「戯言の部屋」

セピアス、戯言を語るの間

GHOST IN THE SHELL → STAND ALONE COMPLEX

2006-06-29 15:21:46 | Weblog
 最近の夜のお供(なんかえっちぃ言い方だな)は攻殻機動隊です。
 現在2nd Gigに突入しましたので、それまでの作品で「ウホッ!」と思ったことを書いてみやうかと。

 まず、「GHOST IN THE SHELL」から。
 大前提の設定として、草薙素子は全身義体をしているわけで。
 これはSTAND ALONE COMPLEXの第8話「恵まれし者たち~MISSING HEARTS~」でも触れますし、2nd Gigに至っては、かなり重要なファクターになります。
 で。
 全身義体となると、勿論顔も義体となるわけで。
 これは2nd Gigで有名なアノ台詞。
「いい顔をしているだろう?」に言われるが如く。
 本来、「表情がない」はずなんです。
 その点、STAND ALONE COMPLEXも2nd Gigも、素子は実に表情豊か
 8話の最後なんて、バトーににっこり「微笑み」かけてますかんね。

 映画「GHOST IN THE SHELL」では、義体らしさがかなり忠実だと思われます。

 この表情の無さ!
 まばたきすらしないんじゃないの?っていう目の感じ。
 流石は押井守です。
(でも個人的には、SACの紅い瞳の素子が好きw)

 映画の方は、なんというか「本当の存在、偽りの存在、その境界線が曖昧になるネットの世界で、アイデンティティーは一体何処にある」みたいなテーマがある(とセピは思っています)中。
 いかに機械の「高性能」さを出すかってのはかなり重要だったんでせうね。
 
 オープニングで素子が服を脱ぎ捨てますが、本来の光学迷彩使用を考えると、アレが正解。
 服状光学迷彩って、ありえない(って理屈で考えたいけないのかもしれませんが)
 凹凸は少ないのが望ましいのは間違いないと思うので。

 
 続きまして「STAND ALONE COMPLEX」
 これは作品のベースにサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』がありますが。
 
 まずですねー嬉しかったこと。
 最終話でトグサが投げ捨てる『ライ麦畑でつかまえて』の本ですが。
 これ、実際に発売されている↓白水Uブックスの本です。


 
 『ライ麦畑でつかまえて』は世界中で色々な言語に訳され発売されていますが、日本で発売されているものの中には「アメリカで発売された本を日本語訳したもの」「イギリスで発売された本を日本語訳したもの」とあるんですが。
 サリンジャー自身が「イギリス版は間違っている」と言ってあり、上記の本は訳者が初めて発売された『ライ麦畑でつかまえて』(ちなみに初版本はアメリカにて発売)を元に日本語訳したものなんです。
 だから、かなり初版本に忠実に訳されているというわけです。
 それを物語に起用してくれたことが嬉しく。
 ああ、こだわってんなあと・・・(考えすぎ?)

 最終回の書庫のシーンとかは特に、『ライ麦畑でつかまえて』好きにはたまらないんですよ。
 例えば、素子が階段下で赤いハンチングを手に取ります。

 嗚呼、ハンチング!!

 『ライ麦畑でつかまえて』の主人公が、NYで1ドルのハンチングを買い、それが物語り通じて出てくるんですね。
 というか、「人の心の温かさ」をあらわすファクターなんです。このハンチング。
 特にね~

 このように素子が、ひさしをぐるっと後ろに向けて被りますよね?
 これも『ライ麦畑でつかまえて』の中ではお約束の行動。
 というか、素子流の「ジョーク」なのだろうと、私は解釈してます。

 さらにさらに!
 書庫に続く階段を、素子が降りるところ。
 手すりに書かれた落書き↓

 これも、『ライ麦畑でつかまえて』で出てきます。
 小学校と博物館にあるイタズラ書きですね。
 これはアオイのイタズラなのか、スタッフのこだわりなのか判断つきかねるところですけど。
 っていうか、本当に細かいとこまで演出されている!!

 (✿ฺ´∀`✿ฺ)ノ グッジョ!

 さてはて。
 2nd Gigは、かなりこだわって細部まで見ていきたいですな。
 今日はこれからCDを買ってきますです~♪
 ではでは~。

デビューなレビュー

2006-06-26 21:17:21 | Weblog


 土曜日の朝。
 居間のテーブルの上にポツンと置かれた、私宛の小包。
 なんじゃらホイ?と思って開けたら・・・・。
 出てきたのは一冊の本。

 そう。
 『夢のつづき』(日本文学館より刊行)というタイトルのオムニバス本です。
 で。
 セピアスの小説が。
 なんとこの本に収録され7月1日に発売されます!!
 自費出版ではないですじょw
 私以外の作家も含んだのオムニバス本とはいえ・・・。

 私の小説が本に起用されました!!

 やったあああああ!!
 O(≧▽≦)O 嬉シィィ
 目次に載った、私の名前・・・嗚呼、これが見たくって私は物心ついた頃からずっと小説を書き続けてきたのです。
 とうとう・・・。
 とうとう・・・。
 完全な形ではないとはいえ・・・夢が叶いましたよ~(感涙)
 
 本当はその小説本の写真をUPしようと思ったのですが、刊行は7月1日予定なので、色々支障が出るかな?と思い自重。
 これでやっと、「小説家」としてのキャリアが出来ました!
 文学賞へ応募する時、いっつもなんか哀しかったんですよね。
 これはらは違うぞい♪

 7月になりましたら、より具体的に紹介いたしませう。
 いやはや。応援してくださった方々。

 本当にありがとうございます(ペコリ)

 小説家として、ささやかながら大きな一歩を歩きだせましたよ!! 


本来のテイストに戻ろう

2006-06-22 22:07:37 | Weblog

 最近、あまりに忙しく。
 記事が更新できにゃい。

 orz

 ほぼ12時間会社にいますから。
 絶対自分の仕事じゃない案件もやってる死。
 特にスタッフが5~8人しかいないのに、全回線(=20)鳴ってしまう時など
 ァ '`,、'`,、'`,、'`,、(´▽`) '`,、'`,、'`,、'`,、'`,、
 と、笑うしかない。
 最近は、ちょっと現実逃避が入る。
 現実]ε=ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ(←嬉しそう)

 時々イラっとしてるので、きっと後輩からは「ちょー怖い人」と思われているに違いない。
 むしろ、女王様キャラとか?
 ノンノン違うんですぅぅ~。
 イジラれキャラですからっっ!!

 最近錯乱気味だったこともあり。
 暗い記事ばっかりだったもんで。
 ここらで一発、私らしいテーマを。

 男性推理作家が描く女性キャラの戯言

 どーだ。私らしいだろ~ (>∀<)テヘッ☆

 常々常々、思っていたんですよ。
「ミステリ作家って、あんまり女性を描くの得意じゃないな?」
 とね(暴言)
 ま、魅せるところが「謎解き」と「テーマ」なので、そこに重きを置くモンじゃないんですが。
 時折ですねー「嗚呼、マジいただけない!!」と思うこともしばしば。
 一部の人の反感を買うこと必須で言ってしまいませう。
 個人的に・・・森博嗣京極夏彦
 森博嗣は特に・・・本気で嫌いになりましたから“西之園 萌絵”。
 こういうキャラが物語りを引き立たせるのかな?と思うも・・・いや、別に彼女がいなくてもいいだろ、とやっぱり思う。
 イメージは松たか子。
 松たか子嫌いですからね。なんかね、ぴったりとくるんです。
 次に京極夏彦。
 京極・・・「女性の描き方」さえよければ・・・好きな推理作家1位にランクインだったのに・・・。
 個人的な見解を述べると「狙い」すぎの感がある。
「こういうの、いかにも女子高生が憧れるタイプだろうな」と想定して書いたような感じが頂けない。現役女子高生だった私は、「女子高生の妄想に、こんないかにもなのあるかい。興ざめなり。」と思っていました。
 全国の京極ファンの方。まあ抑えて抑えて。
 ただの戯言ですから。
 京極の作品は、大変優れています。
 ただ、女性の描き方が私の感性に合わないだけですたい。

 その点、島田荘子は素晴らしい。
 女子高生も、女子大生も、スターも、近所のオバちゃんも。
 あらゆる立場・状況における「女性らしさ」がうま~く書かれている。
 本気で、「いるいるこういう人」とか「分かる分かる~」と膝を打ってしまいます。
 特にね、「プライドが高く、それが鼻につく女性」の描き方が天下一品。
 痛快ですらあります。
 以下は、『斜め屋敷の犯罪』の一節。
 社長とその娘が開くクリスマスパーティに、取引先の社長や秘書や部下が訪れ、自己紹介をする場面です。
 文中の「彼女」が、社長令嬢英子です。


「すぐお隣にいらっしゃる素敵なお洋服の方が、菊岡さんの秘書でいらっしゃる相倉さん。お名前の方は、何ておっしゃるんでしたかしら?」
 無論クミというい名を彼女ははっきりと憶えており、本名でないなと踏んでいた。
 しかし敵もさるものでまったく動じる気配はなく、堂々と砂糖をまぶしたような猫撫で声で、クミです、よろしく、と言った。
 この女はもまれている、、、、、、、と英子は思った。やはりホステス稼業の経験があるに違いない。
「まあ、素敵なお名前!普通の方、、、、じゃないみたい!」
 それからせいぜい時間を置いて、
「タレントさんみたいだわ」
と言った。
「本当に名前負けしちゃうんです」
 相倉クミはいっこうに男性用の声の調子を崩さない。
「私ってこんなにおチビちゃんだから、もっとスタイルいいと名前負けしないんですけど。英子さんみたいに背が高いといいんだけどなぁ」
 英子は一メートル七十三ある。そのためいつも地下タビのごときペタンコ靴しか履けないでいる。ハイヒールなど履けば、たちまち一メートル八十近くになるからである。英子もさすがに言葉につまった。

 素晴らしいぃぃ!!
 この憎々しさ。はっと息をつめてしまうような二人の牽制。
 d(>∀<)bグッジョ
 物語には、さらにこの二人の女性の戦いが描かれます。
 ああいう「いかにもな女性同士のどろどろ」感を描ける男性って、本当に凄いと思う。
 勿論、女性の勝気さや弱さや美しさも、島田荘子は「女性の目で見て共感」出来る。
 それってね、本当に凄いことだと思いますよ。

 セピの小説も、男性が主人公であることが多いですが。
 世の男性に「ああ、分かる分かる」と言っていただけるような男性を描いてません。
 訂正、描てません
 ソレほど文才がないのもそうですが、男性の目というフィルターを通していれど、やっぱり私が描いているのは「女心」だからではないかと。
 言い訳?
 まあ、いいじゃないですか。
 日々、精進していきますよん♪


こんな夜には 第三弾(抽象派テイスト)

2006-06-20 22:53:16 | こんな夜には
 時折、心が透明になる夜があります。
 長い時間封印してきた問題や、今の自分のあり方などが、残酷なほどくっきりと目の前に見えてきてしまうのです。

 私はいつも。
 深く満々と闇を湛えた井戸のへりに手をかけて、必死にぶら下がっているような。
 そんな風に時を過ごしています。
 見下ろせば、どこまでも続く暗がり。
 目を空へ転じれば、抜けるような青空。
 その狭間にいて、どっちつかずに漂っている。
 それが私です。

 井戸の底にはもう一人の私がいて。
 へりにいる私が落ちてくるのを、虎視眈々と待ち構えている。
 井戸の底はじっとりと濡れ、そして少しあたたかい。
 もう一人の私は、そこで膝を抱えながら、空ろな眼差しで中空にいる私を想っている。

 井戸の外は、眩しいほどに光が溢れた世界。
 底の底まで貫き通すようなその透明な光。
 私自身を白日の元に晒そうとする。
 影さえ蒸発してしまいそうな。
 そしてあらゆる事象、あらゆる風景が、尖った鉛筆でなぞったようにはっきりと見えている。

 健康的な日々に飛び込んでいくのも。
 アンダーグラウンドな世界に閉じこもるのも。
 今の私には決められない。
 なぜなら、それはどちらにもその場所でしか得られないものがあり、そしてその恩恵を受けて今の私が存在するから。

 でも。今。
 ほんの少しだけ、闇の色が濃くなったような。
 
 きっと貴方はこの光の中。
 くるりと私に背を向けて、まるで哀しい陽炎のように、光の中に溶けてゆくのでしょう。
 きっと貴方はこの闇の中で、蜘蛛の糸を掴むようにその手を伸ばしてゆくのでしょう。
 そして私は。
 そして私は・・・。

 ただ、今は思い切り眠りたい。
 惰眠を貪りながら、密やかな審判の足音を聞こう。
 心臓と羽を持って。
 厳かな秤が、私の行く末を高らかに告げるだろう。

クロマになりたい

2006-06-18 22:49:28 | Weblog

 再度攻殻機動隊な季節がやってきました。
 いかん。
 ダメだ。
 マジで愛している、この世界観。

 何度目になるか分かりゃしませんが、STAND ALONE COMPLEXからSAC 2nd GIGまで見直しています。
 もう少しでSTAND ALONE COMPLEXが終わるかな?というところ。
 同時にサントラCDも買う予定。
 なぜならカラオケで「inner universe」(=STAND ALONE COMPLEXのオープニングテーマ)を歌うも、満足に歌えなくて悔しかったから☆
 
 さらに衛星放送が受信出来るよう、申し込みをする予定。
 ・・・・嗚呼、ハマるととことん逝ってしまう。
 それが私なんです。

 で。
( ´艸`)ムププ
 今日はさらに新しいアイテムをばw



 じゃーん!!『攻殻機動隊 1.5』でごわす!!!
 未収録の漫画に加えてDVDがついている、ご垂涎もの。
 友人にこの存在を教えてもらい、「ぢゃあ、見かけたら買っといてよ。」などとのたまったら、本当に友人が買ってきてくれたといふ。
 冗談だったんだが・・・いや、本当にありがとう。

 中を読んでみると、本当に1と2の中間の話でした。
 しかもね~、所々のネタがSAC 2nd GIGに引用されている!!
 あー!!こりは~!!と何度叫んだことでせう。
 
 コミックスの1と2の背表紙が、銃の背をあらわしていることすら知らなかった、なんちゃって攻殻機動隊ファンの私ですが・・・。
 嗚呼、なんだか熱くなってきたぞいぞい♪


土曜日の午后 7

2006-06-18 00:54:05 | 土曜日の午后

 たまにはこんな試みもよいかと思い。
 物語風にお届けいたします第七弾。


 
まどろむような浅い眠りの中で
奇怪な夢を見た



探し物をしている
それは蒼く蒼く透通った
幼い日の憧憬のようなもの



螺旋階段を駆け下りていく
焦燥が 僕の後から
靴音を鳴らしてついてくる



「あれは井戸の名残ですか」
と、僕は問う
「いいえ、首を吊った後ですよ」
と女は答えた

驚いて振り返っても
ただ女の笑い声が
残響のように漂っているだけだった



あやかしの森では
おばあさんの皮を被った狼が徘徊している



夢のような現実と
現実のような夢と
その境目が分からない

ただ今 僕は
この世界にいて
必死に出口を探し続けている
 

 怖い夢。
 時々見ます。
 汗びっしょりになって目が覚めるけど、肝心の内容はよく覚えてない。
 でも胸の中には、じわりじわりと恐怖の温もりが残っている。
 
 余談ですが。
 高いところから落ちる夢って、確か吉兆のしるしらしいですよ。
「おーちーるー!!」
 というアノ恐怖は、とてもじゃないですがいい夢とは思えませんが。
 確か・・・それまでのいただけない状況からの離脱かなんかを意味していたやうな。
 
 ・・・嘘かもしれません。
 曖昧知識、御免なすって。


活字中毒とその弊害

2006-06-15 22:23:12 | Weblog

 セピアスが好きなのは、中古と明治・大正・昭和の文豪作品です。
 勿論最近の作家もこよなく読みます。
 電車の中で、読むものがないと途端に不安になります。
 行きの電車の中で小説を読み終わってしまい、帰りの電車の為に小説を買うこともしばしば。
 確実に1日ないし2日に1冊は読んでいるでせう。

 さて。
 セピは多分に影響をされやすい。
 殊に、明治文豪の小説なんて読んだ日にゃ、その日一日頭の中で語られる言葉が旧字体になってます。
 普段は「あーコレちょーウマイ」なんて言ってるくせに、本を読んだ後は

「嗚呼、美味しひ。」

 と、なってます。
 そんでまた、そんな風に旧字体で話す自分に悦に入ってます(←終わってる)

 みんなの部屋でもチロリと書きましたが、最近は『文人悪食』という本を読んでいて、名だたる文人の食生活を書いた本を読んでます。
 これが面白いのなんの。
 図書館で借りた本ですが、買うこと決定。
 石川啄木の「借金踏み倒し癖」とか、与謝野晶子の「やってらんない境地のお嬢っぷり」とか。
 意外性を見せてくれる上に、作者もマタ随分文章力のある人で。
 すっごい引き込まれる。

 徒然なる夜のお供にはいいかも。
 でも、腹はきちんと満たして読んで下さいまし(微笑)

ダヴィンチな日々

2006-06-12 22:25:12 | Weblog

 と、いうわけで読み終わりました。
 小説『ダヴィンチ・コード』

 身の回りの方は、概ね「小説」→「映画」という流れが多いらしく、私のやうに「映画」→「小説」という人は実は皆無!
 小説の方が、絶対面白いと思うんだけどなー。
 ラストを映画で知ってしまうことになるとしても。
 私は「映画」→「小説」派。 
 小説から享受されるスペクタクルな想像に、映画が敵うわけないじゃろー・・・なんて思っていたので(暴言)

 実際映画の方は、歴史や背後に潜む団体の紹介を「ちょびっつ」しか提示しない。
 だもんで、見ている人が「なんかあんまりよくわかんなかった」で終わってしまうきらいがありそう。
 幸運にもセピは、カソリックとプロテスタントの学校に通っていた(しつこいようですが、無神論者です)ので、聖書の知識はある程度あります。
 聖書の授業もあったしね。
 だから、ぽんぽん飛び出す聖書の世界の「言葉」に、ついていくことが出来ました。
 薔薇十字軍や錬金術について、個人的に研究(ってホド大層なことじゃないが)してた時期もありますから。

 小説を読んで思ったのは・・・。
 学術的要素が強すぎるかも~って。
 登場人物達が、数々のナゾを解き・・・ナゾがナゾを呼び・・・物語は展開していくのですが、主人公が象徴研究家ということもあり、どうしても「論文」ちっくになりがち。
 つまりですね、小説たる「情緒的な描写」が少ないんですよ。
 面白いんですが、気持ちとして入り込んでいけない。
 そのせいか、ラストで解き明かされる最大の謎も、「おおおおおおお!」って驚くことはなかった。
(映画で見ちゃっているせいもありますけど)
 もっと心理描写が織り交ぜられていたら、たとえ結末知っていても、多分鳥肌が立つくらい感動していたと思うんですよねぇ。

 でも映画も映画でよかったです。
 謎解きの映像は、原作を読むとマタいっそう素晴らしさがよく分かる。
 クリプテックスを解くシーンとか・・・よかったなあ。
 こちらが分かり安い映像で、且つ美しく表現しているので、胸にじーんときました。

 で。
 小説を読んで、個人的にお気に入りだった部分。
 ダ・ヴィンチの下記の絵の違いですね。

 これは実際小説をお読み下さい。
 上記どちらもダ・ヴィンチの作品です。

 女性崇拝については、自分も少し考えたこともあり。
 研究したこともあり。
 特にギリシャ神話の起源とか。
 女神崇拝の民族と、男神崇拝の民族の結合が、「ゼウスとヘラ」という夫婦を生み出したとかね。
 戦争によって生まれるもの、歪められるもの、でも密やかに生き続ける伝承・・・。
 経典も宗教も文学も、陰惨であり美しくもあり哀しくもある歴史が密やかに寄り添っています。
 
『ダヴィンチ・コード』
 自分の中では、まあまあ高得点。
 人にオススメ出来る作品だと思いましたw


土曜日の午后 6

2006-06-11 20:24:30 | 土曜日の午后

 たまにはこんな試みもよいかと思い。
 物語風にお届けいたします第六弾。


 
最後の晩餐が終わり
僕に残されたものは
もう何もなかった

 
現実は
太刀打ち出来ないくらい現実なので
あの手この手で
僕を脅かし続ける



疲れてしまった
終わらせることは簡単なのだ
僕は微かに微笑んで
路上の石を小さく蹴った
 
テールランプが紅く連なっていく
僕は目を閉じて
深呼吸をする
 
さあ、いまだ
そう思った時
僕の携帯が鳴った
そう それはまるで
計ったかのような
絶妙なタイミングで



「美しい日差しを見て、貴方のことを 思い出しました。
ここは暗く 淋しい場所だけど
貴方の確かな輝きだけは
いつもどんな場所でも 感じています。」

 
嗚呼
人生は なんと数奇に満ちているのだろう
大海へと船出する 淋しい船員になって
僕らは一人一人が
数ある運命に翻弄されていく



でも そう
悲しみの後には きっと
喜びがやってくる
僕が僕であるために
沢山の手が差し伸べられ
守られ 愛されていることを
けっして 忘れてはならないのだ
 
凍りついた夜を抜け出して
 
今 心の扉を開いて
自分の歩調で 歩きだそう
 

 最近読みたい本を色々な人から借りたり買ったりしていまして。
 もうはや本棚がヤバいことに。
 クロゼット地層に入れるホドではないにしろ、また本の配置を考えなければ。
 
 後から振り返れば、笑っちゃうような出来事でも、今この時はただ猛烈にキている。
 そんな時って多々あります。
 どん底にいる時って、ただ自分の足元に広がる暗い底しか見えませんから。
 でも、どん底にいるなら、後は這い上がるだけなんです。
 どん底だもん。これ以上悪いことなんて、起きないさ。
 と、思いまして・・・つらい夜を過ごす人々に送る作品です。


ネタばれ?

2006-06-10 19:26:26 | Weblog

 引越しに伴い、トップページの画像を変えました。
 前回はイムサKの小説を英訳したものを背景に、トカレフの画像を貼り付け作成。
 今回トカレフ画像に、ある有名な文章を載せてみました。
 それは・・・
「未成熟な人間の特徴は、理想のために高貴な死を選ぼうとする点にある。それに反して成熟した人間の特徴は、理想のために卑小な生を選ぼうとする点にある」
 攻殻機動隊Stand Alone Complexの最終話でも出てきました。
 元ネタは言わずとしれた『ライ麦畑でつかまえて』です。
 これの原文での文章でごわす。

『ライ麦畑でつかまえて』は、生まれて初めて原文で読んだ小説。
 原文で読みたいと思わせてくれる程、すばらしい作品でした。
 英語の文章は、ひとつの単語に複数の意味があり、また「抽象的な表現」を状況に応じて行う為、翻訳する人の「味」が出がち。
『ライ麦畑でつかまえて』の一人称を「僕」でなく「俺」と書く翻訳本もあり。
「ありえね~!!」と怒った記憶が・・・(苦笑)
 だもんで、翻訳でなく原文を読みたいと思ったのです。
 つっても、英語の辞書片手にですけど。
 大変でしたが、より作品の素晴らしさが分かりました。 

 ちなみにコレ以外では・・・。
 映画「今を生きる」の小説の原文を読み・・・読もうとし・・・挫折。
 
 『ハムレット』とか・・・読みたいですねえ。原文で。
 一文の長さがハンパじゃないですけど。
 シェイクスピアの時代は舞台セットが充実してない為、ぜ~んぶ状況説明が「台詞」に託されているんですよね。
 で、独特の言いまわしをしている・・・・うう、途中で挫折しそうだなあ。

 もっとドイツ語が堪能なら『特殊相対性理論』の論文を読みたい(←物理の授業を一度も受けたことないくせに)
 でもでも、天体物理は大好きなんですぅ~。
 しかし、絶対ムリ。
 だって知っているドイツ語「Danke(ありがとう)」「Bitte(どういたしまして)」「Ich bin Student(私は学生です)」「Ich liebe dich(私は貴方をお慕いしております)」のみ。
「ドイツ語で考えなさいよ!」とアスカに言われて「バームクーヘン」と応えたシンジ君ばりです☆