森にすむ熊小郎と妖精たち

多種多頭で動物三昧の悲喜交々を綴ります

古い日記帳

2016-11-12 08:42:03 | 父の話し
今日11月12日は父の祥月命日です
平成19年11月12日に享年81歳の生涯を終えました
その日から9年が経ち、もし生きていれば今日90歳の誕生日を迎えていたはずです
父は誕生日と命日が同じ日となりました
今思っても、本当に珍しい事と驚いています
今日は父の遺品に想いを馳せてみました

父の日記帳が出てきました
今から70年前で、父が20歳の時に書いた日記です


「於もひ出の記」と父の字で書かれていて、この表紙をかけたと初日には書いてあります
1ページ目を開くと


「気は長く勤めは固く色うすく 食細くして心ひろかれ」と書かれています
なるほどなぁ〜と、二十歳にしてこの悟りは立派ですね
この年の昭和20年8月15日が終戦の日でした


日記の初日です
昭和二十年十月二十四日 水曜日 天気 晴朗なれ共風寒し
とあり、この日は永遠に記念すべき日なり 何故なれば自分が日記をつけ始めた日なればなり
「ゆっくり急げ」と上の段に書かれています
このゆっくり急げとは、ヨーロッパで古くから用いられている格言のようで、良い結果により早く至るためにはゆっくり行くのが良い、という意味です
近年ではバラク・オバマ大統領がこの言葉を愛好している事を知りました

下の段には一日の出来事が書かれていて、最後に 就寝十時 どんちゃん と書いています (どんちゃんってなんだろう?)

そして、その年の12月31日には


二度とめぐりこぬ二十才よさらば 昭和二十年よさようなら
と上の段に書いて下には
「二十才よ いくばくの楽しみもなく 数枚のカレンダーを残して
やがて過ぎゆくであろう 三百六十五日 あわただしく悲喜哀楽にあけくれ
このごろ 美をいくつ かさねしことよ しるよしもなし
わが二十才よ ゆく二十一才 青春はゆきてはかなく 胸深く芥つもる」
と記していて
年が明けて1月1日には


「身の程を知る」此れを自分の今年の目標としよう
「一日一字を記さば一年の中三百六十字を得 一夜一時を怠らば百才の間
三萬六千時を失う」と書かれています

そして日記を書き始めて、5ヶ月後の3月22日には


「毎日を続けて書けば面白く さぼればいやなこの日記帳
いやいやにいやを続けて過ごしつつ いやな一日 いやで去りゆく」と書かれています

私は笑ってしまいました
そして最後に表紙の裏には


「若き日の於も比で また楽しあらずや」で終わっています
他の人の日記は見るものではありませんが、今から70年もの前に書かれたものとなれば当時の生活の様子が浮かんできて、とても貴重な物となりました
改めて、父の物持ちの良さに感心させられています

今の言葉で終活として自分の終いの整理をする事がありますが、やり過ぎが流行るともしかして才能のある画家や作家の作品がこの世に遺る事は無くなる気がしています

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