伊藤計劃 著
虐殺器官を読んだ。
読む前に知っている事は、
作者はもう居ない、という事。
常々思うんだけど、
小説というものは今ここに在る一冊、
要するに書かれている内容だけで
評価されるべきだと思う。
・・・し、僕はそうやって本を読んできた。
さて、
僕は一人称小説は好きな方だ。
この小説、前半はなかなか話が進まない。
一人称の独白的進行が仇となる程に。
全体に渡って母親の死の選択のくだりが
事ある毎に繰り返され正直かったるい。
その割に他の部分の薄さ浅さが目立つ。
もしかしたらこれは対照表現なのかな。
全般に於いて状況説明に引用が多いのは残念。
僕は引用=作者の力量不足と考えている。
結局その情景は読書にネットを漁らせる事になるから。(僕のキライな第三者介入)
細々としたSF小道具は
やはりどこかで読んだものばかりで
しかも浅い。
リミックスはもうこの時代、仕方ないんだろうな。
・・・うーん、と。
小説、取り分けSF小説で大切なのは
ずばり「何か新しい事」や「突き抜けた何か」
じゃないだろうか。
優れた小説は皆、心に突き刺さる何かを、
例外なく持っている。
なんかこの本、薄いんだよな。
・・・と。
これは主人公がジョン・ポールを、
そしてその大量虐殺の方法の謎を追う。
そうゆう話だ。
SFミステリーっていうのかな。
だが肝心の虐殺の方法については明かされない。
読みながら・・・
ここは例え大嘘だとしても、SFなんだから
何がしか説明がないと納得いかないだろう。
でも、と。
虐殺器官というタイトル通り
ここではその方法よりも、
器官、つまり人間の脳がそれを生み出す
その事実の方が重要で、だから(頭を指差して)地獄はここに在る、という描写が何度も繰り返されるのだろうな、と。
虐殺器官とは人間、その存在自体を
指しているのか。
そう考えると
特に虐殺の文法とやらは重要事項から外れるのか
さして気にならなくなる。
なれば尚の事、この作品が持つ「広く浅く」の
部分が惜しい。
新版、的な加筆修正バージョンになれば、
とも思うが
これが一冊の本になっている事実は、
手直しの必要可能性は無いと解釈する。
小説は読み手によっても大きく違う意味を持つ。
他人の評価は当てにならない。
僕の感想は、惜しい!の一言に尽きる。
こんだけウダウダ抜かした割には。
虐殺器官を読んだ。
読む前に知っている事は、
作者はもう居ない、という事。
常々思うんだけど、
小説というものは今ここに在る一冊、
要するに書かれている内容だけで
評価されるべきだと思う。
・・・し、僕はそうやって本を読んできた。
さて、
僕は一人称小説は好きな方だ。
この小説、前半はなかなか話が進まない。
一人称の独白的進行が仇となる程に。
全体に渡って母親の死の選択のくだりが
事ある毎に繰り返され正直かったるい。
その割に他の部分の薄さ浅さが目立つ。
もしかしたらこれは対照表現なのかな。
全般に於いて状況説明に引用が多いのは残念。
僕は引用=作者の力量不足と考えている。
結局その情景は読書にネットを漁らせる事になるから。(僕のキライな第三者介入)
細々としたSF小道具は
やはりどこかで読んだものばかりで
しかも浅い。
リミックスはもうこの時代、仕方ないんだろうな。
・・・うーん、と。
小説、取り分けSF小説で大切なのは
ずばり「何か新しい事」や「突き抜けた何か」
じゃないだろうか。
優れた小説は皆、心に突き刺さる何かを、
例外なく持っている。
なんかこの本、薄いんだよな。
・・・と。
これは主人公がジョン・ポールを、
そしてその大量虐殺の方法の謎を追う。
そうゆう話だ。
SFミステリーっていうのかな。
だが肝心の虐殺の方法については明かされない。
読みながら・・・
ここは例え大嘘だとしても、SFなんだから
何がしか説明がないと納得いかないだろう。
でも、と。
虐殺器官というタイトル通り
ここではその方法よりも、
器官、つまり人間の脳がそれを生み出す
その事実の方が重要で、だから(頭を指差して)地獄はここに在る、という描写が何度も繰り返されるのだろうな、と。
虐殺器官とは人間、その存在自体を
指しているのか。
そう考えると
特に虐殺の文法とやらは重要事項から外れるのか
さして気にならなくなる。
なれば尚の事、この作品が持つ「広く浅く」の
部分が惜しい。
新版、的な加筆修正バージョンになれば、
とも思うが
これが一冊の本になっている事実は、
手直しの必要可能性は無いと解釈する。
小説は読み手によっても大きく違う意味を持つ。
他人の評価は当てにならない。
僕の感想は、惜しい!の一言に尽きる。
こんだけウダウダ抜かした割には。