手技療法の寺子屋

手技療法の体系化を夢みる、くつぬぎ手技治療院院長のブログ

ひとりでできる!! 関節あそび検査練習法 その3

2009-12-05 20:00:00 | 学生さん・研修中の方のために
≪前回からのつづき




さて、今回は 『側方すべり』 を検査しましょう。


部位は前回と同じ、示指のDIP関節です。







中節骨のつかみ方は前回と同じですが、末節骨はこのように、まん中(体部)をつかみます









そして、つかみ方のイメージは万力で固定するような感じです









そのまま、末節骨を床方向へ平行移動させましょう



いかがでしょう。末節骨が関節面上を滑っているのが感じられましたか?







前回の 『側方傾斜』 と比べて、『側方すべり』 は、やや感じ取るのが難しいかもしれません。


手元だけをみると、開始時と終了時を比べても、あまり動きがないようにみえます。


開始肢位



終了肢位








ここで重要なことがあります

わからないからといって指先だけの力で動かしていたら、ますますわからなくなります


身体の力を使って検査するわけです










過去の記事にも書きましたが、

小さな操作は大きな動作で行うようにします (記事へのリンクはこちら)


開始肢位から




床方向への側方すべりをみたときの動きです。




よく比較してみてください。


 開始肢位とくらべて、右胸郭が下がり、脊柱もやや右に側屈しているのがわかるでしょうか


(セルフタイマーで撮ったので、位置は微妙にずれています)


つまり体幹と胸郭の力を末節骨に伝えることで骨を動かし、指先は側方すべりを感じ取ることに専念しているわけです 






んっ、身体の力を指先に伝え、指先は感じることに集中する…


何だか、聞き覚えがありませんか?


そう、ASTRのフックやマッサージでのコンタクトなど、これまで繰り返しお話ししてきたことです。


関節可動検査でも同じことがいえるんですよ。







つづいて、天井側への側方すべり検査はこのようになります。




前回、骨をつかむときは万力で固定したように止め、それ以上おさえこまないようにしてくださいとお話した理由は、指先の力を最小限にするためです。


慣れれば慣れるほど、軽い力でも『骨をつかんだ』感覚がわかり、検査できるようになります
 







さて、ひとりでできる練習法として、示指PIP関節のあそび検査をご紹介しましたが、 この感覚さえつかめたら、全身どこの滑膜関節でも同じように検査できます



さらに、この延長に関節モビライゼーションがあり、その最終段階にスラスト(=アジャスト=HVLA)があります。


ですから、関節モビライゼーションを行うには、関節あそび検査をきちんとできるということが必要条件になります







電車で、バスで、トイレで


または、テレビをみているときや、ヒマな授業のとき(先生に怒られますね)、こま切れの時間を利用して練習し、ぜひ感触をつかめるようになってください。



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