朝寝-昼酒-夜遊

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※毎週土曜更新を目標にしています。

らくご道(2013年2月)

2013年02月16日 08時59分23秒 | 落語・講談・お笑い
火曜は例月の如く、「らくご道」へ。

ジュンク堂で立ち読みして6時5分頃に上がると、
既に15人くらい並んでいる。
出足の良い会ではあるが、さすがに驚いた。
結局50人程度の入りかな。


前説(生喬)

耳の話と、
健康診断を受けてポリープを摘出した、といった話。
「タカラヅカ」という単語を出すとウケる、というのは強みではあるが、
内輪感が強くなって良し悪し。


「夢八」(南天):○-

様々な仕事の演り方がある、というマクラ。
噺家でも押してウケをとるタイプ、引いてウケをとるタイプがある、
といった話など。

「仕事」の切り口から「仕事を紹介してやる」といってこのネタに入るのは
珍しいような気もする。
そもそも、このネタを見る機会そのものがあまり多くないのだが。

最初から甚兵衛さんは「つりの番をさせる」心算で入ってきていると思うのだが、
「首つりがあったお」という陰鬱な気分は持っていないように見えた。
まあ、最初からそれを出すとネタが全体に暗くなってしまいそうなので、
出さない方が良いのかも知れない。

夢の話は「植木屋の手伝い」の話のみ。
これはこれで悪くないかな。
「荷車」の夢で、現実の「梯子を支える」と手の位置が微妙に違う。
そのため夢から醒める際に手の位置を変えるのだが、
ここは「俥屋」のような、手の位置が同じ夢とどちらが良いか、良し悪しだな。
変わるところで「あ、醒める」と客に予感させるのでウケやすい、という面と、
いきなり夢から醒める意外性とどちらを優先するか、というあたり。
池に落ちて水が跳ね上がる、と言っていたが、
何となく、その水しぶきで虹が見える、といったところまで言うと
絵面が綺麗で良いかも、とふと思った。

八兵衛を連れておなおはんの家へ。
ここで八兵衛にも「おなおはん」という名前が伝わる設定になっているので、
後の猫が鳴く際にも「おなおはん、呼んでまっせ」と言える、という流れ。
まあ、別にそこまで気にせず、
偶々「おなおはん」という名前を出した、でも良いと思う。
マイナスはない設定ではあるが。

弁当を貰って家に入る。
ここはごく普通。
叩きながら周囲を見回す表情が何となく可笑しい。
そこで筵の向こうに気付き、足の下に割木を通す。
ここで「あそこに頭があるから、真下のこのあたりに足があるはず」という
仕草を繰り返し入れていたのがウケていた。

筵が落ちて首つりを見せる。
五郎のように愚痴りながら手拭で紐を作ったり、
その手拭を使って首つりを表現する仕草はなし。
あまり快い場面でもないし、だいたい首つりそのものが生理的に嫌だから、
ここをあっさりやったのは悪くないと思う。
ただ死骸っぽく見えなかったのも確かで、
もっとマンガチックに演ってしまう手もあるのかも知れない。
後で猫に息を吹き掛けられて動き出す際の手の揺らし方などは、
マンガチックで丁度良かった。

サゲまでの持っていき方も、
微妙に「夢を見ているかも」という話を仕込んでいてスムーズで良かった。
「手をつないで」までは余計かなあ、という印象があるが。

ただ根本的に、「首つり」「自殺」というのが快くない設定なので、
このネタはあまり好きになれないなあ。


「天王寺詣り」(生喬):△+

繁昌亭奨励賞受賞記念の会の話をして、
師匠の「天王寺ツアーと天王寺詣りを聞こう」イベントで
ツアーの案内をした話からネタへ。

全体に、あまり良い出来とは思えなかった。
最近6代目の「天王寺詣り」を聞く機会が多かったせいかも知れないが。
まず、ご隠居さん?が統一されていない印象。
様々なネタに比べてもやけに年寄りくさいなあ、という感じと、
ごく普通のご隠居さんの感じが混ざっている。

特に、天王寺に行くまでの会話がイマイチ。
途中でループしそうになったように思う。
本人はそれに気付いて、焦りが出たのかも知れない。
アホの一言に対する隠居の「待つ」間が
やけに多く感じられて気になった。
個々のギャグでウケさせようとしている印象だが、
このネタは、もっとポンポン運んで
何となくの会話の内容の可笑しさでクスクス笑ってもらえれば
良いネタでは、と思う。

「今日ごろっと死んだら参られしまへんで」と言われたご隠居さんが
そこそこ本気で気を悪くしているのは面白かった。

天王寺境内の紹介は、隠居さんの科白が全体に少し速い。
意外に不安定な印象。

「物売り」はこってり演っており、まあ、悪くなかった。
このネタのバランスとして、ここを濃くするのは好みではないのだが、
いまいちリズムに乗れずにここまで来ていたので、
それを立て直すために濃い目に演っていたのかも知れない。

お経や鐘を鳴らすところは良かった。
お坊さんの声や最後の「クウ」の言い方、
その後のアホの「クワン」など、流石。


対談「夕焼け日記」(生喬・南天)

敦賀の落語会の話、
動楽亭の客の入り(土日満員だったらしい)や
動楽亭・繁昌亭の共演者の話など。
自分で顔付けのできない「雇われトリ」という表現は面白かった。
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