中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017

『長寿幸せ企業』を目指す中小零細ファミリー企業経営者の社長就任から引退までの様々な迷いを解いてくれる「経営人生の参考書」

第5章 健全企業の経営実学「人間学」を学ぶ (3)小を積む努力なしに夢の実現はない「積小為大」は地味なことの積み重ね

2017年05月16日 15時31分14秒 | 第5章 健全企業の「人間学」を学ぶ

第5章 健全企業の経営実学「人間学」を学ぶ

(3)小を積む努力なしに夢の実現はない「積小為大」は地味なことの積み重ね

 

二宮尊徳は
 「大事をなしとげようと思う者は、先ず小さなことを怠らず努めるがよい。それは、小を積んで大となるからである。大体、普通、世間の人は事をしようとして、小事を怠り、でき難いことに頭を悩ましているが、でき易いことに努めない。それで大きなことも出来ない。大は小を積んで、大となることを知らぬからである。
 一万石の米は一粒ずつ積んだもの。一万町歩の田は一鍬ずつの積んだもの。万里の道は一歩ずつ積み重ねたもの。高い築山も、もっこ一杯ずつの土を積んだものなのだ。だから小事を努めて怠らなければ、大事は必ず成就する。小事を努めず怠るものが、どうして大事を成し遂げることができよう。」1と「積小為大」を訴えています。

 

「はじめの一歩末の千里」や「千里の道も一歩から」ということわざがありますが、脳研究者の池谷裕二さんは脳から見ても、「何事も始めたら半分は終了」2と次のように説明しています。

 「脳には入力と出力があります。いや、身体感覚(入力)と身体運動(出力)の二点こそが、脳にとって外部との接点の全てです。ですから、入力と出力はともに重要です。
 しかし、入力と出力、あえてどちらが重要かと問われれば、私は躊躇なく『出力』と答えます。感覚ではなく、運動が重要だということです。
 理由の一つは(中略)脳は出力することで記憶すると。脳に記憶される情報は、どれだけ頻繁に脳にその情報が入って来たかではなく、どれほどその情報が必要とされる状況に至ったか、つまりその情報をどれほど使ったかを基準にして選択されます。(中略)
 『やる気』も同様です。
やる気が出たからやるというより、やり始めるとやる気が出ると言うケースが意外と多くあります。年末の大掃除などはよい例で、乗り気がしないまま始めたかもしれませんが、いざ作業を開始すると、次第に気分が乗ってきて、部屋をすっかりきれいにしてしまったと言う経験が誰にでもある筈です。
『何事も始めた時点で、もう半分は終わったようなもの』とはよく言ったものです。」

 

 ともかくどんな大事であろうと、それに至る小事を先ず躊躇なく始めることが肝心です。
 私事ですが、家内と南米を旅行することになり、簡単な挨拶や買い物くらいスペイン語で出来たらいいなと思い、アルファベトもまともに知らないのにスカイプ(Skype)で中米のグアテマラの先生とマンツーマンで会話できるという講座を申し込みました。出発前の一月間で、10回のトラベルコースの授業を受け旅行をしてみると、めちゃくちゃなスペイン語でいい加減に喋っても、意外に意思疎通が出来て、より楽しい旅行になりました。
 帰国後、家内に「結構通じていたね」とおだてられ、もっと喋れたらもっと旅行が楽しくなるだろうと、こんどは文法中心のアカデミー初級コースとやらに挑戦してみました。時差の関係で早朝5時~7時に授業が始まります。ラテン系の語学の特徴である動詞の変化に出会ったからは、毎回「もう止めたい、もう止めよう。」ばかりでしたが、なんとか毎月50分、6~10回の授業を二回り以上若い先生に励まされながらですが「石の上にも三年」を達成してしまいました。

 

 記憶力も悪くなり、なんとか授業前30分程度の勉強時間しか確保できない私でも、授業と合わせて毎回80分の積み重ねも3年で300回近く、合計400時間くらい勉強したことになります。公立中学の3年間の英語の授業時間は、おおよそ270時間程度と言われていますので、旅先で出会ったスペイン語圏の人びととの簡単な会話くらいは出来る程度の語学力がついたという実感があります。まさに「小を積む」の威力です。

 

 こう書くと、「積小為大」の威力はよく理解できるが、継続するのがむずかしいと多くの皆さんがおっしゃいます。全くその通りです。私も早朝5時から始まるのスペイン語会話は、コーヒーとバナナなど軽い朝食をパソコンの前に準備した後、スカイプの準備や、数十分の予習やらで4時過ぎにはベッドから離れなければいけませんので毎回怠け心との戦いの連続でした。

 

 毎日いやいやはじまる私のスペイン語会話も、グアテマラの先生との会話が始まるとすぐに、眠たい、休みたいという気はなくなります。50分のレッスンが終わった時はうまくできても出来なくても爽やかな気分に満たされて幸せな気分になります。

 みなさんの会社の仕事でも、現場の始業前のルーティンワークや後片付け、経理の日々の伝票整理や入力作業などは、「明日まとめてやろう」「今日は時間がないから」などのり気がない自分にいろいろな理由付けをして、後々大慌てすることになっていませんか。

 

 決断したことや、やらなければいけないことは色々考えるより、まずは小さなことから行動に移してみることです。始めれば「最初の一歩で道半ば」ということになります。

 

1石川佐智子「世界に誇る日本の道徳力 心に響く二宮尊徳90の名言」コスモトゥーワン
2池谷裕二「脳には妙なクセがある」扶桑社p327

 

 

次回は、第5章 健全企業の経営実学「人間学」の

 

(4)「心田開発」(仮題)を予定しています。 

 

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が毎週火曜日に発信しています。

 

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は
2002年、「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業を『経営再建プログラム』で再生させる「経営救急クリニック」事業を創業。さらに再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせる企業再生手法を確立。2010年、長寿永続健全企業をめざす中小ファミリー企業のための「『長寿幸せ企業』への道」事業を開始。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

井上雅司の経営相談申込カレンダー

一人で悩まないでください!

 「心の富」を無くさない限り必ず再起のチャンスがあります。  形のあるものを手放すことが再起への最短距離です。時間が掛かっても迷惑をかけた方々に対して道義的責任を果たせる近道なのです。  「倒産」は犯罪ではありません。  「倒産」という言葉の響きは実態とかけ離れすぎているのです。「倒産」という言葉は一人歩きしすぎています。一般の方は倒産の実態についてあまりに無知すぎるのです。自分自身の世界で倒産を空想しないで下さい。倒産は事業にとっての最後の権利なのです。もがき苦しんでいるあなたを救ってくれる最後の手段なのです。  もちろん私は「倒産」など薦めているわけでは決してありません。 私の仕事は医師と同じく経営危機に陥った会社の検診をし、適切な薬をお渡しし、時には手術を施して健康体にすることです。 しかし病気に末期症状があるように事業にも薬や手術ではどうにもならない状態があります。こうした状況になっても会社や財産を手放そうとしないことが再起へのチャンスさえも失わせることになるのです。  「捨てなければ得られない」 重荷を捨ててみてください。今までのことが嘘のように安寧な生活を得ることができます。貧しくても心の平和や充足感からこそ新しいエネルギーが沸いてくるのです。

井上経営研究所代表者のプロフィール

 井上 雅司(いのうえ まさじ) 1951年和歌山県生まれ。 早稲田大学教育学部卒業後日本航空開発株式会社を経てスーパーマケットを創業。20余年の経営の後倒産。自らの経験を踏まえ「倒産から学ぶ『経営実学』」を研究。自分と同じ体験をする人を一人でも少なくしたいの信念のもと「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を目指して、2002年、「経営救急クリニック」井上経営研究所を設立。2002年、「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業を『経営再建プログラム』で再生させる「経営救急クリニック」事業を創業。  さらに再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、優良企業、無借金企業(超優良企業)そして、企業に関わる多くの人が幸せになれる「幸せ企業」にまで一気に生まれ変わらせる企業再生手法を確立。  2010年、永続幸せ企業をめざす中小零細ファミリー企業のための「『長寿幸せ企業』への道」事業を開始。

はじめに(2010/09/19・2016/10/4加筆)

 私の企業再生コンサルタント業は「後悔」からはじまりました。26歳で脱サラして創業した会社を48歳のときに倒産させてしまいました。  今でこそ大きな糧となっていますが、当時は「なんで人より何倍も勉強し、働いてきたのに自分の会社が倒産という結果になってしまったのか。」と毎日「忍辱」「辛酸」「後悔」の日々で「何が足りなかったのか?」と問い続けているうちに自然と企業再生コンサルタント業に踏み入りました。  「自分と同じ思いをする中小企業経営者を一人でもなくしたい」という思いで、自らの体験を「反面教師」としてスタートしました。  当初、倒産の危機にある会社を救い出すことが業務の中心でしたが、後にお話しする『経営再建プログラム』などを経て、倒産の淵から這い上がってこられた企業の中から「引き続き経営のアドバイスをしてもらいたい」というご要望があり、「俯瞰塾」という会を創り、フォローしていくことになりました。  設立当初は、優良会社や無借金経営を目指したわけではなかのですが、なぜかその中から高い確立で優良会社や実質無借金会社が生まれてきました。「俯瞰塾」会員に特別な指導をしたというわけではなく、【新規事業開発】以外は、それまで実行してきた、経営危機から脱出するための「経営再建プログラム」を継続実行してもらっただけでした。  倒産の危機を経験した経営者が望むのは、あの地獄の苦しみを二度と味わいたくないということです。そのためにプログラムでやっていることはその作業そのものが難しいわけではなく、継続すること自体が難しいのです。習慣を変えることは難しいのですが、歯を磨く行為と同じで慣れればなんということはありません。【経営再建プログラム】でやってきた簡単なことを継続することが、危機的状態から正常企業→優良企業→安心企業(無借金企業)への最も重要なこととわかれば、誰でも続けることができるのです。まさに「心が変われば、・・・」 です。  私のすべてのクライアント様は大変な経営危機を乗り越えてこられた方ばかりなので「二度とあの苦しさは味わいたくない」という方が多く、「大きな会社にしたい」というよりも「強い会社にしたい。優良会社にしたい。無借金会社にしたい。」ということを目標にされてきましたが、いざ夢までみた無借金会社になってもそれほどの達成感を感じないことがわかってきました。  クライアント様も私も「何か違う!これが求めてきたものか?」と言う感覚でした。  そんな新たな目標を模索している中で、2006年冬と2008年春に衝撃的な本に出会いました。「千年、働いてきました」(野村進著・角川書店)と「日本でいちばん大切にしたい会社」(坂本光司著・あさ出版)です。クライアント様にもお配りしたり、お勧めしたりして、会社のあり方についてお話をしてきました。  人間が生きていて一番うれしいことは他人のお役にたてること、必要とされることす。それならば、経営者にとって、他人のお役にたて、必要とされる会社を創り、継続していくことが最大の使命ではないでしょうか。売り上げを拡大していくことや最大の利益を上げること、利益を蓄積していくことはすべてその使命のための必要条件や手段にすぎません。  顧客、取引先はもちろんのこと従業員や経営者一族まで、小さな会社に関わっているすべての人が幸せになれ、そうあり続けられる会社、すなわち「幸せ会社」になり、「幸せ会社」であり続けること。これを達成できれば経営者は最高の幸せが得られるはずです。  わたしの使命はそのお手伝いを出来ることです。 その最大テーマが 「長寿で幸せ会社なるための中小零細企業経営の『原理原則』の研究」なのです。              このブログ「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」はそのためのラボ(研究室)のような存在です。

井上経営研究所とは

 井上経営研究所は中小零細企業の再生・再建から健全企業化、さらに『長寿幸せ企業』への道をお手伝いする経営コンサルタント事務所です。  ホームオフィスは、紀伊半島の最南端から少し北西(大阪寄り)に戻った 南高梅や紀州備長炭で有名な自然に恵まれた「みなべ町」という小さな町にあります。この町から日本全国にクライアント様を持ち、対応させていただいています。私、井上雅司がこの不便な田舎価値を起点にビジネスを展開している理由は、プロフィールをお読み頂ければお分かりいただけると思いますが、私が人生の危機に陥った時、全てを掛けて私を助けてくれた、年老いた両親がいるからです。  また、コンサルタント事務所といっても、総務以外は、すべてのサービス業務やプログラム診断業務はもちろん、経理も、このホームページ作成も、全て私一人で対応させていただいています。  というわけですので、無料相談といえどすべて私が直接責任をもって対応させていただいています。