2013年に発売された『嫌われる勇気』で一躍有名になったアドラー心理学。
今回ご紹介する『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』はそんなアドラー心理学を元に、子育てにおいて親はどうすべきなのかが分かりやすく解説された書籍です。
この本の表紙には「叱ってはいけない、ほめてもいけない」というコピーが書かれています。これはいったいどういうことなのでしょうか?「ほめてはいけない」という言葉に疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
そこで本書のポイントをピックアップしてお届けします。早速見ていきましょう。
叱られてばかりの子は“スケールの小さな子”になる
子どもは適切な行動をしたときに、親に何も言ってもらえなければ、敢えて叱られることをして親の注目を自分に向けようとします。
そして叱られると、しばらくは問題行動を止めますが、それはただ親が怖いだけ。叱られ続けていると、次第に積極的に行動しない、スケールの小さな子どもになってしまいます。
ではどうすればいいか。それは普通に言葉で説明するということ。
大人と子どもは知識や経験の面で同じではありませんが、人間としては対等です。子どもを叱るというのは子どもを対等に見ていない証拠だといいます。
子どもだって対人関係において、誰かの下に置かれるのは好みません。こうして親子の関係が悪くなってしまうのです。
ほめると“ほめられなければ頑張らない子”になる
ではほめることはどうかというと、これも考えものだといいます。
確かにテストで良い成績をとったときなど、子どもはほめられると嬉しいでしょう。でも、「必ずほめられなければいけない」と思うと、ほめられなければ頑張れない子どもになってしまいます。
ゴミが落ちていても、周りにほめてくれるような人がいなければ拾わないというのも同じことです。
子どもは良い成績をとれば、それだけで満足しているはず。親が追加支援する必要はないといいます。また成績が悪くて子どもが落ち込んでいたとしても、それは子どもが自力で解決する問題です。
親はなぐさめたいと思うかもしれませんが、そうすると、子どもはいつも誰かに声をかけてもらわなければ苦境を乗り切れなくなってしまうのです。
他の人が必ず声をかけてくれるとは限らないということは、子どもも知っておくべきなのだといいます。
子どもの貢献に注目して声をかけることが大切
例えば、子どもが電車の中でおとなしくしていたとします。そんなとき、「静かにしていて、えらいね」と声をかける親もいるでしょう。
しかし、これは先ほどの例と同じくほめられないと適切な行動ができなくなることにつながります。また、電車の中で騒がず座っているというのは本来当たり前のことなので、それを大げさにほめるというのは子どもを対等に見ていないことになります。
こんなときに必要なのは、「静かにしていてくれてありがとう」などと、子どもの貢献に注目して声をかけることだといいます。
子どもは親から注目されるために、最初はいい子になろうとしますが、親がそのことに気づかなかったりすると、わざと問題行動を起こして叱られようとします。
ですから、親は子どもにそのどちらもしなくてもいいということを教える必要があるのです。静かにしていれば他人に貢献できるということがわかれば、子どもは大人を困らせるようなことはしなくなります。
子どもへの余計な干渉が親子関係を悪くする
あらゆる対人関係のトラブルは他人の課題に土足で踏み込むことから始まるといいます。それは親子であっても同じこと。
たとえば子どもがいつまでもゲームをしていたり、テレビを見ていると、つい「勉強しなさい!」「宿題は終わったの?」などと言ってしまう人も多いでしょう。
しかし、そもそも勉強することは子どもが自分で取り組むべき課題であり、成績が下がったとしてもその責任は自分がとるしかありません。親だからといって、子どもの課題に介入することはできないのです。
子どもが自分で何とかしなくてはと思っているところに、親から「勉強しなさい」と言われると、たいていは「うるさい」「ほっといてくれ」と思うでしょう。大人が他人から自分の課題に介入されるのが嫌だと感じるのと同じです。
*
理論は理解できても、それを実践するのは難しいと考える人もいるかもしれません。しかし大切なのは、子どもとこれまでとは違った方法で接してみようという勇気を持つことだといいます。
新しい考え方を受け入れるのは簡単ではありません。
しかし子どもとの関係をよりよくしたいと考えるなら、思い切って取り組むことで、子どもだけでなく、自分自身にも大きな変化を感じられるのではないでしょうか。
今回ご紹介する『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』はそんなアドラー心理学を元に、子育てにおいて親はどうすべきなのかが分かりやすく解説された書籍です。
この本の表紙には「叱ってはいけない、ほめてもいけない」というコピーが書かれています。これはいったいどういうことなのでしょうか?「ほめてはいけない」という言葉に疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
そこで本書のポイントをピックアップしてお届けします。早速見ていきましょう。
叱られてばかりの子は“スケールの小さな子”になる
子どもは適切な行動をしたときに、親に何も言ってもらえなければ、敢えて叱られることをして親の注目を自分に向けようとします。
そして叱られると、しばらくは問題行動を止めますが、それはただ親が怖いだけ。叱られ続けていると、次第に積極的に行動しない、スケールの小さな子どもになってしまいます。
ではどうすればいいか。それは普通に言葉で説明するということ。
大人と子どもは知識や経験の面で同じではありませんが、人間としては対等です。子どもを叱るというのは子どもを対等に見ていない証拠だといいます。
子どもだって対人関係において、誰かの下に置かれるのは好みません。こうして親子の関係が悪くなってしまうのです。
ほめると“ほめられなければ頑張らない子”になる
ではほめることはどうかというと、これも考えものだといいます。
確かにテストで良い成績をとったときなど、子どもはほめられると嬉しいでしょう。でも、「必ずほめられなければいけない」と思うと、ほめられなければ頑張れない子どもになってしまいます。
ゴミが落ちていても、周りにほめてくれるような人がいなければ拾わないというのも同じことです。
子どもは良い成績をとれば、それだけで満足しているはず。親が追加支援する必要はないといいます。また成績が悪くて子どもが落ち込んでいたとしても、それは子どもが自力で解決する問題です。
親はなぐさめたいと思うかもしれませんが、そうすると、子どもはいつも誰かに声をかけてもらわなければ苦境を乗り切れなくなってしまうのです。
他の人が必ず声をかけてくれるとは限らないということは、子どもも知っておくべきなのだといいます。
子どもの貢献に注目して声をかけることが大切
例えば、子どもが電車の中でおとなしくしていたとします。そんなとき、「静かにしていて、えらいね」と声をかける親もいるでしょう。
しかし、これは先ほどの例と同じくほめられないと適切な行動ができなくなることにつながります。また、電車の中で騒がず座っているというのは本来当たり前のことなので、それを大げさにほめるというのは子どもを対等に見ていないことになります。
こんなときに必要なのは、「静かにしていてくれてありがとう」などと、子どもの貢献に注目して声をかけることだといいます。
子どもは親から注目されるために、最初はいい子になろうとしますが、親がそのことに気づかなかったりすると、わざと問題行動を起こして叱られようとします。
ですから、親は子どもにそのどちらもしなくてもいいということを教える必要があるのです。静かにしていれば他人に貢献できるということがわかれば、子どもは大人を困らせるようなことはしなくなります。
子どもへの余計な干渉が親子関係を悪くする
あらゆる対人関係のトラブルは他人の課題に土足で踏み込むことから始まるといいます。それは親子であっても同じこと。
たとえば子どもがいつまでもゲームをしていたり、テレビを見ていると、つい「勉強しなさい!」「宿題は終わったの?」などと言ってしまう人も多いでしょう。
しかし、そもそも勉強することは子どもが自分で取り組むべき課題であり、成績が下がったとしてもその責任は自分がとるしかありません。親だからといって、子どもの課題に介入することはできないのです。
子どもが自分で何とかしなくてはと思っているところに、親から「勉強しなさい」と言われると、たいていは「うるさい」「ほっといてくれ」と思うでしょう。大人が他人から自分の課題に介入されるのが嫌だと感じるのと同じです。
*
理論は理解できても、それを実践するのは難しいと考える人もいるかもしれません。しかし大切なのは、子どもとこれまでとは違った方法で接してみようという勇気を持つことだといいます。
新しい考え方を受け入れるのは簡単ではありません。
しかし子どもとの関係をよりよくしたいと考えるなら、思い切って取り組むことで、子どもだけでなく、自分自身にも大きな変化を感じられるのではないでしょうか。