木村長人(きむらながと)。皆さんとつくる地域の政治。

1964年(昭和39年)千葉生まれ。元江戸川区議(4期)。無所属。

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盆踊りと「羅生門」

2012-04-04 21:23:17 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 つい先日、興味深い話題を友人とやりとりしたので、今日はそのことを少し書きたいと思います。政策の話題ではありません。でも、政策よりも深い、もっと形而上学的な話題です。

 先週末、地元の盆踊りの準備会合がありました。地域の子ども会や青年部のメンバーらが集まり、7月に開催予定の盆踊りについて話し合いを持ちました。私もそこに参加する予定だったのですが、仕事があり、話し合いの場には間に合わず、終わりの頃に会場に顔を見せました。

 話し合われた内容は、「昨年は震災による節電問題などがあったため1日開催で行ったが、今年は従来の2日開催にするか否か」などといった点です。

 ところで、私はその盆踊りの案内状の文案作成を依頼されていました。ですので、会議の内容をある程度把握している必要があったのですが、うっかりして、会議での決定内容を参加していたメンバーから聞かずに、おっちょこちょいにもそのまま帰宅してしまいました。

 翌日、「盆踊り案内状の文案を、さて、作成しよう」と思ったのですが、はたと気づきました。「待てよ、会議で決まった内容、俺、知らないじゃん。だいたい今年は2日開催なのか、1日開催なのか、最低この点は知っている必要があるよ」と。

 そこで、私は当日参加していた青年部メンバー数人に早速、メールを同時送信しました。「先日の会議では開催日数についてどのように話し合いがもたれましたか?」と。

 興味深いことが起こったのは、この後です。順次、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんがそれぞれ、開催日数をめぐる議論の内容の返信をくれました。返事が来た順に記します。

Aさん「7月14日、15日の2日開催で正式に決定。」
Bさん「2日開催の予定だが、1日開催の可能性もある。まだ正式に決まっていない。」
Cさん「不確定要素はあるが、とりあえず対外的には2日開催でいく。」
Dさん「まだ決定していない。他の検討事項とあわせ、次回決定する予定。」

 同じ会議に出席していたメンバーに同一メールを送信して返ってきた答えですが、内容のニュアンスがそれぞれ異なります。Aさんに至っては、明確に「正式決定」と一人だけ回答しています。

 私は、最初のAさんとBさんの2人の答えがきたとき、明らかに解釈が違うので困ってしまいました。

 そして、Cさんの回答をもらったところで、何となく事情が読めてきた気がしました。とりあえず、案内状は2日開催で作成すればよさそうだということもこの時点で理解できました。

 さて、私はCさんに、お礼メールの返信の中で、「みんなの答えが微妙に違う」とコメントしました。すると、Cさん(博士号を持つ知的な方です)から「同じ事象でありながら、解釈が違う。よくあること。まさに黒澤明監督の『羅生門』。世に真理はない。」という返信メールがきました。

 さすがはCさんだと思いました。

 黒澤作品で一番有名なのはおそらく「七人の侍」なのでしょうが、この「羅生門」は日本映画が世界に知られることになった最初の作品とも言われています。しかし、それ以上に、この映画で黒澤が用いた方法論が非常に後世の映画に大きな影響を与えたと言われています。「羅生門」はそんな作品でもあります。

 「羅生門」では殺人をめぐる証言が人によって異なる様を描き、真実なるものの追求が結局は解釈であることを描き出しており、この方法論を「羅生門メソッド」と言うそうです(浜野保樹『模倣される日本』2005年)。

 盆踊りの会議の内容を確認しようとしたら、それぞれの参加者から異なるニュアンスの解説が届けられたわけです。この現象はまさに「羅生門」を地で行くものでした。

 確かに、「羅生門」現象はよくあることかもしれません。交通事故の検証において、被害者と加害者が「青信号だった」「いや、赤信号だった」と言い合う事例は、まさに「羅生門」そのものです。映画「羅生門」の場合はもちろんですが、交通事故の場合も自己都合と利害が前面でぶつかり合う事象です。証言で描かれる「真実」如何によっては自分が有罪か無罪かという百八十度異なる結論になってくるわけです。正面から異なる言い分がぶつかり合うのは当然のことと言えます。

 しかし、今回の盆踊り会議の事例では、特に1日開催であろうと2日開催であろうと、誰にとっても損も得もありません。そんな利害関係のほとんど生じない場合でも、解釈がかように異なってくるわけです。もちろん、それは人の理解力、表現力、表現方法などがそれぞれ異なるからにほかなりません。

 「歴史とは解釈である」(ニーチェ)※ とはよく言ったものです。史実や事実はあるのでしょうが、その真実を体験し、伝え、描き出すのは、好むと好まざるとにかかわらず、主観を持った人間でしかないのです。そうすると、残念ながら、同じ真実も異なって伝えられ、真実は人の口で語られた瞬間にもはやカギ括弧付きの「真実」や「真理」、つまり解釈でしかなくなってしまうと言えます。

 真理の追求がムダだというつもりは毛頭ありませんが、それが所詮は「解釈」を描き出す過程でしかないということは冷静に理解しておく必要はありそうです。要は認識論の問題です。

 最後に、議会との関連でひとこと。

 議会などのように絶対者(絶対権力者、裁判官的存在)のいない世界において会議を遂行していく場合、議事録をとることの重要性は、実はこうした「羅生門」現象をいたずらに起こさぬようにする混乱回避の意味があります。テープや議事録を作成し残しておくことで、必要な場合にはあとあと発言内容を確認することができます。大事なことですね。

 いずれにしても、地元の盆踊りの会議から、こんな話題が導き出されてくる体験をするとは思いもよりませんでした。

ニーチェ(原佑訳)『権力への意志 下』1995年、27ページ
「現象に立ちどまって『あるのはただ事実のみ』と主張する実証主義に反対して、私は言うであろう、否、まさしく事実なるものはなく、あるのはただ解釈のみと。私たちはいかなる事実『自体』をも確かめることはできない。おそらく、そのようなことを欲するのは背理であろう。 『すべてのものは主観的である』と君たちは言う。しかしこのことがすでに解釈なのである。」



江戸川区議会議員 木村ながと
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学校給食に代わる弁当・水筒の持ち込みの周知に関する通知

2012-03-10 19:11:14 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 一昨日、昨日に続き、教育費審査についてのやりとりをご報告いたします。今日は最後の「学校給食に代わる弁当・水筒の持ち込みの周知に関する通知」についての審議部分です。

木村
 持ち時間がほとんどなくなってきてしまいましたが、学校給食保険費のところで、学校給食に代わって弁当・水筒の持ち込みが可能になったことを周知させるための通知について最後に伺いたいと思います。

 給食食材と放射線汚染の問題をめぐって、昨年9月に、学校給食に不安がある場合には、希望すれば、弁当・水筒の持ち込みが認められるようになりました。そして、翌10月にはそうした方針変更を旨とする内容の通知が学校長宛に出されました。実際の希望者の調査や給食費の支払い方法の整理をして、11月から実施開始となったところです。

 教育委員会から学校宛てには通知があったわけですから、学校側はこのこと、つまり生徒が希望すれば弁当・水筒の持ち込むことができるようになったことを認識しています。しかし、その権利が帰属する側である生徒や保護者の中には、逆に知らない人もいるようです。

 給食が教育の一環であり、安全性を前提としているものだという主張をお持ちなのは十分理解しています。本会議でも自分自身で取り上げ、教育長とやり取りしましたから、把握しています。そのことはここで繰り返しません。

 その主張は横に置いておくとして、生徒が希望すれば弁当・水筒の持ち込むことができるようになったということを、学校長から各学校の保護者にきちんと周知すべきだと思います。せっかく認めた選択権の可能性を通知したからといって、安全な給食の前提を崩すことにもならないと思うのですが、いかがかでしょうか。

学務課長
 委員ご指摘のとおり、給食は教育の一環として提供しており、安全性が確保されている。食品検査の体制も改善された。それゆえ、そのような通知については現段階で実施することは考えていない。

木村
 食品検査が改善されたといっても完全ではありません。給食は基本的に感受性の強い子どもたちが食すものであるという特性を持ち、産地選択の余地がありません。給食の安全性をうたうのは結構だけれども、ぜひ、弁当・水筒持ち込みの選択が可能であるということを広く周知するための通知を保護者宛てに出すよう、校長に促す通知を出していただきたいと思います。

 残念ながら、もう時間がないので、要望をして終わります。




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やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童への配慮

2012-03-09 13:02:29 | 地方自治
 こんにちは、木村ながとです。

 昨日に続き、教育費審査についてやりとりをご報告いたします。今日は「やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童への配慮」についての審議部分です。

木村
 教育指導費で、次に、やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童をめぐる対応についてお尋ねします。まず端的に質問します。この冬、ウィンタースクール実施校のうち福島県を選択した学校は何校でしょうか。

指導室長
 福島県でのウィンタースクール実施校は10校である。

木村
 まず、放射性物質汚染の広がりの一般認識の問題として、福島県の苦悩と自分の公的責任ある立場から申し上げます。放射線プルーム現象の広がり方は都道府県境とは全く無関係なので、福島=(イコール)全域が放射線高濃度の恐れあり、福島=放射能汚染の理由から行ってはいけない地域、といった議論には組みしません。これは放射線プルーム現象の事実に反しますし、冷静な議論とは言えません。

 しかし、同時に、みなが放射線の専門家ではありませんし、放射線プルーム現象を冷静に理解できるわけでもありません。人がイメージに左右されてしまうことはある程度やむを得ないことです。自分にもそういう部分があることは否定できません。

 そう考えれば、ウィンタースクールに関して、福島に我が子を送りたくない心理も責めることはできないと思います。自然なことだと思います。卑近な例を言えば、わざわざこの冬の家族旅行で福島へ向かおうとした人はあまりいないと思うのです。それが何よりの証拠です。

 ここで伺いたいのは、福島へのウィンタースクール実施校において、悩みつつ不参加に決めた子どもへの対応の件です。それに付随して、1月20日に各学校長宛に通知が出されていると思いますが、その内容を簡単に伺いたいと思います。

指導室長
 1月20日に校長宛てに出した通知の内容的ポイントは、ウィンタースクールを福島県で実施しようとする学校においては、くれぐれも現地の状況の情報収集を怠りなく行うこと、また状況の変化、つまり放射能の汚染度などにおいて深刻な状況変化があれば代替案も含めて検討すること、さらに、不参加の生徒に対しては学習機会の保障などの対応をとるよう努力すること、などである。

木村
 子どもたち、保護者の立場にたてば、そもそも福島県の選択があったことを遺憾に思うのですが、学校長に帰属する教育課程編成権の問題云々をここで議論するつもりはありません。そんな中でせめて、1月20日の段階で、「場合によっては見直しや代替案の検討」「不参加生徒への配慮を促す」などの内容の通知があったことは、ないよりは良かったと思います。

 しかし、ここでさらに伺いたいのですが、不参加の生徒は欠席扱いになってしまうのですか。

指導室長
 参加した生徒との公平性の観点からは、不参加生徒については欠席扱いとせざるを得ない。

木村
 1月20日の通知も拝見しましたが、不参加の生徒を登校させた上で一定の学習課題を提供することで学習権の保障をするというのはよいと思います。しかし、欠席扱いというのは何とも遺憾な話だと感じます。

 不参加を決めた生徒も保護者も好き好んで不参加としたわけではないはずです。ずっと楽しみにしていたウィンタースクールだけれども、セシウムの心配があるから、やむを得ず不参加にしたのだと思います。それを思うと、欠席扱いになってしまった子どもの無念さは想像に難くありません。

 理屈上、参加生徒との公平性という観点の話が分からないわけではありません。ただ、健康への心配からというやむを得ぬ事態ゆえ、特段の配慮があってもよかったのではと思います。自分の健康管理の失敗から病欠になったというのとは異なります。

 セシウムという放射性物質の半減期から考えると、同様の問題は次年度も生じうると言えます。放射線を理由とする不参加生徒への特段の配慮をお願いしたいと思います。




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学校裏サイト問題は終わっていない

2012-03-08 19:57:19 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 3月8日の教育費の審議に際し、教育指導費ならびに学校給食保険費のところで3点にわたり質問をいたしました。「学校裏サイト」「やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童への配慮」「学校給食に代わる弁当・水筒の持ち込みの周知に関する通知」の3点です。

 時間的制限もある中での個別具体な質問ばかりではありましたが、それぞれ区民からの切実な要望という、質問作成にいたる背景のある課題です。以下、その部分のやりとりの抄録です。(記憶をたどっていますので、議事録とは多少の言葉の齟齬があるかもしれません。)なお、少し長りますので、3回に分けます。

 今日は「学校裏サイト」の課題をめぐるやりとりです。

木村
 教育指導費のところで、最初に、学校裏サイトについて伺いたいと思います。まず、簡単に、最近の学校裏サイトをめぐる問題の傾向と課題について聞かせて下さい。

指導室長
 東京都教育委員会の学校裏サイト、いわゆる学校非公式サイトの監視業務の結果を見ても、学校裏サイトの件数は増加傾向にあることがわかる。江戸川区においても、その傾向は同じである。また、これまで学校裏サイトの問題は中学生を中心に発生してきたが、最近は小学生間においても見られ、低年齢化の傾向があると言えるかもしれない。

木村
 ICTの普及がますます進展していることの影響だと思いますが、学校裏サイトの問題は減っていないようです。室長が言及されていた、東京都教育委員会が業務委託している学校非公式サイト監視の結果をみると、江戸川区内の学校裏サイトをめぐる問題の認知件数はこの3年間でも増加傾向にあるようです。うなぎ上りとまでは言わないが、少なくとも、減ってはいません。低年齢化の傾向もあるようです。

 この都教育委員会の学校裏サイト監視の結果資料にもあるとおり、ネット上という特質からより深刻だと言えるのは、他人への誹謗中傷や他人の個人情報を書き込む行為だと思います。子どもたちが犯してしまう、こうした問題について教育委員会としてどのような対策を実施しているのでしょうか。

指導室長
 こうした学校裏サイトなど、パソコンや携帯端末を介したネット上の問題は、教員よりも子どもたちのほうが精通しているという状況がしばしば見られる。教員がしっかりと監視をしなければならない、指導をしなければならないという立場であることを考えると、まずICTなど情報機器に疎い教員をなくすためにしっかりと教員に対する情報教育を進めていかなければならないと考えている。専門家による講習なども実施していきたい。

 重大な案件に関しては、警視庁のハイテク犯罪対策センターとのタイアップも進めていく。また、子どもたちに対する情報教育も欠かせない。

木村
 従来の目に見えやすいイジメから、ネット上での個人攻撃になるなど、いっそう潜在化したイジメとなりつつあるという認識が必要です。

 室長も言及されていたが、まず、学校裏サイトはもちろん、ICTに疎い世代の教員の方への教育が課題であると思います。パソコンのことは分からないでは済まされない問題が、子どもたちの世界で起こっている、学校をめぐる見えないイジメがデジタルの世界で起こっているという現実を、直視しなければなりません。もはや世代の問題として逃げることが許される問題ではなく、教員であれば取り組まねばならない課題だと考えることが必要です。

 今回この質問を作成するに当たり、室長にも相談した具体的な事例がありました。その際、実際に事案が発生した学校においては、肝心な先生の中に「2ちゃんねるがわからない」「スレッドってなんですか」というレベルの認識しか持ち合わせていない方がいたようです。もはやあり得ない低レベルです。「2ちゃんねらー」になれとは言いませんが、子どもの教育とイジメの課題に真剣に向き合っていく教員であれば、こうしたことはもう教員の常識的知識として理解しておくべき事項だと思います。

 それから、子どもたちへの教育の部分ですが、メディアリテラシーと倫理の問題をともに考える機会を学校現場で設けていただきたいと思います。

 先ほど言及した「2ちゃんねる」などはサーバーが日本国以外のところに設置されているようで、個人の誹謗中傷といった書き込みの削除依頼にも、もっと言えば警察などからの削除要請にもほとんど対応しないという現状があります。

 子どもたちが軽い気持ちで書き込んでしまう前に、メディアリテラシーと倫理の問題をみんなで考える場を一層、学校で充実させていただきたいと考えます。

 ことが起こってから、教員が「ダメだ」「やめなさい」というのも逆効果以外の何物でもないようです。今度は教員が誹謗中傷の対象になるだけです。

 学校裏サイトの課題について、増加傾向にある深刻な課題としてとらえ、学校でのメディア教育を充実化させていっていただきたいと思います。




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議会発議のポイ捨て防止条例施行で見えてきた二元代表制の課題

2012-03-02 20:16:45 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 3月2日の環境費の審議に際し、環境推進費のところで、私は議会発議で誕生した「江戸川区歩行喫煙及びポイ捨て防止等に関する条例」をめぐる行政府の取り組みの問題をフィルターとし、タバコをめぐる環境問題という範疇のみならず、地方自治と二元代表制の課題という少し大所高所の問題について議論しました。以下、その部分のやりとりの抄録です。(記憶をたどっていますので、議事録とは多少の言葉の齟齬があるかもしれません。)

木村
 議会発議によるポイ捨て防止条例をめぐる取り組みについてお尋ねします。地方自治と二元代表制のあり方という、少し大きな話にも言及いたします。

 昨年は震災の影響で「環境フェア」は中止になりましたが、「環境をよくする運動」は、開催が6月から12月になったものの、例年のように文化センターで開かれました。その再上映されたビデオの中でもポイ捨て防止条例に関するPRがあったことは好ましく思っています。また、「環境をよくする運動」とは別に、駅前広場での「歩きたばこ・ポイ捨て防止PR活動」も区全体で10回以上行われており、地道な取り組みを評価しています。

 さて、議会発議のポイ捨て防止条例が施行されました。それを受けて、年始には、区内のたばこ組合、日本たばこ産業の協力を得、全議員が条例施行告知のキャンペーンを区内の各駅頭にて行いました。その際、ベストや旗を区の環境部からお借りしました。また、駅のシールや看板の「マナー」とある文言に「条例」というシールを張りかえるといった対応もしてもらいました。

 先ほど、同僚議員から「『広報えどがわ』でポイ捨て防止条例について周知することはしてもらえないのか」という質問がありました。それに対して、「検討します」という答えがありました。具体的に伺いたいと思いますが、その「検討します」とは、「掲載する方向できちんと検討する」という意味なのか、それともそうではないのか、どういうことなのでしょう。

環境推進課長
 (困惑した表情で)条例周知に関する状況を十二分に見極めながら、検討してまいりたいと考えている。

木村
 課長としては答えにいであろうことを承知の上で、あえてお尋ねしました。分かりにくい答えでしたが、課長にこの質問を追及するのをよしましょう。むしろ、区長にお尋ねしたほうがよいのでしょう。

 区長の率直な考えを伺いたいと思います。私の考えも改めて述べます。

 ポイ捨て防止条例については、まだ「広報えどがわ」では取り上げられていません。議会発議でせっかくできたポイ捨て防止条例ではありますが、そうした広報のあり方などをみると、議会と執行部との間の微妙な温度差を感じざるを得ません。問題はおそらくポイ捨て防止をめぐる方法論の違い、つまり<条例ではなく「環境をよくする運動」で取り組むべきという区長の考え>と<条例化を図って取り組むべきという議会の考え>という相違、といった単純なものばかりではなく、もっと根本的な、地方自治における二元代表制の陥穽の課題があるのだと思います。

 つまり、議会がまとまってしまえば議決権を持たぬゆえ拒否権も発動できない首長と、一方で、政策条例はできたけれどそもそも予算編成権も執行権も持っていないため職員配置もできない議会という、地方自治法の隙間から生じる相互の不満がその底流にはあるのだと思います。

 憲法(93条)では二元代表制と規定しながら、自治法上では首長に極端に権限を集中させる一方で(149条関係)、議会に限定的な条例制定権を認めながら予算編成権は付えない(96条関係)といった、時代の趨勢に全く対応しきれていない地方自治法に根本的な問題があります。

 地方議員の政策法務だの条例制定権だのと楽観的な言葉が地方議会関係者の間でもてはやされていますが、私個人はとても悲観的に考えていて、乱暴な言い方をすれば、現行の地方自治法の下では、議会にも「付与」されているという条例制定権なるものは機能しない権限だと考えています。

 話をポイ捨て条例に戻します。区民にとっては首長提案の条例であっても議会提案の条例であっても、成立してしまえば同じ効力を持つ条例であることにかわりはありません。議会も行政も関係なく、オール江戸川で取り組まねばならない課題です。今後、議会がますます積極的になっていけば、第二、第三の議会発議の条例案が提出され、成立しないとは限りません。

 地方自治法の問題点についても述べましたが、区長は議会発議によるポイ捨て条例をめぐる取り組みについてどのように考えているのか、率直なお考えを聞かせてください。

区長
 確かに、言及されたような自治法上の課題があるのだと思う。議会と行政のあり方も変わりつつあると思うし、これまで想定されていなかったことが求められようとしているのだと思う。

 ポイ捨ての問題など人のモラルを問う課題については、私は、区としてこれまで長年にわたり続けてきた「環境をよくする運動」で取り組むことがよりふさわしいと考えている。確かに、そこに議会との相違はある。しかし、ポイ捨て条例が成立した以上、それを否定するものではない。区として必要な協力をするつもりでいる。

木村
 自治法上の課題については、ここで追及しても仕方ありませんので、この程度に留めます。
 大切なのは、ポイ捨て防止条例という一つの条例が成立した以上、議会も行政もお互いに協力して、施策遂行していかなければならない、ということです。以上で終わります。




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行政委員の報酬を考え直す

2012-02-29 23:41:18 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 2月28日の総務費の審議に際し、選挙管理委員会費のところで、私は行政委員の報酬をめぐる問題について取り上げました。以下、その部分のやりとりの抄録です。(記憶をたどっていますので、議事録とは多少の言葉の齟齬があるかもしれません。)

木村
 昨年末、滋賀の選挙管理委員の月額報酬の適否をめぐる裁判に関する最終審の判決が出されました。一審、二審では高額な月額報酬の支払いが違法とされました。しかし、最高裁における最終審では「業務の性質に応じて判断し、自治体の裁量に委ねられる」(朝日新聞)とされました。

 原告敗訴で終結した裁判ですが、重要であったと思われるのは、行政委員とその報酬という全国の自治体が抱える重要課題について、あらためて議論される機会が提供されたということです。この間の国民的議論がさまざまな影響を与え、各地の自治体で行政委員の報酬制度のあり方について考えるきっかけが提供されたと考えています。

 まず、この判決の事例を受け、江戸川区の選挙管理委員会としてどのように考え、あるいは議論されたのか、伺いたいと思います。

選管事務局長
 「月額報酬が違法とは言えない」とした最終審の判断のポイントは3つあったと思う。

 第一に、月額報酬にするか日額報酬にするかは自治体(または議会)の裁量に委ねられているということ。

 第二に、行政委員会は首長とは別に独立した執行権を持つという立場であり、専門知識が必要とされ、さらに訴訟を起こされた場合には首長に代わって訴訟を受ける立場にあるなど重責を担っており、こうした人材の質の確保には相応の報酬が必要とされるということ。

 第三に、実際の登庁日以外にも関係団体の総会への出席や選挙時の緊急事態への対応や不定期な選挙への対応も求められるなど、数字以外の労務も背負っていること。

 選挙管理委員会では、この裁判の報告を行い、内容を吟味の上、区選挙管理委員会での報酬についての見直しは必要ないと判断したところである。

木村
 最高裁の判断については、その「主文」に続く「理由」を精読すると、感情論とは別の冷静な議論が組み立てられていると思われ、賛同するところです。私は極端に低額の報酬や日当制にせよという議論に組みするつもりはありません。

 極端に低い報酬の導入は、平日日中に行われ、また訴訟追行の責任(選管の委員長などが開票結果をめぐって訴えられ裁判を背負う事例など)を背負う業務、しかも専門的知見を持つ有能な人材確保が望まれる業務において、かえって人材の質の低下という別の課題を生むため、賛同できません。行政委員会が、不労所得のある資産家や、引退後のお金と時間に余裕のある人ばかりの集合体になっては困ります。

 私は、若くて、かつ有能な専門的知見を持った多様な方々に集まってほしいと考えています。低額報酬は多少の節税効果や公務員・政治家憎しの感情は満足させることはできても、人材確保での問題を新たに生みます。

 しかし、こう述べたからと言って、それは現行の区の行政委員の報酬水準が適切だということも全く意味はしません。私は、現在の区の行政委員の報酬水準は有権者の目から見れば、まだ高いのではないかと考えます。特別職という身分にある自分たちのことを棚に上げて議論するのは憚られますから、そんなつもりで申し上げるのではありません。

 私が申し上げたいのは、時代は変わりつつあり、有権者の目も変わりつつあるということです。今の区の行政委員の月の報酬額(給与)は額面で次のようになります。

 教育委員長31万円、教育委員25万円、選管委員長28万円、選管委員22万円、常勤監査委員63万円、非常勤代表監査委員34万円。

 これがはたして適切なのでしょうか。十分議論の余地があると思いますが、いかがでしょうか。

選管事務局長
 現在のところ、区の選挙管理委員の報酬水準は適切なものと考えている。しかし、議論は続けていく。

木村
 ぜひ議論を続け、目に見える形で改善していただきたいと思います。

 われわれ議員や区長などの特別職の報酬(給与)の話を最後にします。特別職の報酬(給与)は特別職報酬等審議会(以下、報酬審議会)で議論されて決まっていきます。手続き上はそういう仕組みです。しかし、報酬審議会の存在をもってして「報酬審議会が決めることですから」と、治外法権のように語るとしたら、少し卑怯な気がします。本気になってこちらから提案すれば、変わるでしょうし、また実際、われわれ特別職の給与も大いに議論される余地はあると思います。

 私だって、自分の報酬は高いほうが嬉しいです。でも、われわれ自身も考えていかなければならない時代になったのだと思います。変えようとしないから、日当制といった極端な、普通の人なら生活も成り立たないような極端な主張が世間で出てきてしまうのです。

 時間もありませんし、行政委員の費目から外れるので、議論はこの程度に留めます。




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被災地への車の寄付のご協力、ありがとうございました

2012-02-28 23:08:41 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 昨年3月の東日本大震災以降、被災地への車の寄付をする活動を続けてまいりました。この1年間に、私のところへも関東近県の方々9名の方からお問い合わせがあり、実際に4台の寄付が無事に完了いたしました。

 車の寄付に際しては、名義変更手続きが必要であったり、簡単に運搬できるものではないことから、いろいろな困難もあり、一時的に中断を余儀なくされました。

 そんな中、ある時、「車を届けるボランティア」代表の山本みゆきさんから「力になりますよ」とのご連絡を頂戴しました。私は「ぜひお願いします」と答え、爾来、「車を届けるボランティア」さんの一窓口(代理店?)として活動を継続してまいりました。

 山本さんの作り上げたボランティア組織「車を届けるボランティア」は格段にしっかりしており、名義変更手続きなどがシステマチックに完成されておりました。思わず感心してしまいました。これまでに100台の寄付のマッチングを実現させたそうです。すごいことです。

 さて、その「車を届けるボランティア」さんの活動が、2月末をもって終了いたしました。本社の閉店にともない、私の代理店業務も終了ということになります。

 この間、代表の山本みゆきさんをはじめ、近所の自動車屋さんや実際に車をご寄附下さった皆さん、大変お世話になりました。どうもありがとうございました。御礼申し上げます。

 
 復興の道のりはまだ途上にありますが、少しでも被災地の皆さんのお役に立てたのであれば幸いです。




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議会版天下りを絶てない議会

2012-02-23 23:32:45 | 地方自治
 こんばんは。木村長人です。

 今日の本会議では昨日、上程された監査委員の同意案件について採決が行われました。今回、区長から推挙されてきた候補者は、再任となる民間有識者の方と与党系会派出身の前区議会議員の方との二名です。現監査委員二名の任期満了にともなって、上程されてきた同意案件です。

 私の採決対応の結論を先に申しあげましょう。民間人候補には賛成しました。かの候補者は博士号を持ち、かつ区政に精通されている方です。

 しかし、前区議会議員候補には反対しました。先輩議員に対する私情を押し殺し、明確に反対しました。

 個人的なことを申し上げれば、候補者である元議員のことは先輩議員としてよく知っているし、メールも頻繁にやりとりした方です。会派は違えど、お世話にもなりましたし、性格や人柄もとてもよく、個人的に好感を持ってきた方です。しかし、反対しました。

 世間で天下り批判が支配的ななか、その世間の代弁者たる議員がみずから議会版天下りをしていてどうしますか!? 端的に、そういうことです! この記事を読んだ、ほとんどの方が同様の感想を抱くのではないでしょうか。

 無論、長きにわたり議員を務めてきたことで、得られる知識と経験には捨てがたいものがあります。「余人をもって代えがたい」とも言えるケースもあるでしょう。しかし、私情をくんで、よい人や知人を採用していては示しがつきません。天下りを減らしていくよう、率先して厳しい態度をとっていくべきなのが議員の選択すべき道ではないでしょうか。(かくいう私も議員になりたての問題意識の希薄な頃、同様の議案に賛成してしまった失敗もあります。しかし、今は異なります。これではいけないというのが、率直な意見です。)

 別の問題点もあります。江戸川区では監査委員4名のうち、すでに現職議員が2人、任命されています。そこにまた一人議会関係者を選出するというのではどうみてもバランスが悪すぎます。4分の3が議会関係者ということになります。

 もう少し詳しく言えば、現状の監査委員体制は、民間人1名、A党現職議員1名、B党現職議員1名、そしてB党元議員1名となっております。ここにまた同じB党出身の元議員をということです。しかも代々、同じ選任が続いています。B党と区長との間にどのようなやりとりがあって、こうした推薦の慣習が続いているのか知る由もありませんが、この連鎖を断ち切ることのできない提案者たる区長もどうしたものでしょうか。

 先輩議員は、みずからに厳しく、候補者になることを固辞することはできなかったのでしょうか。とても残念です。

 もうそろそろ議員の天下りを改めるべきです。こんな体たらくの状況だから、既成の政治への失望感が膨らみ、全国各地で「劇場型」の極端な改革の政治家が登場するのです。しかし、そうした「劇場型」の期待が生まれるのも、これでは無理からぬことです。

 最後に、元議員を選任する議案の結果ですが、残念ながら、反対した議員は少数でして、同意人事案は賛成多数で承認されてしまいました。

 私が議場で確認できたかぎりにおいて、反対した議員は以下の通りです(敬称略。議席番号順)。たぶん漏れはなかろうと思います。桝(みんな)、滝沢(えどがわ)、大橋(共産)、上田(みんな)、新村(ネット)、小俣(共産)、田中健(一人)、間宮(共産)、瀬端(共産)、そして私、木村(無所属)。以上の10名が議案に反対しました。それに対し、33名(議長は採決に加わりません)が結果的に議会版天下り人事に賛成したということです。よく知る元議員が候補者ということで、内心板挟みになり、しぶしぶ賛成した議員もいたのかもしれません。しかし、それは私とて同様です。私情を殺さずして、改革などできないと思います。

 ともあれ、これが江戸川区議会の意思表明の現状です。




江戸川区議会議員 木村ながと
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8月19日の局地的集中豪雨と雨水ます対策

2011-12-02 16:18:16 | 地方自治
 こんにちは、木村ながとです。

 そもそものきっかけは数か月前になります。8月19日に城東区域降った、局地的な集中豪雨の話題です。この日、江戸川区の北葛西、西葛西、中葛西地域に降った最大時間雨量は67㎜(江戸川区土木部推計)だったそうです。雨雲が江東区方面から発生し、局地的な豪雨をもたらしました。区北部の鹿骨地区では最大時間雨量は27㎜程度でした。

 さて、この67㎜という数字ではイメージがわかない方も少なくないかもしれません。気象庁の説明文を拝借しましょう。気象庁は、時間あたり30㎜以上50㎜未満の雨を「非常に激しい雨」と呼び、それを「『バケツをひっくり返したように降る』イメージ」と説明しています。50㎜未満で「バケツをひっくり返したように降る」というのですから、67㎜はそれ以上の激しさを持った雨ということになります。ちなみに、80㎜以上の雨は「猛烈な雨」というそうで、「『息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる』イメージ」だそうです。

 いずれにしても、凄いことです。そんな雨が先日、葛西に降ったわけです。

 その凄さを示す写真を近所の方(西葛西1丁目の梅原様)からご提供いただきました。 私の住む西葛西1丁目では50~60㎝ほど冠水してしまったエリアが現れました。店先や自動販売機への浸水もありました。幸い、この時間67㎜の集中豪雨は30分ほどでおさまりましたので、冠水の引きも比較的早かったようで、被害は最小限に抑えられたと言えるのでしょう。(それでも、自動販売機などに被害を受けた方にとっては大変な損害であることに変わりありませんが。)

 その8月19日から一週間ほどして、今度は26日、関東広域で豪雨が降りました。都内の事例を言えば、大田区で時間雨量82㎜、練馬区で90.5㎜でした。いずれも観測史上最大規模ということです。

 前者の葛西の事例も後者の関東広域の事例も、いわゆるゲリラ豪雨と言われる現象として括って間違いなかろうと思います。

 さて、ここで、空から降ってくる雨を防ぐのは難しいので、なぜ冠水してしまうのかという問題について考え、その対策を練る必要があります。

 東京都23区(特別区)においては、他の市町村が県ではなく自分たちで上下水道インフラの整備管理を行っているのと異なり、東京都がその整備管理の責任を担っています。さて、その下水道管理者である東京都下水道局の「経営計画2010」によりますと、23区内にはいまだに時間あたり50㎜の雨に対応すべき地域があるようで、「同計画」9ページには「平成29(2017)年度を目標に、浸水の危険性の高い対策促進地区(20地区)などにおいて、1時間50㎜の降雨に対応」とあります。

 幸か不幸か、この20ある対策促進地区に葛西は入っていません。「同計画」10ページにその地区が表記されておりますが、大雑把に言えば、昭和初期の開発の早かった都心部にむしろこうした古い下水道施設の残るエリアがあると言えるのかもしれません。もちろん、20カ所全部が都心部というわけではありません。

 いまだに1時間50㎜降雨への対応が目標として掲げられているくらいですから、最近の時間100㎜に近い豪雨へはどのように対応せよというのでしょうか。現状では、この都市型ゲリラ豪雨への対応に都は追い付いていないと言えるような気がします。

「同計画」25ページには、「1時間50㎜を超える降雨への対応」として東京駅八重洲と丸の内など都心の最重要地点かつ地下街を抱える地区を挙げ、1時間75㎜降雨への対応の検討を記しています。私たちの住む江戸川区のような周辺区にまで手が届くのは、当分先のことであると予感させます。とても遺憾な話です。

 下水道管理者である東京都の対応がこうした現状にあるなかでは、冠水現象を実際に抱える当該区としては、できることから始めるしかありません。区としてできることは、雨水ますの増強または改善です。根本的に、下水管の内径の拡大による雨水処理能力の増強策ではありませんから、ある意味、ボトルネックの課題にはぶつかってしまいます。しかし、少なくとも、雨水ますを改善、強化することで、路上で行き場を失っていた分の雨水は速やかに下水管に流れるよう、入り口での改善が図られることは事実です。

 8月19日の豪雨により、西葛西・北葛西の方々から同様の指摘を受け、区土木部にも相談をしてきました。そして、写真のようにいくつかの場所で、雨水ますの増設ならびに古いセメントタイプのものから鉄格子タイプの処理能力のあるものへの交換を進めてもらいました。

  (新しい鉄格子タイプの雨水ます。西葛西1丁目6番)

 夏の雨は馬の背を分ける、と言います。また来年、夏が来れば、局地的な雨が降るのでしょう。新しく整備された雨水ますの活躍に大いに期待するところです。




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雨の第9回葛西臨海公園ナイトマラソン大会

2011-11-03 16:50:30 | 地方自治
 こんにちは、木村ながとです。

 さて、ご報告が遅れましたが、先月10月14日に開催され、このブログでも告知してまいりました第9回葛西臨海公園ナイトマラソン大会、無事に開催することができました。1716名の参加者のみなさん、どうもありがとうございました!

 しか~し、当日は大変な雨に見舞われてしまいました!(逆に言うと、あの事前の雨にもかかわらず、1700人以上のみなさんがキャンセルせずに参加されたことが凄い!)

 前日のブログで「明日の降水確率は0パーセント。天気は大丈夫そうですね。」などと能転気に記していたのを、改めて自分で見るにつけ、なんとも苦笑するしかありません。

 震災の影響で春夏の両大会を見送り、節電の取り組みも一区切りついたところで満を持して開催にこぎつけた大会であっただけに、主催者としてもちょっと残念でなりません。しかし、天候のことをとやかく言っても仕方ありません。大きな事故もなく、大会が開催できたことでよしとします。

 当日の写真をアップしておきます。お楽しみください。

  葛西臨海公園ナイトマラソン

 計測テント(各人のICチップによる計測ですので正確です)

 救護テント(医師1名、看護師1名、AED2台)

 男女別の更衣室テント

 コースの準備もバッチリ!でしたが、この後、7時ごろから急に雲行きが怪しくなり、スタート時にはどしゃぶりの雨に

  ご覧の雨です

 みんな雨で疲れました

  雨の中の表彰式。一番早い人はいつも30~35分くらいの記録です。私にはとても考えられません

 来年の大会ですが、第10回葛西臨海公園ナイトマラソンが4月20日(金)に、いつもの夜7時30分スタートで予定されています。ぜひふるってご参加ください。

 今後こそ、雨に見舞われませんように!




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クローンディスクの作成を強くお勧めします

2011-10-13 16:51:27 | 地方自治
 こんにちは、木村長人です。

 政治の話題とは全然関係ありません。1週間ほど前だったのですが、メインで使用している仕事用のデスクトップPCの調子が悪くなっておりました。PC自体は購入してまだ1年半くらいの比較的新しいものです(DELLのXPS8100)。

 現象としては、突然ブルー画面になり、勝手にシャットダウンしたり、起動したり・・・。メモリかマザボードがダメになったのかと思っておりました。起動前のタイミングでF12を押して、いろいろと診断。でもDELLの仕様で引っかかるディスクエラー以外の、明らかな問題点は特にないのです。

 とりあえず、Windows 7に備え付けの復元機能を適用し、何とか元通りの安定的動作に復帰しました。それから数日は快適で、トラブル自体を忘れ始めていました。

 ところが、一昨日、突然PCがフリーズしました。強制終了し、再起動をかけたら、今度は軒並み、ウインドウズのファイルが開けなくなってしまいました。オフィスも使えなければ、ライブメールも開けません。また、無線LANも起動のたびに設定し直せなどと言ってくる始末。

 今度は、システムの復元もまったく役に立たなくなってしまいました。時間をかけてイメージのバックアップファイルを作成し、システムの復元をしようとしても、今度はそれを認識してくれない。・・・困りました。

 どうやらハードディスクそのもののトラブルか、ウィンドウズファイルの破損か、どちらかだったようです(たぶんウィンドウズファイルとかディレクトリの破損でしょう)。

 幸い、Dドライブに移動させていた、データファイルバックアップは可能でした。

 また、ハードディスクのクローンを2か月前に作成していたことは不幸中の幸いでした。ゼロからOSを再セットアップする必要がありません!

 OSやオフィスソフトの再インストールはせず、PCの筐体を開けて、元のハードディスクを取り外し、クローンのハードディスクに取り替えました。そして問題なく起動後、データだけ最新のものに更新し、ほとんど元のように使えるようになりました。

 しかし、昨日は、システムのコンプリートテストやバックアップファイル作成など、原因が特定できるまであれこれ、まる一日をPC復旧のために費やしてしまいました。やれやれです。

 今回実感したのは、モバイルPCならいざしらず、仕事で使用しているメインPCに関しては、そのデータはもちろんのこと、そのシステム環境自体が大事であるならば、ぜひクローンディスクを作成し、定期的に更新しておくことが重要であるということです。8月にクローンを作成していたのは本当にラッキーでした。

 購入してまだ1年程度のハイスペックPCでも、こんなことがあるんですね。皆さんにも、システムごとバックアップするクローンディスクの作成を強くお勧めします。ちなみに、私が使用しているクローン作成ソフトは Acronis True Image HDです。




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いよいよ明日、第9回葛西臨海公園ナイトマラソン大会です

2011-10-13 13:33:59 | 地方自治
 こんにちは、木村長人です。今日は簡単な確認とお知らせです。

 自分自身のホームページのイベント欄にて告知してまいりましたが、明日、いよいよ第9回葛西臨海公園ナイトマラソン大会が開催されます。

 震災の影響で春と夏のステージを見送ってまいりました。今回、節電の取り組みも一区切りつき、大会が無事に開催できますことを主催者として大変嬉しく思います。

 中川沿いの葛西臨海公園サイクリングロード上の夜間照明は通常通り点灯しておりますので、走行に問題はありません。すでに事務局(岡田正三事務局長)も入念にコースを確認してくれております。

 大会開催にあたり、東京都東部公園緑地事務所ならびに第五建設事務所から使用許可を得ているのはもちろんですが、江戸川区からは第1回大会より後援を頂いております。

 当日は、江戸川区医師会からのご協力も得、医師、看護師の配置もしております。万が一に備え、地元の葛西消防署へのイベント告知もし、事務局としてはAEDも二台用意しております。

 すでに2000名近い皆さんにエントリー頂いております。皆さんには無理のないご自身のペースでランを楽しんで頂きたいと思います。くれぐれもこまめな水分補給をお願いいたします。

 明日の降水確率は0パーセント。天気は大丈夫そうですね。

 それでは、参加者の皆さん、明日お会いいたしましょう!




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学校給食をめぐる対応の改善を(9月30日一般質問 その3)

2011-10-03 00:29:36 | 地方自治
 一般質問の続きです。今日で最後です。内容はすべて教育委員会に向けられたもので、学校給食の対応改善にをめぐり、①サンプリング調査の実施、②食材の産地表示、③弁当、水筒の持ち込みの許可などの点について尋ねました。

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(以下、一般質問)

 次に、教育委員会にお尋ねします。

 放射性物質の拡散による、牛肉をはじめとした食品の汚染が判明して以来、大人よりその健康リスクが2~3倍高いと言われる子どもたちが食べることになる学校給食のあり方をめぐって、保護者から大きな不安の声とともに、仕組みの改善を求める声があがっています。放射性セシウムに汚染された稲わらを食べていないとみられる牛の肉からも、8月に放射性物質が検出されたことは、その不安を具体的なものとしました。個体識別番号の確認だけで食品提供の安全性はコントロールできるとしてきた国の理屈には明らかなほころびが生じました。学校に子どもたちを通わせる保護者が不安を増大させたとしても無理はないと言えます。子どもたちの命を差し出すことはできないという保護者の立場を考えれば、理屈以前に、親としてごく自然な改善の欲求であると言えます。

 以下、学校給食をめぐる三つの点についてお尋ねします。

 第一に、給食食材のサンプリング調査についてです。生産地において危険な食材がないかどうか検査するというのが現在の国の食品検査の基本です。この仕組みの基本構造を否定するものではありません。しかし、現行の仕組みでは、放射性物質の汚染に関する限り、十分にカバーしきれていないのも事実であり、結果的に、消費者に近い立場にある自治体側が対応を迫られる事態になっています。まず、生産都道府県による検査という現行の国の食品検査体制にほころびが見られる状況下では、消費者側でもある各学校が調理前に食材のサンプリング調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。杉並区、市川市、宇都宮市など、独自検査に乗り出している自治体が少なくありません。

 一日およそ千種ある食材全てを検査せよとは申しません。それは不可能に近いことです。できるところからでよいと思います。文科省も都道府県が給食食材の線量検査機器を購入する際に、その経費の半額程度を助成する方針を決めたといいます。また、国の食品検査だけでは消費者の信頼をかちとれないとし、民間では大手牛肉チェーン店、焼肉チェーン店、大手スーパー各社が独自の食品検査実施を開始しています。こうした現状も考慮し、サンプリング調査に対する教育長の考えをお聞かせください。

 第二に、食材の安全性および信頼性確保と保護者の心理的不安を軽減する意味でも、食材の産地表示を徹底し、詳細をホームページなどで提供するという対応についてです。すでに、9月5日から瑞江小学校では朝9時半にその日の給食食材を学校の掲示板に表示する対応が開始されました。大変大きな前進ではありますが、これは学校単独の対応であって、区内小中学校全体の対応ではありません。給食への信頼性確保と保護者の不安解消のため、教育委員会のイニシアチブにおいて食材の産地表示を推進して頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。考えをお聞かせください。

 最後に、弁当や水筒の持ち込みについてです。現在、区内小中学校においては給食食材のサンプリング調査も食材の産地表示も統一的には実施されていません。しかし一方で、現行の食品検査にも問題があります。もちろん、食品検査はまちのスーパーマーケットに出回っている食材に対しても同じ仕組みが適用されています。「弁当を自宅で作っても、結局は同じじゃないか」という声があります。しかし、ここには大きな見落としがあります。

 まちのスーパーマーケットではほぼすべてに産地表示がなされています。これは放射能問題以前から、輸入食材の残留農薬問題に対する消費者の不安にこたえるためなどの理由から、実施されてきました。産地表示がなされていれば、消費者は少なくとも食材の選択が可能であり、不安なものは自分の判断で避けることができます。給食が教育の一環として取り入れられていることは承知していますが、危険性が疑われる汚染食材を食べることは教育にふさわしいとは言えません。

 現在、ほころびの見られる国の食品検査の下、市場の民間業者の間では消費者の要望にこたえるため、独自のサンプリング検査を実施し、また産地表示することが広まっています。しかし、江戸川区の給食では統一的にそのどちらも実施されていません。食材の選択が可能で、透明性の確保されている、自宅で作った弁当と、サンプリング調査も産地表示もされない給食とでは、ここに大きな違いがあります。

 次に、水筒についてです。現在は、熱中症対策という位置づけもあり、水筒持ち込みの要望が個別にあれば、学校ごとの判断で認めていると聞きます。しかし、これも決して統一的な対応ではありません。3月の、放射性ヨウ素検出の発表以来、今のところ都内の水の汚染は確認されていません。私自身も東京都の水には不安は持っておりませんので、そのまま利用しています。しかし、子どもに飲ませることに不安を感じる方もいます。そうであれば、選択権の一つとして持ち込みを希望する子どもたちのため、統一的に水筒持参を認めても、水行政の大義が崩れるとは思いません。

 国の食品検査の改善を今日明日のうちに見込むことは困難です。また、区ではサンプリング調査も産地表示も実施していません。そうであれば、少なくとも、子どもたちの選択権と健康に生きる権利を確保するためにも、弁当や水筒の持ち込みは緊急避難的に認めるべきと考えます。教育長の考えをお聞かせください。

(以上)
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(以下、教育長の答弁抄録)

 全小中学校あわせて一日の給食食材は約千種類ある。それらを昼までに調理しなければならない。また、それら全ての食材の放射能汚染を調査することはできない。できたとしてもごく限られた量のサンプリング調査になってしまうだろう。現実には難しいと考える。サンプリング調査は考えていない。

 民間のスーパーマーケットのようなところで産地表示することの意味は分かる。消費者は産地表示を見て、食材の選択ができる。しかし、給食で産地表示をしても、調理するものを子どもたちが選別できるという次元の話にはならない。学校が仕入れの段階で安全な食材を購入しているので、産地表示の必要はないと考える。

 学校給食の安全性をめぐって、保護者の方々の間に大きな不安があることは理解している。栄養士をはじめ学校側も努力をしながら安全な給食の提供に努めている中、このまま相互に不信感が募っていくとしたら、大変不幸な話である。そのことを危惧しなければならない。これまでも安全な給食ということで提供してきていることには変わりはないが、弁当や水筒の持ち込みについては多少、柔軟に対応していくことを考えたい。
 
(以上)
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 昨日、一昨日も申し上げました通り、私の記憶に頼ったメモですので、教育長答弁の言葉一つ一つが絶対的に正確だとは言い切れません。(これは正式な議事録ではありませんし。)ですが、だいたいこういった趣旨の答弁だったと思います。その上での、以下のコメントです。

 食材のサンプリング調査については、毎日、千種の食材すべてを午前中に検査することはそもそも要望していません。わざわざ「それは不可能に近いこと」とまでことわっています。だから、「できるところからでよいと思います。」と最初の質問で申し上げたのです。例えば、NaIシンチレーションサーベイメータを2、3個購入して、本当に限られた校数と種類数になると思いますが、できるところからの検査でもよいと思うのです。そして機器の数は限られているので、あとは各校を巡回して検査すればいいのです。科学的に安全性を証明する方法としては、決して効率的とは言えないかもしれません。しかし、学校側が巡回でサンプリング調査を実施するだけでも、保護者の不安感除去に寄与する効果は大きいと思います。

 それから、NaIシンチレーションサーベイメータは約50万円くらいから入手できます。食材の放射能汚染を測るため機会は、なにも、都道府県が持っている何千万円もするような危機ばかりではありません。

 産地表示については、確かに、教育長の説くように、給食食材の産地表示の実施によってその食材を選別することについては、スーパーマーケットにおけるそのような場合よりも効果は薄いかもしれません。給食はそもそも残すことは前提にしてもいません。しかし、汚染が疑われる食材がすでに提供されてきたという事実があります。その点を指摘しているのです。○×産の肉と事前に分かれば、食べる食べないの選択ができるようになります。汚染食材が混入しているかもしれないという緊急事態下においては、給食を残す、残さないの問題以前に、食材の情報をできるだけ提供し、選択権を区民に保障しておくことが優先されるべきだと思います。

 また、放射線問題がなかったとしても、食育の観点からは産地表示はぜひ実施していくべき事項であると考えます。というのは、食材の産地表示をすることで食材と生産者、生産地について子どもたちが学習する機会が増大することが期待されるからです。(注1)

 9月30日の私の一般質問の中で、最後に取り上げた弁当と水筒の持ち込み許可の議論が、唯一、行政側とかみあったものと言えそうです。もっとも、私は、国の食品検査に不備があり、区はサンプリング調査も産地表示も実施していないので、子どもたちの選択権と健康権を確保するために弁当・水筒の持ち込みを認めるべきだと申し上げました。しかし、教育長は直接それには触れていなかったと思います。

 そうではなく、教育長は、給食に不安感を募らせる保護者側と安全な給食の提供に努力している学校側との間に不信感が募ることに危機感を抱き、弁当・水筒の持ち込みについて弾力的に考えたいという話でした。弁当・水筒の持ち込みを認めるにいたった背景は微妙に違うようですので、複雑な気もいたしますが、ともあれ、弁当・水筒の持ち込みを認める方向性を答弁で示してくれた教育長には感謝したいと思います。結果的には、子どもたちがどちらかを選ぶという選択権は確保されたことになるのですから。

 以上、9月30日の一般質問について、3回にわたって報告してまいりました。


(注1)学校給食法第2条「学校給食の目的」の第1項の6に次のようにあります。「我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。」と。産地表示はこの学習目標に近づくために役立つと思います。




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砂場の線量調査実施基準の矛盾の改善を(9月30日一般質問 その2)

2011-10-02 00:11:10 | 地方自治
 昨日の一般質問の続きです。

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(以下、一般質問)

 次に、砂場の放射線量測定の基準について伺います。

 区は、多くの区民や各会派からの声を受け、6月下旬から空間線量の測定と結果の公表を始めました。8月下旬からは、さらに規模を拡大し、小中学校、幼稚園、保育園、公園などおよそ540カ所の砂場の放射線測定が開始されました。先月から今月にかけての調査において、すでに年間1ミリシーベルトの基準値を超えてしまう時間当たりの測定値、毎時0.25マイクロシーベルトに抵触したのは西瑞江、西葛西、平井などに8カ所ありました。

 江戸川区は、守谷市・柏市・松戸市・葛飾区と続く放射線ホットスポットの最南端であると言われております。総人口の15パーセントにあたる9万6000に及ぶ年少人口という子どもの多さを考えても、充実した測定をはじめ、適切な放射線対策が求められてしかるべきと考えます。

 区では、毎時0.25マイクロシーベルト以上を記録した場所では、さらに1~2回の測定、つまり合計2~3回の測定を実施し、対策が必要ならば、砂の入れ替え等を実施するとしています。実際、9月13日の測定で毎時0.33マイクロシーベルト、二度目の9月20日に毎時0.38マイクロシーベルトの測定値が出た西瑞江公園については、表面から20センチメートルの砂を取り除き入れ替える除染対策を施しています。この対応は結構なのですが、第六葛西小学校のように最初に毎時0.25マイクロシーベルトを記録し、その後の二回目、三回目で0.25を下回る結果が出ているケースでは、必ずしも砂の入れ替えを行うとはかぎらないと聞いています。

 ここで生じる疑問は、なぜ最初の測定で毎時0.25マイクロシーベルトという、砂の入れ替えが要請されるかもしれない場所だけ、複数回の測定を実施するのか、という点です。おそらく、複数回実施するのは、測定の度に空間線量の測定誤差が生じるため、できるだけ複数回実施したほうがいいという考えによるのでしょう。この考え自体は一見、理にかなっています。しかし、そこには矛盾があります。それは、ではなぜ最初の測定値が0.25を下回ったところでは、これについても測定誤差が生じる事情は同じであるにもかかわらず、平等に540カ所で複数回の測定を実施し、その平均を基に除染対策を実施しないのでしょうか。どう考えても、そこにはダブルスタンダードが存在します。

 測定の実施基準にこうした矛盾があるままでは、毎時0.25マイクロシーベルトを超えた高い地点だけ何度も測定を実施するのは、対応する必要がない低い値が出るのを期待しているのでは、と疑われかねません。単純に考えても、この実施方法には少し首をかしげてしまいます。やみくもに540カ所、あっちもこっちも除染せよと申し上げているわけではありません。除染した場合、その土の処理の課題があることも認識しています。しかし、実施ルールが恣意的に見えてしまうのはよいことではありません。ぜひ統一的な整合性のあるルールに修正し、区民が広く「実施してもらってよかった」と納得できるような方法で測定していただきたいと思います。現在の540カ所の砂場の線量測定ルールの改善についての区長のご所見を伺います。

(以上)
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(以下、区長の最初の答弁抄録)

 確かに、理想を言えば、何回も測定して平均値を求めるのがよいと思う。しかし、どんな測定にも誤差は出てくる。だから、最初に高い測定値が出たところは注意すべきところということで複数回測定している。

 毎時0.25マイクロシーベルトという値も、どこかに除染対策するしないの判断を下す基準をおかねばならないので、ICRPの示す年間1ミリシーベルトに則ってこれを基準値としている。

(以上)
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 さて、この区長答弁を聞いて、私はどうしても納得ができませんでした。そもそも「毎時0.25マイクロシーベルト」については問題にしておりませんでしたし。

 なぜ測定方法のダブルスタンダードを解消しないのでしょうか。これは誰でも感じる疑問だと思います。区長の答弁はそれにはあまり正面から答えていませんでした。そこで、もう一度分かるように答えてほしいと、再質問しました。

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(以下、区長の二回目の答弁抄録)

 こういう測定方法は身近な事例にもあると思う。例えば、私たちの健康診断でもそうだ。血圧、血糖値などいろいろ調べて、そのうち血圧だけが高ければ、血圧だけを再検査する。同じこと。

(以上)
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 みなさん、納得できますか?

 確かに、健康診断では危険信号の出たところだけ再検査します。ですが、健康診断で行う再検査って、検査方法も意味も全然違うと思うんですけど・・・。

 再検査は通常、同じ検査の繰り返しをしてその平均値をとるために行うものではありません。検査方法をより精密なものに切り替えて、問題個所をクローズアップさせ、より詳しいデータを得るために行うものです。検査機関についても、より高度な医療機器を備えている専門病院などに行くように勧められます。同じ検査を繰り返して平均出したりしません。

 今回、私が問題視しているのは、同じレベルの測定にもかかわらず、場所によって誤差に対するアプローチや測定条件が統一化されていないという点です。区は同じ測定なのに、あるところでは1回、あるところでは2回、またあるところでは3回行っています。別に意地悪に考えるつもりはないのですが、何度考えても頭をひねってしまいます。

 何でこれが健康診断の再検査と同列の問題になってしまうんでしょう・・・?

 私は再質問で残り時間を使い切ってしまっていましたので、三回目の発言はできませんでしたが、何ともかみ合わないやりとりに終わってしまいました。ちょっと残念。 
コメント (2)
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低線量被ばくにおいては予防原則の適用を(9月30日一般質問 その1)

2011-10-01 01:53:41 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 昨日、江戸川区議会第三会定例会の二日目の一般質問があり、六番目の登壇者として私も質問をいたしました。自分が質疑をしている最中は、次の意見の組み立てをしながら考えたりし、なかなか執行部(行政)側の答弁をきちんとメモしきれないものです。そんなのは、私だけかな?

 今日の最初のポイントであった予防原則の適用については、あまり正面からの区長答弁もなく、かといって否定的な答弁であったわけでもありません。まず冒頭、私の一般質問の予防原則部分の質問文を貼り付け、そのあとにい区長答弁要旨を記します。

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(以下、一般質問)

 低線量の被ばくをめぐる人体への影響については、専門家の間でさまざまな見解が示されています。専門家の見解が分かれているということは、とりもなおさず、統計学的な裏付けが乏しいということです。過去に十分な事例があり、統計学的にも他に解釈のしようがないというほどの優位性が確立されていれば、専門家の見解が食い違うことはまずありません。

 現在、放射線の安全な取扱いや基準作りを目指す学術組織である国際放射線防護委員会(ICRP)は、この低線量被ばくの発がんリスクについては、閾値なし直線仮説というものを採用しています。この仮説の内容は分かりやすいものです。がんの原因には喫煙、生活習慣などさまざまあります。放射線量が100ミリシーベルト以下と少なくなればなるほど、その人のがんの原因を科学的に特定することが難しくなります。それゆえ、科学的に証明できない低線量被ばくでの発がんリスクについては、とりあえず線量に応じて増減するとみなす、という立場、これが閾値なし直線仮説です。江戸川区で招聘した中川恵一氏が「哲学」の領域と説明していた部分の理屈です。

 この低線量被ばくとリスクの関係という「哲学」領域では、直線的かつ確率的にリスクが増減するということですから、ここには閾値という考え方も存在しなければ、当然、放射線に対する許容限度値も安全基準なる値も存在しません。基準値が出ないのがおかしいのではなく、基準値は存在しないのであり、それを望むのはないものねだりということになります。
区長は、第二回定例会において同僚議員に対する答弁の中で「測定すればそれでいいというものではないということは、皆さんよく御存じだろうと思うんです」とおっしゃっていました。しかし、私はむしろ逆だと思います。低線量被ばくリスクについては科学的に証明されていません。放射線研究の専門機関ではない行政が、測定値について妙に「安全」「危険」という評価を採用することこそ危険だと思います。数値を評価することに意味があるのではなく、住民要望にこたえ、数値を測定し、それを迅速に公表することにこそ意味があるのだと思います。

 中川氏は低線量被ばくとがんリスクのグレーな関係部分を「哲学」と表現していますが、同氏がこのように表現しているということの意味を正しく理解しなければなりません。繰り返しますが、中川氏はこの部分を「科学」とは言っていません。「哲学」と呼んでいます。低線量被ばくとリスクの関係に統計学的裏付けが乏しいことについては、放射線の専門家である中川氏も一番よく知っているお一人です。それゆえ、このグレーな領域を「科学」ではなく、「哲学」と表現しているのです。ここを正しく応用するなら、中川氏が「安全だ」「安心して生活できるレベル」だと言っている現在の低線量被ばくリスクは、科学ではなく、哲学だということです。「安全だ」というのは中川氏の理念、解釈であり、科学者の口から語られた科学ではなく、科学者の口から語られた哲学の部分だということです。

 江戸川区は、中川氏の主張する、現在の低線量被ばくは安全という解釈を強く採用してきました。しかし、すでに述べたとおり、現在の低線量被ばくを危険と評価する逆の専門家も少なくありません。現況の放射線レベルについて、大人には影響は少なくても、子どもへの影響は気にすべきという見解もあります。中川氏は放射線の専門家であり、そのアカデミックな場における主張を素人の私がとやかく言う立場にはありません。しかし、専門機関ではない行政が、安全宣言派だけの一方の見解ばかりを採用するということは適切なことなのでしょうか。疑問が残ります。

 では、専門家によっても百家争鳴の様相で主張が異なり、科学的にも証明されていない低線量被ばくのリスクについては、どのように考え、対応したらよいのでしょうか。答えは、統計学的にも安全か危険かの判断を下すのに時間や労力がかかる事例においては、安全・危険の判断をいったん中止し、むしろ将来の健康被害が広がらないように予防原則に則って、リスクを疑わせる要因の除去に向けて対応していくという姿勢が求められているということです。これが、いま国においても自治体においてもとるべき対応だと言えます。この主張は、東大の児玉龍彦氏や中部大の武田邦彦氏らが唱えています。

 この予防原則が求められる事例は決して少なくないと思われます。特に、ある事業者と公害問題との関連性などが疑われる事例においては、この予防原則の適応が期待されます。例えば、水俣病、イタイイタイ病などでは、実際に大きな健康被害が観察され始めていても、その原因と健康被害に対する因果関係の科学的な証明に長い年月を要するため、原因と疑われる汚染物質の拡散防止措置が講じられぬまま、被害者だけが増加し続けるという事例です。こうした場合、原因と健康被害について科学的に証明された時にはもはや取り返しのつかない健康被害の拡大が生じているということになります。健康被害を最小限にくいとどめようとするなら、安全・危険の判断にこだわるのではなく、むしろ原因を疑われる要因の排除対策を推進しておくということになります。これが予防原則です。

 放射線による十年後、二十年後の健康状況は分かりません。将来に起こるかもしれない健康被害を防ぎ、現実の社会的対応を考慮に入れるなら、安全・危険の判断に腐心するよりも、予防原則に基づいて行動すべきと考えます。この予防原則による対応について、区長はどのようにお考えでしょうか。ご所見をお伺いします。

(以上)
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(以下、区長答弁抄録)

 低線量被ばくの健康リスクについては、木村議員の話のとおりグレーな領域で、専門家によっても見解が異なる。中川氏や福士氏もそのように説明していたと思う。確かに、ご指摘のように、基準値や安全値というのはないのかもしれない。しかし、それでも行政としては何らかの指標を示さないといけない部分がある。悩ましい。基準は住民合意で決めよ、と言われることもあるが、その住民合意はどのように形成するのか。簡単な話ではない。区としては最大公約数と思われる数値を採用するしかないと思う。

 予防原則という考え方も、確かにその通りだと思う。しかし、どこかに基準値を決め、予防するしかない。

(以上)
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 区長からの答弁はだいたいこういった趣旨であったかと思います。この予防原則については、私の取り上げ方も具体的施策の話ではなかったので、ちょっと取り留めのないやりとりになってしまいました。全面対決のやり取りではありませんでしたので、私も再質問ではくどくど取り上げませんでした。むしろ次の議論に焦点を絞りましたので(それは明日、アップします)。

 ただ一点、私の今回の一般質問すべてがこの予防原則の視座からの質問であり、その視点から行政の対応改善を求めているのだということを強調しておきました。

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