俳句紀行、句集などを記録する。

2003=篠山<陶・俳>紀行 その2・かをる

2013-02-14 | 吟行句会
好き勝手探訪2時間半=かをる





 夏の風が心地よい土曜日、私達一行9人は三宮から篠山行き特急バスに乗り込みました。
 ほとんど貸し切り状態のバスに揺られながら、漫然と窓の外の青田を眺めていると、もう手帳になにやら書きとめている人を発見、この期に及んで今回の旅の目的を思い出し、心の中では慌てふためいておりました。

  丹波路のバス停ごとの青田風  つきひ

 出発から2時間、神姫バス「本篠山」終点に着き、まず、訪ねたところは篠山の文化を色濃く残している「河原町妻入商家群」。
 篠山城築城の際に造られた古い町並みで家の間口より奥行きがずっと深い"うなぎの寝床"のような商家が軒を連ねている通りです。
 この通りには、暖簾のかかった江戸時代の商家をはじめ、丹波焼きの歴史を語る丹波古陶館、能楽資料館など興味深い文化財も多く、ぜひゆっくりと散策したい場所です。
 通りの中ほどにはしっかりあがっている「ウダツ」(ウダツの上がらない人などという「ウダツ」です。)もつくられていて見逃しそうな文化財もたくさんあります。
 私達一行はというと、さっそく土産物屋をひやかして冷たいお茶をご馳走になったり、試食をつまんだり最初からのんびりムードで、タイムキーパーの播町さんをヤキモキさせていました。
 この辺り休憩所や公園などきれいに掃き清められて、町を守り大切している地元の皆さん気持ちが伝わってくるような気がしました。

  ここでまず全員の集合写真。梅雨明けの青空の下、白の漆喰で塗られた格子壁を背景に真っ赤なフォルクスワーゲン車そして古丹波焼の大壺、「ウーン、一句できそうで出来ない!」心を後に残して次に篠山城に向かって動き出しました。

  篠山の妻入商家麻のれん   だっくす

 道路を横切ってすぐ、「ここ、ここだよ」という稲村さんの声。なんと稲村さんは大学時代の4年間、篠山町で下宿しておられたことがあり、39年前のことだそうです。
 目の前のその場所は、今はまったく屋敷跡もなく草が生い茂り、木が1本目印のように残っているだけでありました。 

 その木の前に佇んでいる稲村さんを見て、すかさず、ろまん亭さんが"夏草や 若者どもが 夢の跡"と。あまりにも絶妙の盗作に思わずみんなで苦笑い、みんな同じ思いだったのでしょう。私はというとタイミングがずれて、また句は作れずじまいでした。
 その後も稲村さんの回想は続きます。「ここは、魚屋だったなア」「この角を曲がったら・・・・」「あそこのおばあちゃんも、もうおられんわな」(それはそうでしょう。今のあなたがその時のおばあちゃんの年ですもの。)
 レトロな城下町の小道には初夏の涼やかな風が吹いていました。

  夏草や下宿時代の人思う  稲村

 思い出に浸りながら篠山城址のお濠を曲がると突然、聞こえて来たのはクラリネットの音。夏休みに入ったばかりのブラスバンド部の練習のようです。
 城壁に点在する朱色の鬼百合、篠山中学校の少し古びた校舎を背景にセミしぐれと風に揺れる柳。むか~しの白黒フィルムの青春映画の風景です。
 そして往年の若き男女の一群が通り過ぎて行きました。(誰かの声がしました。「"青い山脈"だ…。」)

  城跡の古木鬼百合空の青  りっこ

 三々五々に新装なった篠山城の大書院を見学しました。

 1944年に焼失、市民の熱意で2000年3月に復元されたばかりです。入母屋造りのこけら葺きの書院で、格式のあるものだそうです。

 私達が大書院の玄関に立ったとき、梅雨明けの日を宣言するように飛行機雲がずんずんと白い線を伸ばしていくのが見えました。

  石垣を見上げたそこに飛行機雲  ろまん亭

 大書院の中は出来たばかりの装いで「虎の間」「手鞠の間」「源氏の間」「葡萄の間」「上段の間」「孔雀の間」が再現されています。
 セミ時雨を聞きながらくるっと一周りする間に、丹念に説明書を読み、しっかり句をモノにしておられる姿もありました。

(この大書院を見たいなと思われる方にオススメ。篠山市のホームページで見ることが出来ます。『ぐるーと一周風景パノラマ』で大書院をはじめ篠山の見所を詳しくバーチャル見学ができます。ホームページアドレスhttp//www.city.sasayama.hyogo.jp/)

 大書院の玄関をバックに2回目の集合写真をパチリ。これからは45分ほどの自由行動です。

  源氏の間の奥は闇の間蝉しぐれ  播町

 私たち女性群は、またお土産を買いに。お目当ての黒豆パン、アツアツの焼き餅、焼き栗の試食、黒豆の試食、そしてお喋りととても忙しいあっという間の45分でした。

 そうそう、篠山の味には『鯖寿司』というものもあります。篠山地方では秋の祭りになくてはならないものです。丹波の祭りでは『鯖街道』が再現されたりしています。
 今では一年中商店街の数軒の店で売られており、私は篠山に来るたびに1本買って帰ることにしています。

  黒豆パンうふふ!小さき夏の旅  さくら

 最後に明治・大正時代の代表的な洋風建築の観光案内所・大正ロマン館で一休み。ピアノの生演奏を聴きながら、レースのカーテンを揺らしてくる風に吹かれているとノスタルジックになってきます。
 一曲終わったところでちょうど時間となり、そくさくと集合場所の「特産館ささやま」に向かいました。

 この間、思い出を掘り当てた稲村さんは、自転車を借りて母校や、昔の懐かしい場所をずっと一回りしてこられたそうです。さすがですね。その行動力はまだまだ健在です。

 懐かしさとロマンと郷愁と句の出来なかった不安をごちゃ混ぜに乗せて昼食の「花の木」に向かいました。

  梅雨晴れの風に押されてロマン館  楽水

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