内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

反行為とは何か ― ジルベール・シモンドンを読む(149)

2016-11-07 01:05:05 | 哲学

 反行為とは何か。それは、他の諸行為が形成する意味の連環を吸収し、それを破壊する反生成過程である。反行為は、諸行為を誤った導線に引き込み、行為の主体に己を見失わせる。それは、他の行為に取りつき、一つの行為であるかのように装う。
 これが、反道徳的なものとしての唯美主義(esthétisme)である。ある一つのスタイルに固執し、それに従って諸行為を統一することに専心し、それによってそれらの行為が内包している転導性を犠牲にする。

L’esthétisme est un parasite du devenir moral ; il est création de formes abstraites dans l’existence du sujet, et illusion d’unification selon ces formes abstraites (p.335).

唯美主義は道徳的生成に寄生する。主体の実存の中に抽象的な形を作り出し、その抽象的な形に従って統一の幻想をもたらす。

L’esthétisme, qui veut des actes toujours nouveaux, se ment à lui-même en un certain sens et devient une itération de la nouveauté selon la norme extrinsèque de nouveauté (ibid.).

唯美主義は、つねに新しい行為を望み、ある意味において己を偽り、新しさの外的規範に従って新しいことを繰り返す。

De même, le conformisme ou l’opposition permanente aux normes sociales sont une démission devant le caractère d’actualité des actes, et un refuge dans un style d’itération selon une forme positive de coïncidence ou négative d’opposition par rapport à un donné (ibid.).

それと同様に、体制順応主義も社会的規範への恒常的な対立姿勢も、行為が有している現在性という性質を前にしての責任放棄であり、与えられた現実のスタイルに一致する肯定的形かそれに対立する否定的形に従って反復されるだけのスタイルへと逃げ込む。











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