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民法 我妻 榮, 良永 和隆, 遠藤 浩(著)より転記しました①

2017-02-09 05:18:40 | 民法 我妻 榮, 良永 和隆, 遠藤 浩(著)より転記しました
民法 我妻 榮, 良永 和隆, 遠藤 浩(著)より転記しました①

近代法においては、人々の間の支配服従の関係は、
ただ国家組織を維持するためにだけ認められ、
個人の身分関係と財産取引関係においては、
絶対に、自由・平等の原則が支配しなければ
ならないとされた。かようにして身分関係における
個人の人格の尊重(個人の尊厳)と男女の本質的平等、
財産取引関係における私有財産権の確保(所有権絶対
の原則
)と取引の自由(契約自由の法則)とが
近代民法の特色とされたのである。なおこの後者
二つの原則(1所有権絶対の原則と2契約自由の原則)
に加えて、過失がなければ責任を負わせることは
できないとする3過失責任の原則を加えて、
近代私法の平等三大原則という。
近代法が個人の自由と平等の理想を主張した時代には、
社会にはそれほど大きな貧富の差がなかったので、
その自由・平等という理想を形式的に考えても、
さほど不都合は生じなかった。しかし、19世紀の
過程において資本主義経済が発達し、その結果として
人々の間に甚だしい富の懸絶を生ずるようになったので、
19世紀の末から20世紀の初めにかけて、
近代法の考えた形式的な自由と平等では、
社会のすべての人に人格の向上ないしは「幸福の追求」
を可能にしてやることができなくなった。
そこで20世紀に入ってから、民法は、
単に形式的な自由と平等を理想とすることなく、
進んで実質的な自由と平等とを実現しようとする
方向をとるようになった。
形式的な自由と平等を理想とする場合には、
国家は個人の生活にできるだけ干渉しないことを
必要とする(消極国家→夜警国家)のに反し、
実質的な自由と平等とを理想とする場合には、
国家は進んで弱い者(社会経済的弱者)を保護し、
強い者を押さえつけなければならないことになる
(積極国家→福祉国家)。
労働基準法、借地借家法、消費者契約法などの法律は、
国家的権力をもって使用者と労働者、賃貸人と賃借人、
事業者と消費者との間の関係に干渉し、
両者の間に実質的な自由と平等とを確立しようと
するものである。要するに、
民法の規定の特色が個人の自由と平等であるというのは、
大体からいって個人の形式的な自由と平等を
意味している。そしてこの形式的な自由と平等とを
国家の権力によって調整して、
実質的な自由と平等とを実現しようとすることは、
民法以外の法律(特別法)で民法の規定を制限する
という形式をとって現れてくる。
従ってわれわれは民法を勉強する場合には
つねにその規定が他の法律によって制限調整される
ことがあるということを念頭におかなければならない。
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