内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

悪魔よりおぞましいことができる人間 ― シュトリュットホーフ強制収容所訪問記

2017-07-14 22:25:16 | 雑感

 よく晴れた青空から注ぐ夏の陽射しの熱と高原を吹き渡る微風の涼とを肌に感じながら、第二次世界大戦中現在のフランスの国土に存在した唯一の強制収容所であるシュトリュットホーフ強制収容所を昨日訪れた。これで六度目か七度目になる。人をアルザスの観光に誘う度に、本人が同意した場合に限って、私はその人をここに連れて行く。
 1941年5月に起工されたこの収容所は、もちろん当時のフランス国家によってではなく、その前年にドイツ占領下に入ったアルザス地方にドイツ第三帝国ナチス体制下、そこに収容される囚人たち自身によって建てられた。1944年11月にアメリカ軍がこの収容所を発見するまでに、およそ二万人の囚人がこの収容所内あるいはその周辺の付属収容所で命を奪われた。収容所から二百メートル下ったところにはガス室もあった。
 収容所の敷地はそのまま保存され、当時囚人が収容されていた建物の一部は、内部が展示室として改装されている。死体焼却炉があった建物も囚人の人体解剖が行なわれた手術室も内部を見ることができる。ガス室も内部を見学できる。
 昨日は、ちょうどガイドが案内を始める時間に着いたので、以前の訪問では知ることのできなかった事実もそのガイドから聴くことができた。
 収容所が建設される前はスキー客で賑わう冬のリゾート地であったこの美しい高原に佇み、周囲の緑の山並みから視線を眼下の収容所に転ずる度に私は思う。悪魔を己の想像力で生み出すことができた人間は、その悪魔よりもおぞましいことを、同じ人間に対して、或いは他の生き物に対して、平気で或いは正気で、できることを。











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