霧の社

某国民的妖怪漫画に関して語るブログです。

砂子大活劇! 第2話「異国の留学生」④

2017-01-25 12:34:18 | 捏造作品(小説)
歩道を歩きながら、砂子姫はリデルの事を観察していた。
異国の住人に関しては、人間でも妖怪でも気になるものらしい。


リデルは砂子姫の後を付いていくのに一生懸命な様だった。
荷物を抱えながら歩いているため、周囲に目を向ける余裕は無いようである。
観光気分には浸れていないらしい。
「ねぇ」
砂子姫が声を掛ける。
「ん、何?」
「荷物持とうか?」
「・・・大丈夫、自分で持つよ」
リデルが微笑みながら答える。
その愛想の良さにこちらもホッとする。
今の所、その態度に危険性は認められていない。
一般的な禍々しい吸血鬼のイメージとは裏腹に、リデルはフレンドリーな雰囲気を漂わせていた。
容姿からしても、(頭部の角を除けば)人間と全く変わりは無い。
リデルとなら良い関係が築けそうだ。
砂子姫は心の片隅でそんな事を思い始めていた。
「リデルは日本で何かやりたいことある?」
「へ?僕が?ここで?」
リデルは少し黙った後、こう返答した。
「やっぱりまずはお勉強かな。ダディからの言い付けだし・・・。でもここの暮らしに慣れて落ち着いたら、観光したいなー。日本で有名な所、見に行くんだ」
「私が付き添ってあげても良いわよ」
これに対し、リデルは少し驚いた様子だった。
「良いの?知り合ったばかりなのに」
「構わないわよ。あんた良い奴そうだし」
身寄りのいない土地に単身やって来て、不安が大きかったのだろう。
砂子姫が初めて声を掛けられた時も、そんな風だった。
こんな気の良い妖怪なら手を貸しても大丈夫だろう。
現在の砂子姫が感じている素直な気持ちだった。
そして、感じるものがもう一つ。



「嬉しいな!やっぱり地元の人がいると心強いよ!」
「待って」
「あ、ゴメン。急すぎたかな?やっぱり時間を置いた方が良い?」
「ううん、そうじゃなくて」




「――何か近付いてる」




感じない?と問いかける砂子姫に対し、リデルはただ困惑するのみであった。


(続)

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