中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017

『長寿幸せ企業』を目指す中小零細ファミリー企業経営者の社長就任から引退までの様々な迷いを解いてくれる「経営人生の参考書」

第3回 能力的、身体的に劣っていても、「徳性」が高く、一所懸命に働く人 や 家庭や個人の都合で会社が希望する日や時間に働けない人 が誰でも「幸せになる」ために働ける権利を持っている会社

2017年07月11日 07時00分00秒 | 第6章 健全企業の「時務学」を学ぶ

 

章 健全企業の経営実学「時務学」を学ぶ

 

(2)「時務学」 「ヒト」に関する知識と技術

 ③能力的、身体的に劣っていても、「徳性」が高く、一所懸命に働く人や
家庭や個人の都合で会社が希望する日や時間に働けない人が誰でも「幸せになる」ために働ける権利を持っている会社

先回、

 『幸せ企業』をめざすには、経営者はもちろんすべての従業員に「負うべき義務や責任」と「得るべき自由や権利」があるはずです。義務や責任を果たせるからこそ、『幸せ企業』の従業員は誰でも生活環境に応じて働ける自由を持ち、「幸せになる」権利を持てるはずです。

とお話しました。
  

 長寿幸せ企業の従業員さんは仕事の能力が高い以上に、徳性が高いことが要求されます。
ということは仕事自体の評価が特段高くなくても、家族を養い幸せな家庭を気づくために必要な昇給が得られる仕組みがなくてはなりません。

 そこで、『長寿幸せ企業』をめざす俯瞰塾の会員企業は賃金規定を作る柱として2パーンのモデル賃金を作っています。

 モデル賃金第1は業務能力が劣っていても徳性が高い社員用。

 モデル賃金第2は入社から退社までできれば、このくらいのペースで能力を引き上げて、等級号棒を上げ、職位も給与もアップする努力をして欲しいというものです。両方のモデル共入社から退職まで5年刻みで、あるべき等級号棒とその給与を明記しています。


 私の目指す『長寿幸せ企業』には正社員やパートさん、非正規雇用などという言葉は存在しません。すべての人が社員さんであり、従業員さんです。限定的な条件でしか働けない従業員さんも同じ等級号棒表や勤務評価表を使用します。

 前述の妊婦、小さなお子さんのいる寡婦、寡夫、障害者及び彼らを支える家族、高齢者や要介護者などのいる家族。これらの方は現在の勤務体系でははじかれている人びとです。彼らの採用に目をつぶって、長寿幸せ企業などとは恥ずかしくて言うことができません。月20日勤務は出来なくても、一日8時間勤務はできなくても、彼らなりの働ける時間が少なからずあります。能力があっても今の会社側の都合による就業規定や賃金規定では働けないだけです。


 例えば、会社の月の労働時間が160時間だとしましょう。その会社で働いる要介護の母親を抱えている従業員さんは午前9時から2時間働いて、自宅に戻り母親の世話をして午後3時からまた2時間働いて5時に退社します。勤務時間は1日4時間、月80時間です。勤務時間指数は50ですので同じ同じ等級号棒の人の50%の給与が支給されます。1ヶ月前に申請すれば、翌月からいつでも勤務体系を変更することができます。


 但し、長寿幸せ企業はやさしさと同時に厳しさが必要です。それは勤務評価表です。勤務評価表は各等級別に仕事の作業の難易度別に「~ができる」という文言で明記されています。その表現には非常に気を使っています。一般的な5段階評価やABC評価ではハロー効果などの心理的な影響で結局はさじ加減で行っている企業がほとんどです。適性評価ではなくできるかできないの○か✕で判定できる文言を使用します。本人のみでなくその作業が出来る人は誰が見ても出来ると思うことが必要です。

 その等級の作業がすべて、または8割以上ができると判定されれば、翌期から次の等級に上がることができます。先ほどの母親を介護している従業員も同様です。働く日や時間が少ないからといって行う仕事の内容や責任は変わりません。

 私は2009年頃から「スーパーレディ」や「スーパーシニア」という言葉で、自社の都合ではなく、働く側の都合で優秀な人を採用していく仕組みを作りましょうと顧問先企業に声をかけ続けてきました。

 2009年というのは前年にリーマンショックがあり、急激に求人倍率が下がり、小規模零細企業でも割合簡単に人の採用が出来るようになった頃です。求職者から言えば自分の希望などを言っていれば就職など出来ない時代でした。しかし、私は日本の生産年齢人口が急激に減り続けていくのだから、不景気の状態でも中小零細企業が人材を確保できない時代がくる。ましてや好景気になれば、中小零細企業に応募する人などほとんどいなくなる。良い商品、良いサービスを持っていてもそれを造ったり、提供したりする人がいなくて売上を作ることが出来ない状況に陥ることもありうると考えました。

 そのためには、いままでの就業体系で、働くことを諦めていた人を掘り起こし、従業員が会社に合わせるのではなく、会社が従業員に合わせる「しくみ」を早急に考えなければなりません。

 そのためには、他の企業をコピペして、数字だけ変えたような就業規則、賃金規定、人事評価方法ではこの難局を乗り越えていけません。経営理念や「使命(ミッション)」、「目的地(ビジョン)」からもう一度人事戦略を再考してみてください。


 

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が毎週火曜日に発信しています。

 

 次回は 第6章 健全企業の経営実学「時務学」を学ぶ の 第4回「時務学」:「ヒト」に関する知識と技術 
 その④ 『長寿幸せ企業』の賃金規定と人事評価方法

 

を予定しています。

 

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年、「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業を『経営再建プログラム』で再生させる「経営救急クリニック」事業を創業。さらに再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせる企業再生手法を確立。2010年、長寿永続健全企業をめざす中小ファミリー企業のための「『長寿幸せ企業』への道」事業を開始。


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一人で悩まないでください!

 「心の富」を無くさない限り必ず再起のチャンスがあります。  形のあるものを手放すことが再起への最短距離です。時間が掛かっても迷惑をかけた方々に対して道義的責任を果たせる近道なのです。  「倒産」は犯罪ではありません。  「倒産」という言葉の響きは実態とかけ離れすぎているのです。「倒産」という言葉は一人歩きしすぎています。一般の方は倒産の実態についてあまりに無知すぎるのです。自分自身の世界で倒産を空想しないで下さい。倒産は事業にとっての最後の権利なのです。もがき苦しんでいるあなたを救ってくれる最後の手段なのです。  もちろん私は「倒産」など薦めているわけでは決してありません。 私の仕事は医師と同じく経営危機に陥った会社の検診をし、適切な薬をお渡しし、時には手術を施して健康体にすることです。 しかし病気に末期症状があるように事業にも薬や手術ではどうにもならない状態があります。こうした状況になっても会社や財産を手放そうとしないことが再起へのチャンスさえも失わせることになるのです。  「捨てなければ得られない」 重荷を捨ててみてください。今までのことが嘘のように安寧な生活を得ることができます。貧しくても心の平和や充足感からこそ新しいエネルギーが沸いてくるのです。

井上経営研究所代表者のプロフィール

 井上 雅司(いのうえ まさじ) 1951年和歌山県生まれ。 早稲田大学教育学部卒業後日本航空開発株式会社を経てスーパーマケットを創業。20余年の経営の後倒産。自らの経験を踏まえ「倒産から学ぶ『経営実学』」を研究。自分と同じ体験をする人を一人でも少なくしたいの信念のもと「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を目指して、2002年、「経営救急クリニック」井上経営研究所を設立。2002年、「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業を『経営再建プログラム』で再生させる「経営救急クリニック」事業を創業。  さらに再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、優良企業、無借金企業(超優良企業)そして、企業に関わる多くの人が幸せになれる「幸せ企業」にまで一気に生まれ変わらせる企業再生手法を確立。  2010年、永続幸せ企業をめざす中小零細ファミリー企業のための「『長寿幸せ企業』への道」事業を開始。

はじめに(2010/09/19・2016/10/4加筆)

 私の企業再生コンサルタント業は「後悔」からはじまりました。26歳で脱サラして創業した会社を48歳のときに倒産させてしまいました。  今でこそ大きな糧となっていますが、当時は「なんで人より何倍も勉強し、働いてきたのに自分の会社が倒産という結果になってしまったのか。」と毎日「忍辱」「辛酸」「後悔」の日々で「何が足りなかったのか?」と問い続けているうちに自然と企業再生コンサルタント業に踏み入りました。  「自分と同じ思いをする中小企業経営者を一人でもなくしたい」という思いで、自らの体験を「反面教師」としてスタートしました。  当初、倒産の危機にある会社を救い出すことが業務の中心でしたが、後にお話しする『経営再建プログラム』などを経て、倒産の淵から這い上がってこられた企業の中から「引き続き経営のアドバイスをしてもらいたい」というご要望があり、「俯瞰塾」という会を創り、フォローしていくことになりました。  設立当初は、優良会社や無借金経営を目指したわけではなかのですが、なぜかその中から高い確立で優良会社や実質無借金会社が生まれてきました。「俯瞰塾」会員に特別な指導をしたというわけではなく、【新規事業開発】以外は、それまで実行してきた、経営危機から脱出するための「経営再建プログラム」を継続実行してもらっただけでした。  倒産の危機を経験した経営者が望むのは、あの地獄の苦しみを二度と味わいたくないということです。そのためにプログラムでやっていることはその作業そのものが難しいわけではなく、継続すること自体が難しいのです。習慣を変えることは難しいのですが、歯を磨く行為と同じで慣れればなんということはありません。【経営再建プログラム】でやってきた簡単なことを継続することが、危機的状態から正常企業→優良企業→安心企業(無借金企業)への最も重要なこととわかれば、誰でも続けることができるのです。まさに「心が変われば、・・・」 です。  私のすべてのクライアント様は大変な経営危機を乗り越えてこられた方ばかりなので「二度とあの苦しさは味わいたくない」という方が多く、「大きな会社にしたい」というよりも「強い会社にしたい。優良会社にしたい。無借金会社にしたい。」ということを目標にされてきましたが、いざ夢までみた無借金会社になってもそれほどの達成感を感じないことがわかってきました。  クライアント様も私も「何か違う!これが求めてきたものか?」と言う感覚でした。  そんな新たな目標を模索している中で、2006年冬と2008年春に衝撃的な本に出会いました。「千年、働いてきました」(野村進著・角川書店)と「日本でいちばん大切にしたい会社」(坂本光司著・あさ出版)です。クライアント様にもお配りしたり、お勧めしたりして、会社のあり方についてお話をしてきました。  人間が生きていて一番うれしいことは他人のお役にたてること、必要とされることす。それならば、経営者にとって、他人のお役にたて、必要とされる会社を創り、継続していくことが最大の使命ではないでしょうか。売り上げを拡大していくことや最大の利益を上げること、利益を蓄積していくことはすべてその使命のための必要条件や手段にすぎません。  顧客、取引先はもちろんのこと従業員や経営者一族まで、小さな会社に関わっているすべての人が幸せになれ、そうあり続けられる会社、すなわち「幸せ会社」になり、「幸せ会社」であり続けること。これを達成できれば経営者は最高の幸せが得られるはずです。  わたしの使命はそのお手伝いを出来ることです。 その最大テーマが 「長寿で幸せ会社なるための中小零細企業経営の『原理原則』の研究」なのです。              このブログ「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」はそのためのラボ(研究室)のような存在です。

井上経営研究所とは

 井上経営研究所は中小零細企業の再生・再建から健全企業化、さらに『長寿幸せ企業』への道をお手伝いする経営コンサルタント事務所です。  ホームオフィスは、紀伊半島の最南端から少し北西(大阪寄り)に戻った 南高梅や紀州備長炭で有名な自然に恵まれた「みなべ町」という小さな町にあります。この町から日本全国にクライアント様を持ち、対応させていただいています。私、井上雅司がこの不便な田舎価値を起点にビジネスを展開している理由は、プロフィールをお読み頂ければお分かりいただけると思いますが、私が人生の危機に陥った時、全てを掛けて私を助けてくれた、年老いた両親がいるからです。  また、コンサルタント事務所といっても、総務以外は、すべてのサービス業務やプログラム診断業務はもちろん、経理も、このホームページ作成も、全て私一人で対応させていただいています。  というわけですので、無料相談といえどすべて私が直接責任をもって対応させていただいています。