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はびこるエセ育児情報に警鐘を鳴らす、『子どもを守るために知っておきたいこと』 その1

2016年10月16日 | 新聞や雑誌の記事
毎月のように、新しい子育て本、教育本が書店に並ぶ。教育熱心な親、子育てに悩む親がそれだけ多いということなのだろう。教育に関してはさまざまな考え方があり、どのような考え方を選ぶかは各家庭の裁量だ。ただ、一つの考え方に固執するよりも、他種多様な手段・方法・考え方を知って選択肢を持っておきたい。正解はないが、結果はあるのが子育て。あなたは親としてどう子どもと向き合いたいだろうか。この連載では、教育関連本を出版した著者の方たちにインタビューしていく。

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 『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』(メタモル出版)の著者は全部で13人。医師や看護師、大学教授、ジャーナリストなど、医療や教育の専門家たちが、自分たちの専門領域から「知っておきたいこと」を平易な言葉で伝えている。2016年の今、ネットの情報は玉石混交だ。インターネットは便利で誰でも情報を発信できる。平等であるがゆえに、専門家の言葉も匿名の一般人のブログも、同じように検索でヒットする。場合によっては、専門家の言葉が軽んじられ、根拠のない妄言が瞬く間に拡散されていくこともある。子育てについての情報も例外ではなく、間違った情報があるばかりか、中には有害で危険な情報さえ混じっている。このことに真っ向から警鐘を鳴らしたのが本書だ。執筆者の一人、産婦人科医の宋美玄さんと編集担当者にお話を聞いた。

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宋美玄(そん・みひょん)
産婦人科専門医、医学博士。1976年、兵庫県神戸市生まれ。臨床医を務めるかたわら、テレビや雑誌などで妊娠、出産、性などについての啓もう活動を行っている。『産婦人科医ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK』(メタモル出版)など著書多数。

インターネット上に蔓延する適当な育児情報

はびこるエセ育児情報に警鐘を鳴らす、『子どもを守るために知っておきたいこと』
『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』(宋美玄、他 著、メタモル出版)拡大写真
――宋先生は本書で育児についてと、「はじめに」の文章を書いてらっしゃいます。「はじめに」を読んだとき、宋先生の怒りのようなものをとても感じました。※「はじめに」はウェブ上にもアップされている。

宋:そうなんですよ(笑)。

――特に「一億総姑現象」という言葉が面白かったです。子育てについては正しいと思い込んで「こうしなよ、これがいいよ」とアドバイスする人が多いけれど、それが間違っている場合もあるという。

宋:子ども生んだ瞬間に全員母っていうレッテルを貼られ、アドバイスを受けないといけない立場になるとか、おかしいですよね。しかも、離乳食の開始は遅らせたほうがいいとか、食べたものが母乳に出るから卵とか小麦粉とかアレルゲンは食べないほうがいいとか間違ったアドバイスをする人がとても多いんです。

――宋先生はツイッターでも頻繁に情報発信されていらっしゃるので、ネット上での間違った情報もたくさん目にしていらっしゃるのかな、と。

宋:私が見るというのもありますが、患者さんから質問があります。何かの症状があったときにネットで調べる方が多いんですね。(体に変調があって)調べたら「こういう病気が考えられます」という情報がヒットするので、それに囚われちゃう。妊娠するとやっぱりみんなネットで検索するみたいですね。

――手軽に調べられますからね。調べること自体はいいけれど、そこで正確ではない情報が出てきてしまうのが問題ですね。

宋:たとえば「母乳が出ない」で検索したら、上の方に出てくるのって大抵誰がどう運営しているのかわからないようなコラムサイトなんですね。(検索結果の)1ページ目に、まともな情報が全然出てこない。ご夫婦で受診されて、旦那さんが「もうネット検索はやめて」と言ってるのに、奥さんはちょっと調べてみると不安な情報が出てくるからさらに調べてしまう……とか。

――正確な情報提供が目的ではなく、SEO対策のために作られているコラムサイトは多いと感じます。

宋:ライターさんにこういうこと言うのも失礼ですけど、ライターさんといっても様々じゃないですか。ライター募集について「初心者でもOK」「文章はコピペでいい」っていうような内容が書いてあったりして。(正確ではない情報の掲載された)コラムサイトを読んだライターさんがそれを参考にして少し表現を変えてまた違うコラムサイトで書いて……とか、コラム同士がセックスして増殖しているみたいな感じで(笑)。そういう構造を、何とか変えられないものかと思ってるんですけど。

――確かに、誰でもライターになれて記事を書けるという状況はありますね……。ネット上ではさまざまな企業が運営するニュースサイト、コラムサイトが乱立しています。中には、編集部が情報を精査する役割を果たしていないところもあると思います。

宋:記事の下にすごくちっちゃい文字で「当サイトはこのコラムの内容に関して責任を負いません」みたいな注釈が書いてあって(苦笑)。ブロガーとかもそうですけど、その人の体験談が交えて書いてあったりするんですよね。体験談って、エビデンスレベルはすごく低いんだけど、共感を呼ぶんですよ。心に引っかかる。逆に、データとか数字の話は、たぶんさらーっと読んじゃって引っかからないんですよね。真偽不明な情報を、(受け取る側も)真偽不明ってわかりながら振り回されているところはあるんですよね。
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