やぶにらみ blog

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【劇話⑮】 七月大歌舞伎

2006-07-31 01:04:10 | 雑話
日時:7月30日(日) 
場所:歌舞伎座
演目
①「夜叉ヶ池(やしゃがいけ)」
(配役)
百合
白雪姫 春猿
萩原晃 段治郎
代議士穴隅鉱蔵 薪車
湯尾峠の万年姥 吉弥
文学士山沢学円 右近

②「海神別荘(かいじんべっそう)」
(配役)
美女 玉三郎
公子 海老蔵
女房 笑三郎
沖の僧都 猿弥
博士 門之助

③「山吹(やまぶき)」
辺栗藤次 歌六
島津正 段治郎
縫子 笑三郎

④「天守物語(てんしゅものがたり)」
天守夫人富姫 玉三郎
姫川図書之助 海老蔵
近江之丞桃六 猿弥
奥女中薄 吉弥
小田原修理 薪車
亀姫 春猿
十文字ヶ原朱の盤坊 右近
茅野ヶ原舌長姥 門之助

今日は、暑かったがほぼ一日歌舞伎座にいました。昼の部と夜の部の間が1時間あったので、缶ビール飲んでました。うまkたったです。(画像参照)

今月は、泉鏡花の戯曲の4本。各演目の幕間が、45分もあるのは初めてかな?(営業的には、どうなのかしらね?)
各演目共に、1時間30分を越える演目。。お腹一杯になりましたね。

①は、越前国三国岳の麓に、かつて村人が龍神との間に麓に設えた鐘を日に三度つく約束をした。それを怠れば、村を水没するとの話。『異界』の人々の衣装が、猿之助一門だなぁ~と思いましたね。
「ねんねん、ころりよ~おころりよ~」の子守唄が耳に最後まで耳に残った。

②は、『異界』の人々との交流【海底編】。最後は、人間世界への決別をするのだが、これは『異界』=『死』ってことなのだろうか?

③は、間にビール飲んでしまったのでほぼ寝てました・・・
これだけ現代劇風、新派がよくやるような感じでしたね。

④は、姫路城を舞台にした物語。まず、天守閣に『魔物』が住んでいるという発想が素晴らしい。姫路城に行って、天守閣に登ったことがあるのだが、昼でも非常に暗くて鏡花が描いたような世界が広がっていそうな感じでした。

江戸期には、天守閣は最後の砦で城主が立て籠るわけで縁起が悪いのでめったに、城主が登ることはなかったそうな。
(ただ、私は高所が苦手なため、、天守閣まで行くと本当に倒れそうなぐらい気持ち悪い。鏡花の気持ちがなんとなくわかる。)

序幕の、「通りゃんせ~」のところから舞台に釘付けになりました。最後まで一気に見られました。海老蔵の「姫川図書之助」が、イメージぴったりだと思いました。

この天守物語は、鏡花が「謝礼などいらない。上演してくれたらお土産をあげるのだがなぁ」と語っていて上演を熱望していた作品らしいです。実際に、発想と完成度は高いと思います。
好きな作品のひとつになりました。

明日が、千秋楽とのことなので明日も見に行きたかったな~

今回の鏡花の4つ作品は、『異界』(現在我々が住んでいる世界とは違う世界)との交流・葛藤・邂逅を通して物語を紡ぐ作品です。この視点は、鏡花独自のものなのでしょうかね?!
とても、おもしろいと思いました。

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