二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

見えないところにも手を入れる。

2017-05-17 10:51:13 | ■工房便り 総合 
というのは、日本のもの造りとしての矜持とされてきていましたね。

例えば抽斗の裏、あるいは底、

底は、昔の抽斗はべた底が多かったので、まあ滑りのことを考えると当たり前といえば当たり前なのです。

かといってぴかぴかに磨いてしまうと、今度は湿気で張り付いて、滑らなくなったりもします。

見た目を重要視するあまり、そんな家具もありました。

さて、二胡です。

二胡に見えないところというのは、3か所あります。

一つは、木軸の刺さっている、棹の穴、

もう一つは、胴の中。

私の作った二胡は、内部が荒らしてありますし弾きながら、手を入れますので、

よく中国の専門家たちには、汚いと言われたことがあります。

ところが、中国琵琶なども、内部は相当荒れています、

その内部を荒らす、そして見えないところにもというのの究極の一つが、



これは綾杉彫り(アヤスギボリ)といいます。さらに進化した子持綾杉彫りなどというのまであるのが、

和楽器です。

三味線や、日本の琴の胴の中ですね。

もしかしたら、胡弓の胴の中もそうかもしれません。

中国の古筝や琵琶なども、内部は相当荒れています、彫ってあるのです。

この綾杉彫りほど精緻なことではありませんが、かなり乱雑にあえて、手を入れていますが、

見えないので手を抜いたという事ではありません。

二胡の場合、内部が見えます、

後ろからのぞくと、花窓を通すと少しは見えます。

それほど彫ってあるという事ではないような、まあざっと仕上げてるという感じですね。

しかしこのざっと仕上げてあるというのはとても大切なのです。

そのおかげで日本の楽器の綾杉彫りに近い効果を発揮しているのはご存知でしょうか。

ヴァイオリンなんかも胴の中はそれほどきれいになってはいません。

音響の効果としては、この荒らす彫りで、適度に内部の音を吸収してくれるのです。

楽器の内部をつるつるに磨いてしまうと、内部の音がワーンというように変に響きます。

整った良い音色になりにくくなります。

そうでなくとも、雑音の多い(倍音の多い)二胡ですから、かなり荒らした方が良いのです。

むしろ本当に見えないから手を抜いてあるのではない??と思えるのは、

二胡の場合ほかのところにあります。

それはまた明日。


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