相場のミカタ

商品先物情報紙の元記者にして、現役の行政マンが日々の出来事や相場について語ります。

カナダドルがNY金の先行指標!?

2007年06月27日 | 商品先物・為替
いつかは起きると思っていた円キャリーの巻き戻し。
今日の東京貴金属市場は、それに押される展開となったわけだが…。
レンジをものの見事に割り込んだのが銀。
レンジの下限で踏みとどまったのが金と白金。
さぁ、明日はどっちだ!?

ちなみに、俺の後輩はこう書いてます。
「新米記者クミコと相場(http://cmri-kumiko.blogspot.com/)」
俺としてはここで大暴落シナリオでも示して、
後輩の見通しを論破してやりたいところだけど、
たぶん明日は買い戻されてレンジ内でチャンチャン♪でしょうなぁ。
ドル/円が121円台に突入したり、NY金が640ドルを割り込んだりしない限りね。
ただし、銀はちょっとばかり上値が重くなるかな。
レンジを一段切り下げるでしょうね。

あ、ちなみにこのクミコちゃん、今日は人生初のラジオ出演を果たしました。
「ラジオNIKKEI マーケット・トレンド(http://blog.radionikkei.jp/trend/index.php?ID=866)」
見てあげてね。

さて、今日、都内某所のセミナーに出かけていった後輩が、
面白い話を聞いてきました。
「カナダドルが、NY金の先行指標になっているらしいですよ!!」

それを聞いて、早速チャートをチェックしてみたんだけどね。
まぁ、確かにそういう傾向はあるかもね…。
たださぁ、それが今後も続くと信じることはできない。
だって、なぜそういうことになるか、納得できる説明がないんだもん。
先行指標として俺が認めているのは、主に2つのケース。
①2つの事象の間に相関が生まれるべき、明確な理由がある場合
②明確な理由がなくても、先行指標としての重要性を万人が認めている場合
先行する理由を理論的に説明できるのならば、それは納得できる。
逆に、理論的な説明がつかなくても、皆が「そう」思うなら「そう」なる。
相場って、そんなもんでしょう?
①と②の、どちらにも当てはまらないなら、それはただの数字遊び。
過去がいかに「そう」であっても、明日は「そう」ならないかもしれない。
それでは、先行指標として注目する意味がないと思う。

この「法則」を教えてくれたO氏は、けっこうマニアックな分析屋さん。
俺、あるパーティでこのO氏に会ったとき、
「北欧のファンドが市場に与える影響」について熱弁を振るわれたことがある。
誰も知りませんって。そんなこと。
面白い角度から市場を分析するのは重要なことだと思う。
当たり前の分析ばかりしていても、付加価値を生み出すことはできない。
だけど、それも行き過ぎれば無用の分析となる。
記者という仕事は、その狭間で均衡点を探るものじゃないだろうか。