二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

一つ年をとる!

2018-01-04 12:38:55 | ■工房便り 総合 
最近一つ年を取るごとに、

余分な欲(煩悩)というのがなくなってくるのが、自分でもよくわかります。

若いころはそれこそ、人様に比べて何か取り柄があったわけでもなく、

訳も分からず、思い だけで突っ走りまして、

さんざん人様にご迷惑をおかけしてきています。

何の能力もなく、ただ 思いというのは、単なる自己主張でしかなく、

そんな自己主張をするたびに、人様にご迷惑をかけてきたような気がします。

最近若い人たちを見ていると余計にそのことが実感されます。

私の周りにもたまたま才能があって、それ才能の主張が叶っている人さえ、

若いという事は余分な自己主張をするものがなと、つくづく思いますし、

それが若さの特権で、私みたいな爺が同じように自己主張したら、

あのバカといわれ相手にもされないでしょうが、特権というのは、単に、

目上の人たちが見守っていてくれたのだな!だからこその、特権でしょう。

今更ながら、周りの大人たちに感謝です。

60を過ぎ、何となく一つ仕事をやり遂げたなという時期に至って、

ただたた、この二胡修理したいという思いで、始めた二胡屋です。

良い楽器とはと思い極めてこの十年作り続けてきたのも、

その間、鳴尾牧子さんや、木村ハルヨさん、あるいは桐子ちゃん峠岡君

日本人の二胡奏者の方々に作った楽器を弾いてもらい、

なかなかに厳しいご意見、あるいは注文などいただき、

すこしずつ楽器のことがわかり、良い二胡とはと、研究してきたつもりです。

やはり奏者としてのご意見というのは大変貴重なものでした、

が、、、、

その自分の二胡を造るよりはるかに多くの勉強になったのは、

この7年半、皆様の二胡3200台ほど見せていただいたことが

どれほど大きな勉強になったのかと、つくづく思います。

今私の思いはただ一つです。

日本にある二胡を健全に鳴らす、ということです。

70歳になっています。

たぶん仕事として体も気持ちも維持できるのはそう長くはないと思うのです。

あと5年10年?

出来る限りやっておきたいことは、皆さんの二胡の皮の張替えです。

皮を張り替えさえすれば、その皮の寿命の限り、10年でも15年でも、

その二胡は健全に鳴るように作り変えることができます。

材料は問いません、花梨でも紫檀でも黒檀でも、

安かろうと高かろうと、

今皆さんが抱えている何となくの不満など消し飛んでしまうように作り変えられます。

光舜堂の皮の張替えというのは、単に胴の皮だけを張り替えるのではなく、

分解したからこそできる修理というのをすべてやってしまうという事です。

古い楽器の皮を張り替えると、新しい楽器などよりはるかに良く鳴るのです。  

弾き込んできた楽器は、新しい楽器などより何倍も速く

例え皮を張りかえても良く鳴りだします。

音色も変わりません。

弾きこんできたぶんさらに音色は良く鳴るのです

たぶんこのことこそが、私の役割なのだろうなと思います。

二胡は良い楽器です、素晴らしい音色です、
その音色を皆さんが簡単に手に入れられるようにしていこうと思っています。

新年のご挨拶に替えまして、

光舜堂店主 西野和宏










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