二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

今までで最悪の不具合!

2017-11-13 17:40:50 | ■工房便り 総合 
たぶん、木軸がガタガタで抜いてみたら、明らかに削り損ねているのを、

無理やりチョークの粉で固定していたのなど、可愛い物だったのだと。

私が今、目の前にしている楽器は、

もしかしたら、購入した時にすでに皮に亀裂が入っていた!

というのと同じくらいの不具合かもしれません。

または木軸に亀裂が入っていて、なおかつそこに弦が絡まってしまい動かなくなった、

などというのと同じくらいかもしれません。

皆さんこれ、こんな状態の楽器を買いますか?

あるいは売る人が、

駄目になることをわかっていて売る、という人がいる、というの信じられますか。

たぶん信じられないでしょうね。先生が勧めてくれるのだから、と思ったとたん、

人はそこに安心と信頼とを壊すまいと思う気持ちもあり、

こんな楽器に、文句も言わないで使っている人もたくさんいます。

二胡の知識もだいぶ広まり、かつては先生から購入するきりなかったのが、

今では本場に行って購入したり、あるいは信頼できそうな日本の楽器屋さんを通したりもできるようになってきています。

が、いくらかの国と交渉しても、良いものなど、相当な金額を積まない限り

日本には入ってこないのを承知している人が、二胡の販売をやっているのです。

そこで致し方なく、ある工房と提携してかなりの量を買わざるを得なくとも、

何とか平均レベルの楽器を日本に仕入れようという会社もあります。

やっとここまで来たのです。

私もかなり声を大にしていろいろ言ってきたつもりですが、

各地の二胡弾きさんたちに伝わっているわけではないというのは、改めてよくわかりました。

弦が引っかかったり、木軸が回らなくなったり、

音が悪くなったり、

そんなことが実際に起きてから、皆さん光舜堂にいらっしゃいます。

普通こういう場合、私は消費者センターを勧めます。

あるいはきちんと先生に、私から伝えましょうかと、提案したりもします。

でもほとんどの、というより、全部のお客様が、

先生との関係悪くしたくないと、私が修理することになります。

光舜堂に払う費用、余分な費用ですよね。

私にしても、木でできている限り仕方ない、修理というのは喜んで引き受けます。

落としたり、経年変化で割れたり、

弾き込んできたので皮の交換、

そうそう昨日はうれしいご依頼がありました。

いつもは使っていない楽器があるけれど良いものだし、低音二胡に皮張り替えてください。

「全部お任せします!」

こう言われると、職人根性丸出しで、張り切りますね。

でも、明らかに不具合のある物を売ってしまう。

それも、かなり名の通った、むしろ著名な、人がですよ。

まあ商売上、固定千斤が良いものだと言い切ってしまったり、

明らかに高いのをわかって売っているなどというのは、これは買う方にも納得するところがあるので、

私がとやかく言う事ではないですかね??

あの先生に習いたい、あの著名な人に直接習えるというのは、

教わるほうもうれしいものです。

有名なスポーツ選手のグッズ販売などと変わりはないのでしょう。

しかし中国でも楽器商として名前の通っているような人が、なんで、

こんな小さな商売で、解っていて不具合のあるもの販売するのか?

そこまでしてきたからこそ、あれだけの商売人になれるのだと、

今回つくづく思いました。

私は駄目ですね!

まあこれだけです!

こうやって皆さん騙されてきたのかもしれないのです。

でもここまでのことはなかったですし。

何とかちょこっと手を入れれば、皆さんお持ちのどんな二胡でも良い音になるのは、

光舜堂にいらして、調整を受けたことのある人はお解りだと思います。

でも、日本は、植民地ではないのです。

帝国主義の時代はもう終わっているというのがわかっていないのでしょう。

でもまだまだその人々を虐げてボロもうけするというのが、抜け出せないのでしょう。

サピエンス全史を読んでいて、もう世界は統一体にグローバルに、というのは、

つくづく間違いだなとは思っていたのですが、(あれは帝国主義を通じて人々を虐げて来、大変な暴利をむさぼってきた結果。世の中の趨勢から、
帝国主義を放棄せざるを得なくなったヨーロッパの人々の考えでしょう)

、、、と話が飛びました。

毎週お諏訪様に御礼参りに行き、感謝するのですが、今日だけは

日本の二胡弾きさんを守ってくださいと、お願いせざるを得ない気持ちでいっぱいでした。




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