たつのこ半畳記 350

坐禅会情報・四季折々の様子を伝えるときどき日記。
令和3年に開創360年を迎えている起雲山大龍寺のブログです。

★東日本大震災【7】 集落の復興、お寺の復興。

2011年05月15日 | 震災ボランティア
■4月27日(水)午後

北上中学校での炊き出しと避難所内への訪問を終えた私たちは、
石巻市白浜にあり津波の被害を受けた西蔵寺へと向かいました。



今回の炊き出しに参加したメンバーKさんと
西蔵寺のA住職さんとは共に永平寺で修行をした仲間で、
今回の炊き出しでお2人が再会するまで、
修行仲間の中で唯一、Aさんの消息が不明だったとのこと。

お話を聞くと、Aさんが住職をしている西蔵寺は、
今回の津波で基礎部分を残して全て無くなってしまったそうで、
ご自身はお寺を護っていくため役場に勤めていた関係上、
流されたお寺の片付け、残された物の捜索もままならないとのことでした。



そこで炊き出しの後、私たち一同揃って西蔵寺に立ち寄り、
現地でお寺の被害状況をお話しいただき、
また、少しでもお寺の物を拾い出す作業をしました。




北上川の堤防上に延びる道路。
津波により、アスファルト舗装が無くなりました。




石巻市白浜地区




民家の2階の屋根の上に、車が載っています。




砂浜と宅地を隔てている堤防が、宅地から引き離されています。




門柱が倒れています。左右一対のはずが、片方しかありません。




手前にある階段を上ると、本当は本堂があるのです。




高台に避難した方によると、本堂は引き潮で持って行かれたとのことです。




坐禅堂に祀られるはずの文殊菩薩さま。




天蓋の瓔珞が、いたるところに散乱していました。




本堂から20メートルほど先にエスティマ。




そのエスティマの影に、門柱を見つけました。




1度潮をかぶった土地でも、ネギは強いようです。




この土地から、お寺の物品を一つでも探そうと皆で散り散りに歩きました。

30分ほどで、泥土にまみれたお位牌や仏像を幾つも見つけ出しましたが、
アルバム、筆箱、画用紙、表彰状…、
数多くの“平穏な日常の生活”を感じる品々を目にしました。

被災地がだんだん春の気候になってきて、
どこもかしこも、小バエ類が鬱陶しく飛んでいます。
大人数で取り組めばがんばれる気もしますが、
これを独りで行うのは、きつい作業でしょう。





行政は、個人宅・個人に対する復興支援や義援金の給付をしてくれますが、
寺院そのものの復興には力を貸してくれない(貸せない)と寡聞しています。
地域のコミュニティ作りに欠かせない存在でありながら
特定の宗教法人への支援と見なされてしまうので、
行政からは支援がなされないのだそうです。

被災したお寺の復興は、そのお寺の檀信徒の方々、
そしてお寺の住職がしなくてはなりませんが、
誰もが自身の家を失った被災者でもあるのです。

復興は、非常に大変厳しい道のりになるとは思いますが、
修行仲間や、宗派組織によるサポートが不可欠だと感じました。



★東日本大震災【8】 四十九日法要を営みました。

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