“北の大地”に想いを寄せて

◇このエッセイは“北の大地”で育った私が、ふるさとへの想いを書き綴ったものです。

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網走刑務所

2013年09月16日 | 抑圧と悲しみ


◇画像は網走刑務所です。橋は「鏡橋」と呼ばれています。

◇この刑務所のことは1965~1972年に映画化された、高倉健主演による『網走番外地』によって広く知られることとなりました。そのため、観光地化されたのと同時に、マイナスイメージも付加されてしまいました。

◇網走刑務所の近くには更生保護施設である「錦水寮」が建てられています。「犯罪をした人や非行のある少年の中には、頼ることのできる人がいなかったり、生活環境に恵まれなかったり、あるいは、本人に社会生活上の問題があるなどの理由で、すぐに自立更生ができない人がいます。更生保護施設は、こうした人たちを一定の期間保護して、その円滑な社会復帰を助け、再犯を防止するという重要な役割を担っています。」法務省のホームページにはこう書かれてあります。

◇錦水寮を訪れた時に、かつて航空自衛官だったという男性職員が、私が精神保健福祉士であると聞いて、「最近ではSSTを実施している」と話してくれました。SST(Social Skills Training)は認知行動療法のひとつで、統合失調症の患者さんをはじめとして、現在では学校教育現場でも行われている支援スキルです。すなわちSSTは、受刑者たちが社会復帰に向けて努力を重ねて出所したとしても、周囲の人たちからの偏見や蔑視等によるプレッシャーに負けてしまい、その結果として再び犯罪を起こすことがないように、負の刺激に対する反応の言動パターンを体験的に学ぼうとするスキルなのです。

◇言うまでもなく、そもそもが受刑者や出所者たちに対して偏見や蔑視等の差別行為をする側にこそ問題があるのです。しかし現実には刑務所での受刑経験があるといっただけで無理解に基づく偏見差別を受けてしまうことが多くあります。そのため、つい感情的になったり、投げやり的な言動に陥ることがないように適切なセルフコントロールの対処方法を学ぶ必要があるのです。

◇かつて私は少年院や刑務所で篤志面接委員をしていたことがあります。そのため個人情報ファイルを閲覧する機会もありました。皆、例外なく、「どうしてこれほどまでに悲惨、かつ不遇な生育環境なのだろうか・・」と驚くのみでした。こうした、いわば「不幸の連鎖」を断ち切ることは至難の業(わざ)です。人びとからの根深い偏見差別によるところの社会的排斥・排除(Social Exclusion)のまなざしが、そこに存在しているからです。

◇福島第1原発事故に関連して、「フクシマ」が偏見差別の対象になりかかりました。他の自治体に避難した児童生徒たちに対して、「放射能がうつる!」などと、からかいにしては度が過ぎたまでの、まことに許しがたき差別的言動がなされたりもしました。しかしわが国は「Social Exclusion」に対置する概念であるところの「Social Inclusion」の構築に向かって着実に歩みを進めている国家ゆえに、もはや低俗なる偏見差別が容認・許容されるような未成熟社会ではありません。否、強くそう信じたいと思います。

◇ともあれ、このブログの「鎖塚」でも紹介したように、北海道の開拓は囚人たちの力によって成し遂げられてきた側面があります。道産子の私は、しっかりとそのことを自覚したいと思っているのです。

関連サイト

http://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/hogo_hogo10-01.html

http://www.kouseihogo-net.jp/hogohoujin/institution.html

http://denshobato.com/BD/N/page.php?id=70286

http://blog.goo.ne.jp/kiwi25/e/1913e43412413bb4fbdb1ebbfd5441fa

http://blog.goo.ne.jp/kiwi25/e/43f4bdc2ea307fdadd2ac9abf9351c3d

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