英字新聞社説学習研究

読売、毎日、朝日各社英字新聞の主として社説を学習研究します

チャイヤプームの自宅にて

2010-09-09 14:39:26 | エッセイ
9月1日~5日までの5日間チャイヤプームの自宅に戻っていました。
チャイヤプーム滞在中に書いたミニエッセイです。

教え子がやって来た:

7年前までここチャイヤプームの超僻地村バーンノーンヤーコーンで生活していた。
毎年2回、子供達の学校が休みになる時期、スラチャイは自宅で子供達の学習を手助けしていた。学習科目は英語と数学、生徒は10名くらい集まっていた。ここは貧しい農村、無償で奉仕した。
今日の午後、教え子の一人がうわさを聞きつけてスラチャイの自宅まで押しかけてやって来た。当時小学校4年生だった娘も今では16才、見違えるような美しさをしている。身長160cm、体重は35kgくらいであろうか、スラリとした肢体に美しさが宿っている。スラチャイは息を呑んでこの娘の成長を見つめていた。娘がなつかしそうに挨拶してきた。私は娘の美しさに飲まれて生半可な返事を返すことしかできなかった。娘の名前はタック、数学が苦手で、当時スラチャイがどんなに一生懸命に教えても理解できなくて泣き出すこともしばしばであった。当時は気軽に抱っこしてあげた娘も、もはや私の手の届かない世界まで到達しているのを実感させられて少しだけ淋しい思いをさせられた。
わずか7年されど7年、歳月の重さを実感しました。

楽園の王様:

ここはタイでも気候が涼しくてとても過ごしやすい。ここではエアコンは不必要だ。
NHKの朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」で水木しげるが楽園の間というのを自宅に作っている様子が放送されているが、ここはスラチャイにとってまさしく楽園の間、心休まる場所ではある。難点は超僻地ゆえに携帯電話の無線がここまでまだ到達していないこと。7km離れた隣村まで電波は届いているので、ここにもやがて電波は到達するものと思われる。短気なスラチャイは無線のアンテナを購入、ここでインターネットができるように準備を行っている。次の休みにはここでインターネットができるはずだ。
1000坪の敷地に囲まれて庭一面は果樹園と化している。
庭には放し飼いの鶏たち、朝は生みたての卵とアツアツのご飯で卵ご飯。
最高の贅沢、幸せですね。
娘たちが成長したら夫婦はここに戻り余生を楽しむ積もりです。
スラチャイはこの楽園の王様の地位をなんとか堅持できています。

思いつくままに

2010-03-11 13:45:43 | エッセイ
父は今から約15年ほど前に他界しました。
徴兵検査で体重が40キロくらいしかなかったので乙種合格、
体がひ弱だったので陸軍の衛生兵に配属させられました。
中国の青島(チンタオ)で4年ほど兵役、ここで終戦をむかえました。
人生とはまったく皮肉なものですね。
体の強健な兵隊さんたちは戦争の最前線に送られてそこで戦死しました。
体のひ弱だった父は九死に一生の思いで中国から帰国、
北九州市の旋盤工場に就職、
やがて母と恋に落ち私が生まれました。
父が戦死しておれば当然私は生まれてこなかったので、
人生の苦しみを味わうこともなかったのです。
人の運命とは全く不思議で不可解なものですね。
生をまっとうするということは本当に辛いものであることを実感しています。
日本では年間4万人あまりの人たちが自ら命を絶っているという記事を見ました。
本当でしょうか。
陸軍部隊の中に布施班長(実名)がいて父や同僚は毎日彼から往復ビンタをくらっていました。
テレビで歌手の布施あきらさんがでてくると、父は血相を変えてこう罵っていました。
「今度どこかで出会ったら殺してやる」
戦争は多くの若者たちの運命を根こそぎ崩壊させました。
二度と繰り返してはいけません。
しかし戦後60年、もうアメリカのつくった仕組みより飛び立つ時期ですね。
そういえば、私の中学時代に番長が1人いて往復ビンタをくらったのを思い出しました。
私は相撲が強かったので彼の相撲のお相手を何度もさせられました。
彼が転校していった後、安堵のため息を漏らしたのを覚えています。
文武両道、これから先の日本人は喧嘩(武力)も強くならなければ世界の中で落ちこぼれていくのではないでしょうか。

srachai from khonkaen, thailand

ご心配をお掛けしております

2010-02-16 13:04:04 | エッセイ
二人の娘たちカイちゃん6歳、シーファーちゃん2歳を授かっていなかったら、
70年代フォークで活躍したフォーククルセダーズの加藤和彦さんのように自分で命を絶っていたかも知れません。

2ヶ月間リハビリに専念するうちに苦しみに慣れてしまったというのが本音です。
右手が不自由になりギターが弾けないギタリストなんて絵になりませんからね。
エレキギターに転向しようかとも思いましたが、ピックギターでも右手の中指と薬指は使用することが多いですね。ちょっと無理かも知れません。
右指が快復するまではMIDI編曲のみで我慢しなければなりません。

高速タイピングも全く出来なくなってしまい、音声入力に切り替えようかとも考えています。
名前は忘れましたが有名な宇宙工学の天才学者が筋肉が徐々に衰えていく病気にかかり、指1本だけでコンピュータの助けを借りて会話していましたね。
私も病状が進んで同じような状態になるのではないかととても心配です。

どうか神様お願いです。
娘が成人するまで今の体の状態を保たせてください。

srachai from khonkaen, thailand

松本亨先生(博士)

2009-12-03 13:21:08 | エッセイ
1962年、私は中学校の一年生でした。
この年、芹沢栄先生のラジオ基礎英語の勉強を開始、すぐに松本亨先生のラジオ英語会話もあわせて聴取するようになりました。
芹沢栄先生の座右の銘は 「slow and steady wins the race (遅くとも着実なものが勝利する)」 でした。
週替わりで英語の歌もたくさん教えていただきました。マイボニー懐かしいですね。

松本亨先生のラジオ英語会話は1972年、講師が代わるまで聞き続けました。
思えば10年間も、この一日僅か15分の番組を聞き続けたことになります。
芹沢栄先生の座右の銘はその正しさが自分の体験を通して実証されました。
大学受験のとき、英語だけは特別に時間を割かなくともそれで通用しました。

松本亨先生が英語学習に対する情熱を次の言葉で何度も表現されるのを聞きました。
"Think in English"(英語で考える、翻訳しないで)
その通りだと思いましたが、翻訳英語がすっかり身に着いているので切り替えはなかなか難しいのです。
それから 「生きた英語 living English」 という言葉も何度も耳にしました。
ラジオ英語会話は英語だけで放送されるので、松本亨先生が日本語を話すのを聴いたことがありません。

つい最近、英語教育(研修)を専門業となされているカプラン石綿誠先生のブログに以下のような記事が掲載されていました。

(石綿先生のブログより抜粋)

「そして読解力を高めるには、松本博士のモットーしかないと考えます。ラジオ英会話で有名になったので、会話の先生としてのイメージが大きかった博士ですが、座右の銘は"Read, Read, and Read"だったそうです。
また、このモットーを博士はこのように和訳しています。「多読、速読、直読」です。この3つを実践していくことがリーディングでは必要だということを、意味しているわけです。」

松本亨先生の後任、とうごかつあき先生(漢字忘れました)が松本亨先生の読書量、保有されている蔵書の多さに圧倒されたという話をされていました。

松本亨先生は1979年に逝去されたそうですね。
ご冥福をお祈り申し上げます。(感謝をこめて)

srachai from khonkaen, thailand

犯罪白書 窃盗と覚せい剤の再犯を断て

2009-11-23 07:52:13 | エッセイ
The Yomiuri Shimbun (Nov. 23, 2009)
Take steps to stop repeat of theft, drug crimes
犯罪白書 窃盗と覚せい剤の再犯を断て(11月23日付・読売社説)

Taking appropriate measures to prevent the repeat of thefts and stimulant-related crimes is an important task when it comes to building a society in which people can live with peace of mind.
 盗みと覚せい剤犯罪を繰り返させない手だてを講じる。我々が安心して生活できる社会にするには、それがポイントの一つといえよう。

This year's white paper on crime, which was released by the Justice Ministry recently, raises the theme of developing measures to prevent repeat offenses. The 2007 white paper also focused on repeat offenses, and since then the ratio of recidivists to the total number of perpetrators of crimes cleared by police or other investigative authorities has been increasing, hitting 42 percent last year.
 法務省がまとめた今年の犯罪白書のテーマは「再犯防止施策の充実」だ。白書は一昨年も「再犯」を取り上げたが、検挙された者のうち、再犯者が占める割合はその後も増え続けている。昨年は42%に上った。

Taking effective measures to thwart recidivism holds the key to maintaining the country's public safety.
 再犯対策が、日本の治安を維持するかぎを握っている。

The 2009 white paper on crime analyzed the current situation of theft and stimulant-related crimes, whose recidivism rates are particularly high. The analysis found that more than 70 percent of convicts serving prison terms for either of the crimes had previously been jailed for the same crime.
 白書は再犯率が高いとされてきた窃盗と覚せい剤犯罪の現状を分析した。その結果、このどちらかの犯罪で刑務所に再入所した者の7割以上が、前回も同じ罪名で服役しているという実態が浮かび上がった。

The recidivism rate for these crimes is extremely high, compared with other crimes, proving that once people committed theft or stimulant-related crimes, they tend to reoffend.
 他の犯罪に比べ、極めて高い割合である。一度、窃盗と覚せい剤に手を染めると、また同じ罪を犯しやすいことの証左だろう。

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Ex-convicts need jobs

Shoplifting is the most common type of theft. "Lack of income to cover living expenses" was given as the top motive for committing this crime among both male and female offenders. The recidivism rate of perpetrators of theft who had a regular job, meanwhile, tended to be lower than that of part-time workers or unemployed people.
 窃盗の中で最も多いのは万引きだ。盗みを犯す動機としては、男女とも「生活費の困窮」がトップとなっている。定職に就いている人の再犯率が、無職やアルバイトなどの場合と比較して低いという傾向も表れている。

It is vital that the Justice Ministry and Health, Labor and Welfare Ministry cooperate and enhance support for people discharged from prison to help them find a job at Hello Work employment service offices and other places. Though the economic situation is severe, it is indispensable to encourage employers to hire such people.
 法務省と厚生労働省が連携し、ハローワークなどで出所者らへの就労支援策を充実させていくことが肝要である。厳しい経済状況ではあるが、出所者を雇用する事業主の開拓も欠かせない。

The recidivism rate for stimulant-related crimes is also high among unemployed people. It should be noted, however, that the recidivism rate of those who are single and live alone is higher than that of those who are married and live with their family or other relatives even though they work full-time.
 覚せい剤についても、全体としては無職者の再犯率が高い。ただ、注目すべきは、家族などと同居していない単身者の場合には、定職に就いていても再犯率は下がらないということだ。

To prevent repeat stimulant-related offenses, it seems necessary for the people they live with to keep a watchful eye on them. The role of parole officers, who regularly examine urine samples taken from those living alone and check their living situation, is even more important.
 覚せい剤の再犯を防ぐには、就労とともに、同居者の監視の目が必要だということだろう。単身者に対しては、定期的に尿検査を実施したり、生活状況をチェックしたりする保護観察官の役割がより重要である。

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Rehabilitation centers vital

The Justice Ministry is developing self-rehabilitation promotion centers that provide support for released prisoners, whose treatment is often difficult. But opposition from residents has held up plans to develop such centers.
 法務省は、処遇が難しい出所者の受け皿となる自立更生促進センターの整備を進めている。だが、地域住民の反対運動で、整備計画は大幅に遅れている。

In addition to correctional education at prisons, the government should establish a system that would offer educational programs at those centers to teach people who served time in prison for stimulant-related crimes how to stop using stimulant drugs and help them reintegrate into society.
 覚せい剤犯罪で服役した者に対しては、刑務所内での矯正教育だけでなく、こうしたセンターで「脱・覚せい剤」の教育プログラムなどを受けさせ、社会復帰させる体制を整えるべきだろう。

As symbolized by arrests of TV celebrities, the widespread abuse of stimulant drugs is becoming a serious social problem. The Justice Ministry needs to appeal to the public the necessity of operating such centers and win their understanding.
 芸能人が逮捕されるなど、覚せい剤の蔓延(まんえん)は、大きな社会問題となっている。法務省は、センターの必要性を広く訴え、理解を得ていく必要がある。

(From The Yomiuri Shimbun, Nov. 23, 2009)
(2009年11月23日01時05分 読売新聞)